のっぽさんの勉強メモ

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9/3 ゲーム:【※注意 論文調 個人的メモ】TRPG雑考メモ2 (TRPGの楽しみ方やら類型やら)

 ゲーム*1の話ー。
 色々ありまして、ちょっと「TRPG」*2という遊びについて色々考えたときのメモです。
 手元に持っててもいいのですが。自分で色々考えたくなったのでブログ上に載せさせていただきます。

※注意
 なんか論文調でやたら堅く難しいです。あと自分用メモなのでみんながわかるように説明はしていません。すみません。
 普段のよりさらに「勉強」とはあまり関係ありませんのでご注意を。


今回はTRPGの楽しみ方やらについてです。


☆TRPGの楽しみ
 TRPGにおける楽しみの一部を描くと

1、ロールプレイする楽しみ
2.ゲームとしてキャラクターを操作する楽しみ(主にゲームの枠内)
3、他者とイメージ*3を共有する楽しみ
4、あえて破綻したときやズレたときのメタ性を楽しむ
5、何も考えず、自由に動ける楽しみ(時に混沌・破滅的なものも含む)

という感じだろうか。
 適当なのでかなり重複しているかもしれない。
 4に関してだが、キャラクターとPLの二重性(にじゅうせい)の露見(ろけん)が、いつも排除されるものではない、ということである。
 例えば「このキャラはこんなことしないだろうけど、今はあえてこうする!」という楽しみはありうるだろう。
 これは言うなれば、今まで積み重ねてきたキャライメージを利用した、セルフ・パロディの面があるように思う。
 5はどちらかというと、物語の流れはあまり考えず、やりたい放題やるものをイメージしている。
 もちろんこういう遊び方もあり得る(その時、他PLが楽しいかはわからないが)。



☆類型やアーキタイプの使用
 始めてゲームをするとき、PCは基本的にはその場で生み出される。
 だが完全に新しいキャラクターを詳しく説明するのは難しい。
 誰もが説明がうまいわけでもない。

 これを解消するために、何らかの「類型(るいけい)」などが使われることがある。
 類型とはいわゆる「型(かた)」のことである。ここでは「わかりやすいキャラ」といった方がいいかもしれない。

 例えばキャラ説明の時に、「このPCの名前は山田太郎です」と言っただけでは、まだこのPCが何をするのかはわからない。
 しかし「このPCは勇者(ゆうしゃ)*4です」と言えば、そこには「勇者」という職業*5・存在の一般的な(あるいはその場のメンバーの中にある)イメージを利用することができる。
 そしてその説明は、ある程度の行動パターンを人に期待させることができる。つまり勇者は勇敢であり、世界を救うために行動するだろう、といった具合に。

 これはシナリオの説明にも言える。
 「今回のシナリオは勧善懲悪(かんぜんちょうあく)です」と言っても、伝わらない可能性があるかもしれない。
 つまり悪い奴をやっつける話なのだが、言葉が難しいこともあって伝わりにくい。

 だが、「今回のシナリオは『桃太郎』みたいな感じです」と言えば、相手が知っていれば通じる可能性は高い。つまり「ああ、悪い鬼を倒しに行く物語みたいな?」という感じである。

 もちろん使用された「類型」は、他者の期待を満たすとは限らない。
 後で述べるようにイメージ自体が違っている可能性もあるからだ。
 だが類型を使えば、他者が「その行動は○○らしくない」と言うことが可能になる。これは情報がない状態に比べれば、判断可能になっているといえる。
 例えば名前だけの「山田太郎」に対して、「その行動は山田太郎らしくない」というのは難しいだろう。まだそれほど彼のことを知っているわけでもない。
 だが「勇者である」と名乗った人物に対してなら、「その行動は勇者らしくないよ」ということは言いやすくなる。

 TRPGはそういった「らしさ」にいつも従うゲームではないが、ゲームの世界観を作ったり共有したりすることには、多くの「らしさ」が役立つように思える。
 「お約束」*6「ベタ」*7というのもその一つだろう。
 もちろんオリジナリティ*8や独自の面白さは重要である。
 だが、TRPGは人とイメージを「共有」する作業が難しいゲームなので、わかりやすい類型もとても重要である。この辺りは伝統芸能における「形」と「形破り」と「形無し」の関係を少し想起させる話である*9。形をみんなで共有できていないままに、なんだか新しいことをしようとすると、よくわからなくなる可能性もある。



☆キャラクター類型・説明
 TRPGにおいてはPLが最初にPCの説明をすることが多い。
 キャラクターの性格の描写は、GMや他のプレイヤーに対して行動の予告をすることになる。
 また他PLはキャラクタが宣言していない行動も、ある程度予想が可能になる。
 つまりヒント*10の共有である。

 TRPG自体は多少マニアックな遊びであるが、これらのテクニックは、日常において縁のないものではない。

 例えば美容室での、髪型に関する注文の仕方を思い浮かべて頂きたい。
 この時いくつかの方法がある。

1、具体的にどうしてほしいかを述べる
 例)「前髪を3㎝切ってください」
2、イメージや感覚を述べる
 例)「ふわっとした感じでお願いします」
3、具体的な有名人を例に挙げる
 例)「俳優の~~さんみたいな感じでお願いします」


これをTRPGにおける「キャラクター紹介」に当てはめると

1、具体的にどういう人物であるかを述べる
 例)「彼は騎士*11で、領主*12の不正*13を許せず…」
2、キャラへのイメージや感覚を述べる
 例)「なんか正義感が強くて、とにかく熱い感じで」
3、具体的な有名アニメ*14・ゲームキャラを例に挙げる
 例)「アニメキャラの~~みたいな熱い感じで行くつもりです」

 という感じだろうか。
 この場合、類型・アーキタイプの使用は主に上記の3に該当すると思われる。
 この時、他者とイメージを共有することができれば、それは描写のショートカットになる。
 つまり以後は「アニメのあのキャラならこうするだろう」という想像をしてもらえるので、細かくキャラの性格説明が要らなくなるかもしれない、ということである。

 また何度か述べているが、この場合はTRPGのゲーム外にイメージソースを持つため、先の行動の予想が容易になるという利点がある。

 さらに、参照しているキャラクターが外見や音声を持っている場合(例えばアニメのように)、それはまた重要な情報になるかもしれない。
 なぜならそれは画像・またキャラクター自身の音声情報(※これはPLの演技ではない)が欠けがちなTRPGにおいて、それはキャラクター外見や音声の想像をしやすくするという可能性を持つからだ。
 例えばPLが男性でPCが女性であるということもよくある。その場合、PC自体の「音声」を想像することは若干の難度があるといえる。
 だが、他の実際のアニメキャラの音声データがあるならば、それはそのPCの「音声」を想像しやすくさせるかもしれない。

しかし、当然のことながらこれらの共有がうまく行くとは限らない。可能性としては

1、自分が参考にしているものを相手が知らない可能性
2、自分が言いたいものを、相手が誤解する可能性

などがある。
1はシンプルに知らないので、リソースとして役に立ちづらいということである。
2に関しては、少しずれるかもしれないが、例えば以下のような会話が成り立ちうる。

GM:じゃあ君たちの前に粘液質で透明感を持った…えと、いわゆるスライム*15が現れた。
PL1:スライム?
PL2:スライムだったらかわいいよね。『ドラゴンクエスト*16のでしょ?近くに寄ってたわむれよう。おーよしよし。
GM:いや、僕が言いたかったのはもっと凶暴な…ダークファンタジー*17に出てくるような。だから人も襲います。すぐ溶かします。
PL2:ちょっと待って、俺、近づいちゃったんだけど!?

 などというような場合である。有名な言葉であるほどこれは生じうる。
 この場合は認識のずれによってPL2が不利な状況に陥っている。
 もちろんこれは絶対的な失敗やピンチではない。この後に続くGMの描写や指定・フォローにもよる。

 ここで言っておきたいのは、TRPGにおいてイメージ共有は重要ではあるが、完全にイメージは先行して共有されていなければならない、というものではない、ということである。
 完全な即興劇*18ではなく、完全にイメージを共有してからの遊びでもない。それらのイメージについては、むしろ絶え間なく共有作業が図られている。イメージの齟齬(そご)は、即ゲームの破綻を意味しない。

 日常においても「犬」*19という単語を聞いて思い浮かべるものは人によって違う。その食い違いはいつでも生じうるが、それは後から修正、補填することができる。
 会話をしている人々がお互いを完璧に理解しあってはいないように、TRPGをする人々も同様である。
 ただ会話劇であるのでその共有難度が高く、その構築やフォロー、隠蔽(いんぺい)、補修作業が見えやすくなっていることはあるかもしれない。
逆に言えば、TRPGの会話や共有作業を通じて、日常会話において何が構築されているのか、を考察することはできるかもしれない。 


 まあそんな感じで~。


追記
 上で書いた内容には、以前ブログで書いた「読書感想文(どくしょかんそうぶん)」*20の話が少し関係するかもしれません。
 というのも、自分の感想を、どういう言葉を使って伝えるか、というのと、
 TRPGで、自分の考えたキャラクターをどう伝えるか、というのはちょっと似ているからです。
 まあその二つだけが似ている、というよりは何かを「紹介(しょうかい)」する時は大体似ているのかもしれません。

 例えば、好きな俳優さんについて伝えるとき、「あのドラマでこういう役してて~」というのは、
 そのドラマからイメージを引っ張ってくる作業だといえます。
 それは、そのドラマを知っている人からすると分かりやすく、細かい説明が要らなくなるかもしれません。
 でも見てない人にとっては良くわからないですね。特にショートカットにはならないわけです。



◆用語集
・メタ性:
 メタな感じ。その作品外の世界を思わせるような感じ。
 例えば四コマ漫画の登場人物が「4コマだからページが少ないんだよ!」とか言ってたらそれはメタ。


・二重性(にじゅうせい):
 二重になっていること。


・「セルフ・パロディ」:
 自分で自分をいじって面白い感じにすること。自分に対するパロディ。


・露見(ろけん):
 明らかになること。


・排除(はいじょ):
 取り除くこと。
 英語で言うと「removal(リムーヴァル)」や「exclusion(エクスクルージョン)」など。
 ゲームとかだと大体ロボット*21とか冷徹なキャラクターが「異物は排除する…!」とか言いながら襲ってくることが多い。


・勧善懲悪(かんぜんちょうあく):
 ざっくり言うと「良い奴が悪い奴をやっつける」ということ。またそのような物語。
 大体のヒーローものはこのタイプの話。
 だからと言ってうかつにこれを避けようとすると、なんか悪い奴がやたら勝ってしまったり、あとヒーローがやたら悩んでたりで、なんかすっきりしない感じになることもある。
 現実のリアリティと、お話としての魅力はまた違うのかもしれない。


・隠蔽(いんぺい):
 隠すこと。
 英語で言うと「hiding(ハイディング)」や「concealment(コンシールメント)」。
 「hide(ハイド)」が「隠す」とか「隠れる」*22という意味。
 関連用語:「潜伏(せんぷく)」*23、「封印(ふういん)」*24、「邪気眼(じゃきがん)」*25、「急襲(きゅうしゅう)」*26、「オーラ」*27


・補修(ほしゅう):
 直すこと。補って修理*28すること。


benkyoumemo.hatenablog.com

*1:「ゲーム」については 3/27 こころの話+体育:不自由(ふじゆう)だからゲームは面白い!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「TRPG(ティーアールピージー)」については 3/14 こころの話:人生(じんせい)/君と道を行くRPG - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「イメージ」については 5/17 学習:イメージ・ネットワーク ~色んな所にネタを探す~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「勇者(ゆうしゃ)」については 1/27 英語:翻訳(ほんやく)を利用して魔王(まおう)を女子にする、だと…!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「職業(しょくぎょう)」については 4/21 歴史:ジョブチェンジ/「きよもりは だじょうだいじんに なった!」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「お約束」については 1/8 国語:実はテーマごとに『お約束』がある、ということ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:「ベタ」については 12/26 英語:ベタなものを逆に利用する! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「オリジナリティ」については 9/18 国+社:新しいもの、古いもの、そして「オリジナリティ」の話 ~真似(まね)と原始時代~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:このあたりの「形(かた)」については 12/21 国語:もっとだ、もっと素敵な文をプリーズ! ~ファンタジー料理を添えて~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:「ヒント」については 12/1 数学:「文章題(ぶんしょうだい)」は難しい - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:「騎士(きし)」については 12/27 社会/騎士(きし)と馬(うま)の話(ざっくり) - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:「領主(りょうしゅ)」については 2/14 歴史:「ゴディバ」と「ゴダイヴァ夫人」の話 ~裸で馬に乗った話!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:「不正(ふせい)」については 12/19 社会:都市運営ゲーム/「不正(ふせい)」編ですよ、市長! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:「アニメ」については 1/22 英+歴+ゲーム:「声優(せいゆう)」さんの話 ~アニメ(anime)に、さらに命を吹き込む人~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:「スライム」については 1/6 理科:圧力(あつりょく)/点・線・面と、物理攻撃の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:ドラゴンクエスト』については 2/7 こころの話:「怠惰(たいだ)」に見えるもの、そこに広がるもの - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*17:「ファンタジー」については 12/16 英語:鑑定(かんてい)だー!単語をよこせ! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*18:「即興劇(そっきょうげき)」については 9/3 ゲーム:【※注意 論文調 個人的メモ】TRPG雑考メモ (おもに伝統芸能との絡み) - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*19:「犬(いぬ)」については 12/29 国+理:「犬(いぬ)」も「侍(さむらい)」になりますか? ~「犬侍(いぬざむらい)」と「文化(ぶんか)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*20:「読書感想文(どくしょかんそうぶん)」については 4/23 国語:読書感想文Lv.1トレーニング! ~vs世界最短の感想文(多分)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*21:「ロボット」については 10/11 数学:プログラム/ロボに指示(しじ)を出すゲーム! ~条件(じょうけん)と予約(よやく)のゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*22:「隠れる」については 7/2 英語:ゾンビ物で出てきそうな英単語! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*23:何かが隠れること「潜伏(せんぷく)」については 9/7 歴+ゲーム:その「法(ほう)」の裁きは人を減らす!? ~ギリシャ神話の法の女神、「テミス」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*24:「封印(ふういん)」については 7/13 英語:「封印(ふういん)」はそこらに溢れてる!? ~「封印」と「シール(seal)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*25:邪気眼(じゃきがん)」については 1/2 生+英他:「お屠蘇(おとそ)」は「デーモンスレイヤー」ですか? ~「悪鬼(あっき)を屠(ほふ)る」・「邪気(じゃき)を払う」酒~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*26:相手の隙を狙って急に襲いかかること「急襲(きゅうしゅう)」については 1/12 国+英他:「かがむ(屈む)」ことは「攻撃(こうげき)」の準備(じゅんび)ですか? ~「stoop(ストゥープ)」や「crouch(クラウチ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*27:「オーラ」については 7/27 ゲーム+英他:「オーラ」は「花(はな)」の「香り(かおり)」ですか? ~「aura(オーラ)」と、「花のほのかな香り」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*28:「修理(しゅうり)」については 11/3 生+英他:「修理(しゅうり)する人」は「黒幕(くろまく)」ですか? ~「fix(フィックス)」と「fixer(フィクサー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。