歴史+理科+数学の話ー。
「戦闘機(せんとうき)」*1が出てから、
戦場では「高さ」が重要になったのでは?ということについての話です。
※考えながらですので、雑文だったり、間違っていたり、常識だったりするかもです。
前置き。
歴史の資料集で、「戦闘機(せんとうき)」(戦うための飛行機*2)とか「空襲(くうしゅう)」、「爆撃(ばくげき)」といった用語を見ていたのですが。
よく考えると、「自分頭の真上(まうえ)から攻撃が降ってくる」ってとても怖いですね。
例えば、人と人が戦う時は、まあ「真上」から攻撃されるということはなかなかありません。
弓や銃を撃たれたり、周りの山の上から攻撃されることはあるかもしれませんが、
何もないところで、完全に「真上」から攻撃が来ることは少ないわけです。
でもそれは、「戦闘機」を使うことで、可能になってしまいます。
頭上が何もない青空でも、あるいは山も高層ビルもない見慣れた町中でも、
いきなり敵の飛行機が来て爆弾を落とされる、ということはありえるようになったわけです。
言ってみれば、「どんな風景も、簡単に戦場に変えることができる」ようになったのかなと。
これは考えてみるとかなり怖いですね。
今まで「戦争」は軍隊が(遠くの)戦場で行うものだ、となんとなく思っていたとしても、
それが自分の「生活」してる場所まで、協力&速やかに入ってくるわけですから。
どんな風景も、あっという間に戦場に変わりうると。
第一次世界大戦(だいいちじせかいたいせん)*3から戦争は、国全体で戦う「総力戦(そうりょくせん)」*4が重要になったと言われていますが、
そこにはこの「自分の頭上から簡単に攻められる恐怖」があるのかもしれません。
というのも、戦闘機があればお互いに奥の方まで町を攻撃できる。上から一方的に爆弾を落としたりできるわけで。
だから余計に負けられないと思って、戦おうとする、と。
…その果てに「何をしてでも敵を先に殺そう」とか、物騒に言えば「生かしておけない」と思うかもしれません。
さて、数学では「縦」と「横」だけの世界を2次元*5、そこに「高さ」を足した世界を「3次元」、異なる次元を「異次元(いじげん)」と呼んだりします。
そのため今回紹介している「戦闘機(せんとうき)」は、戦場に「高さ」を足したという意味で、十分「異次元」な存在といえると思いますが。
実は「いつ・どこで、自分が攻撃されるかわからなくした」という意味でも、
戦闘機は「異次元」へと、人の心を招いてしまったのかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
関連用語:「ミサイル」*6、「特攻兵器(とっこうへいき)」*7
追記
上では怖いことばかり書いてしまいましたが、もちろん飛行機によるいいことはいっぱいあります。
例えば町の「上空(じょうくう)」を通れる、ということは地上の道路の渋滞(じゅうたい)を避けられますし、
災害時に飛行機やヘリコプター*8などで、それこそ「真上」から助けることもできます。
まあどんなものもいい面と悪い面があり、使い様ということですね。
追記2
ちなみに昔ヨーロッパの「騎士(きし)」*9の時代は、騎士は意外と戦場で殺される率は意外と低かったそうです。
というのも騎士はお金持ちが多いため、殺されるよりは捕まえられて「身代金(みのしろきん)」を要求されることの方が多かったのだとか。
しかし「大砲(たいほう)」*10などの発明によって「城攻め」(城への攻撃)が簡単になると、早く城を落とせば敵の財産を丸々奪えてお得、という風になったそうで。
なので騎士もいちいち捕まえる必要がなくなり、殺されるようになってしまった…という話があります。
これもまた発明が戦いの「次元」を変える、という例かもしれません。
◆用語集
・空襲(くうしゅう):
ざっくり言うと空中から攻撃すること。
英語では「airstrike(エアストライク)」や「air-raid(エアレイド)」。
攻撃の方法としては銃を撃ったり、爆弾を落としたりなどがある。
もちろん高いところから物を落とすと重力(じゅうりょく)で加速する(「重力加速度(じゅうりょくかそくど)」)ため、石などを落とすだけでも結構な威力にはなる。空襲とは違うが、飛行機からの部品の落下事故などが問題になるのはこの点もあると思われる。
この期に関しては日本では、よく「太平洋戦争(たいへいようせんそう)」などの「本土空襲(ほんどくうしゅう)」、「東京空襲(とうきょうくうしゅう)」などが出てくる印象。アメリカの「B-29(び-にじゅうく)」爆撃機は空襲の代名詞*11のようなところがある。
(ちなみに広島へ原爆「リトルボーイ」を投下したのはB-29「エノラ・ゲイ」、長崎へは原子爆弾「ファットマン」を落としたのはB-29「ボックスカー」。)
が、空襲に関してはいろんな国が世界中で行われてきたようで、関連記事も多い。
Wikipediaによれば最近では「無人機(むじんき)」、ドローン、ロボット兵器によるものも行われているようだ。
ちなみにこれも当然ながら、空を飛べるものが無いとこの「空襲」という言葉は成立しない。よって現実では飛行機や戦闘機などの発明後にこの語が作られたと思われる。
漫画やゲームなどのファンタジー世界では「ドラゴン」などの飛行生物がいるため、飛行機の代わりにそれらを使っての「空襲」が行われていることもある。
関連用語:「raid(レイド)/空襲」*12、「急襲(きゅうしゅう)」、「サイレン」*13、「ホバリング」*14
*1:「戦闘機(せんとうき)」については 7/4 理+英:「速さ」に関わる英語メモ(少し) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「飛行機(ひこうき)」については 5/14 生活:図書館(としょかん) is 無料エアポート(空港)!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「第一次世界大戦(だいいちじせかいたいせん)」については 2/4 社+ゲーム:並べかえ問題と、RPGのイベント! ~まず復活して、それから暴れます~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「総力戦(そうりょくせん)」については 8/18 歴+英:これは「土(つち)の中で着るコート」!? ~「トレンチコート」と「塹壕(ざんごう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「2次元」などについては 9/26 数学:平方根、立方根、そして四次元へ……!? ~累乗根(るいじょうこん)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「ミサイル」については 9/27 社+理:兵器/「SLBM(エスエルビーエム)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「特攻兵器(とっこうへいき)」については 8/25 歴史:日本の「特攻兵器(とっこうへいき)」の話 ~「桜花(おうか)」、「回天(かいてん)」、「震洋(しんよう)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「ヘリコプター」については 5/10 社会:全国の神様大集合!? ~「護衛艦いずも」と「出雲国(いずものくに)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「騎士(きし)」については 12/27 社会/騎士(きし)と馬(うま)の話(ざっくり) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「大砲(たいほう)」については 10/15 歴史:お城と大砲(たいほう)と五稜郭(ごりょうかく)! ~城の形が変わった訳~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「代名詞(だいめいし)」については 12/18 英語:人称代名詞(にんしょうだいめいし) ~いらん誤解(ごかい)を招かぬために~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:空襲の意味もある英語「raid(レイド)」や、相手の隙を狙って急に襲いかかること「急襲(きゅうしゅう)」については 1/12 国+英他:「かがむ(屈む)」ことは「攻撃(こうげき)」の準備(じゅんび)ですか? ~「stoop(ストゥープ)」や「crouch(クラウチ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「サイレン」については 1/8 英語:siren/町に響くは人魚(にんぎょ)の声!? ~「サイレン」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「ホバリング」については 6/15 理+英:「ホバリング(hovering)」はもはや「ど根性」ですか!? ~飛行と「ホバリング」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。