歴史+こころの話ー。
戦争*1に関する法律*2「戦時国際法(せんじこくさいほう)」についてごく簡単に。
あとは「色々知ってないと悲劇は止まらなくてよりヤバいかもね」という話を。
※内容的にひどい言葉やワルい考えを含みます。ご注意を。
前置き。
マンガ版の『幼女戦記』という作品を読んだのですが、面白いですね。
タイトルが若干ひどいですが、特に萌え系ということではなく、中身は軍事的にひどい作品(誉め言葉)です。
で、その中で「戦時国際法(せんじこくさいほう)」や「講和(こうわ)」という言葉が出てきたので、そこから連想した話を。
ざっくり言うと「戦時国際法(せんじこくさいほう)」というのは、戦争中であっても守るべきルールです。
色んな「軍隊」*3がこれを守らなきゃいけないわけですね。
(まあ守られるとは限らないわけですが)
で、戦争を憎み、これに反対する方からすれば「戦争」と「法」という言葉の組み合わせに違和感を覚えるかもしれません。
「戦争に法などあるものか!」という気分になるかもしれません。
例えばいっぱい人が死に、ひどいことが起きる状況に法などあるものか、と。
仮にそうだとして、そのイメージは分かります。
筆者は体験していないので断言ができませんが、色んなひどいことについて書いた資料もありますし。
ですがそれでも、戦争に関する法、と言うものの存在は重要かと思います。
なぜなら、これがないともっとひどいことが起きる可能性があるからです。
例えば戦時国際法で「非戦闘員(ひせんとういん)」を攻撃することは禁じられているようです。
非戦闘員とは戦わない人であり、、ざっくり言うと「一般人(いっぱんじん)」のことですね。
実際にはこれが守られていない場合もあるかもですが、
それでもこれがないと「軍隊も非戦闘員も一緒に殺してしまっていい」ということになりますので、
「じゃあ最初から敵国の都市*4を丸ごと吹き飛ばしていいよね?」とか
「捕虜(ほりょ)とか面倒だから全員殺してしまっていいね?」みたいなことが生じえます。
それをやり始めると、戦争の終わりは相手国の完全な消滅、という感じになるかもしれません。
だって放っておくと自国民がそれ――つまり虐殺(ぎゃくさつ)*5――をやられる可能性がありますしね。
「一般人を巻き込んだ犠牲*6」や「捕虜の虐待」などは現在の戦争でもよく問題になりますが、
ルール(戦時国際法)が全くなければ、それどころの話であありませんね。
また「戦時国際法」とはまたちょっと違いますが
戦争の終え方である「講和(こうわ)」や「条約(じょうやく)」*7といったものも重要です。
これがないと戦争がいつまでたっても続くことになるので、
やはり相手国を消すまで終わらない、みたいな感じになるかもしれません。
そんなわけで、戦争に関する色んな法律や決め事、というのは重要であるかと思います。
それらは「欺瞞(ぎまん)」「偽善(ぎぜん)」っぽいものもあるかもですが、
それがないとよりひどいことになる、という可能性もあるので。
「戦争」に反対するとき、よく「戦争を起こさない」ということが重要視されますが。
それとは別に「始めてしまった戦争を終わらせる方法(講和条約)」や
「起こってしまった戦争で、よりひどいことをしないためのルール(戦時国際法)」についての知識もまた重要かもしれません。
「自分は戦争なんて起こさないから大丈夫!」と思っていても、巻き込まれることはよくあるもの。
始まってしまった呪わしい事態を、終わらせる方法を知らず、持たないなら、
あなたの運命*8や周囲の犠牲の量は、知識*9を持つどこかの誰かに握られる…ということになってしまうかもしれません。
そして戦争を、相手の国を亡ぼすまでやめられないかもしれません。
あなたがどんなに殺したくない、戦争をしたくないと願っていても。
振り上げたこぶしを、相手を殴り倒すまで下ろせないのか。
それとも、また他の方法で下ろせるのか?
そのためには何を知っていればいいのか?
本文は拙いものでしたが、問いは重要かと思います。
よければ少し考えてみてください。
まあそんな感じで~。
追記
その意味で「無法(むほう)」と「法律が十分に働いていない」という状況はちょっと違ったりします。
例えば「警察(けいさつ)」*10も、ネットとか映画とかの中でなんやかんや「仕事してない」みたいに言われることもありますが、
それでも「警察が存在しない」のとはまたちょっと違うわけです。
これは別に「警察に文句を言ってはいけない」ということではなく、
単に①「警察が仕事しているが理想には足りない状態」、②「警察が存在するが全く仕事をしていない状態」、③「警察が存在しない状態」とはまた違う状態である、ということですね。
あと時々④「警察が存在するが、悪とか敵に回る場合」ということさえあります。
外国では警察とマフィアが手を組んだりしている事例も聞きますし。
◆用語集
・戦時国際法(せんじこくさいほう):
ちなみにTRPG『グランクレストRPG』*11はキャラクターたちが領土を持ち、それが増減するシステムになっている。
命は奪われないが領土を奪われる場合などもあるため、「戦後処理(せんごしょり)」的な場面が生じる可能性はある。
関連用語:「戦没(せんぼつ)」*12、「戦死(せんし)」、「認識表(にんしきひょう)」、「腹芸(はらげい)」*13
・捕虜(ほりょ):
戦争などにおいて捕まった人。
英語では「prisoner of war,(プリズナー・オブ・ウォー)、POW」。
*1:「戦争(せんそう)」については 11/2 社会+国+こころ:愛と平和、と戦争 ~言葉の食い違いから考える~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「法律(ほうりつ)」については 3/27 こころの話+体育:不自由(ふじゆう)だからゲームは面白い!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「軍隊(ぐんたい)」については 5/1 社会:「軍隊(ぐんたい)」に関しての二つの立場(ざっくり) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「都市(とし)」については 12/16 地理:「そこどんな土地(とち)なのさー」って想像する - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「虐殺(ぎゃくさつ)」については 7/27 理科:「森林浴(しんりんよく)」と「フィトンチッド」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「犠牲(ぎせい)」については 8/26 歴史:戦争と2つの「V」の話 ~勝利(victory)と犠牲(ぎせい/victim)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「条約(じょうやく)」については 9/28 英+社:「貿易(ぼうえき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「運命(うんめい)」については 3/3 国語:運命(うんめい)、神(かみ)、そして社会(しゃかい) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「知識(ちしき)」については 1/3 社会:「異世界(いせかい)」と「貧困国(ひんこんこく)」の関係!? ~「知識(ちしき)」と「活躍(かつやく」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「警察(けいさつ)」については 4/27 国語:物語と「理想(りそう)」の不思議な関係! ~あ、その魔王倒しといたから~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:TRPG『グランクレストRPG』については 6/26 ゲーム+英:TRPG『グランクレストRPG』の単語英訳、雑メモ(仮、ルルブ1) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「戦没(せんぼつ)」や「戦死(せんし)」、「認識表(にんしきひょう)」については 7/23 国+英:色んな「つみ」の話! ~将棋(しょうぎ)、花摘み(はなつみ)、あと『ツムツム』?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「腹芸(はらげい)」については 12/13 国+こころ他:「政治家(せいじか)」に「腹踊り(はらおどり)」は必要ですか? ~色んな「腹芸(はらげい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。