算数の「わり算」*1の話ー。基本事項の確認です。
ちなみにタイトルの「強欲(ごうよく)」ってのは「欲が深い」「ワガママで欲しがり」ってことです。
まあ想像してみてください。
ある鉱山(こうざん)で、ワルな2人が、掘り出した宝石(ほうせき)*2を分け合おうとしています。
人物AとBなので、ここでは「アッサム」と「ブライト」とでもしておきましょう。
宝石は5つ。わり算にすると「5÷2」という感じです。
でも2人ではうまく割り切れません。2・3か3・2ということになってしまいます。かといって2人とも自分が少ないのはイヤです。
2人ともワルなので「てめえを消せば俺の総取りなんだよおぉぉッ!」
とお互いに殴り合うのもアリですが、最悪、二人とも共倒れになってしまいます。
それが嫌だと考えた2人は、1個は「共有財産」にしとこう、と決めました。
これは、わり算で言う所の「あまり」にあたります。
つまり、「5÷2=2、あまり1」というわけです。
ですが、「小数(しょうすう)/decimal」*3を使えば、もっときれいに分けられるパターンも存在します。
2人は宝石をお店に持っていき、あまった1個の宝石は同じ価値の「砂金(さきん)」に変えました。
砂金はさらさらしてるので、結構自由に分けることができます。
なので「5÷2=2.5」ということができます。
これが「小数を使ったわり算」であり、逆に言えば「わり算における小数の力」でもあります。
つまり「余りを分けやすくするよー」ってことですね。
さっきより取り分が増えたので、二人ともちょっとうれしそうです。
ですが、小数を使ったわり算でもうまく分けられないパターンがあります。
宝石採りに味を占めた二人は、新たに一人誘って宝石を採りに出かけました。
人物Cなので「チェンバース」ということにしときましょう(重要ではない)。
で、今回は「10個」の宝石が採れたわけですが。
10を3で割ると「10÷3=3.333333……」と無限に続いてしまいます。
これがいわゆる「無限小数(むげんしょうすう)」*4ってやつですね。
これでは砂金にしてもうまく分けられません。
諦めて「あまり1」としてもいいのですが、ここで「分数(ぶんすう)」を使う手もあります。
つまり「10÷3=10/3(3分の10)」と表す、という訳です。
綺麗に割ることはできませんでしたが、あまりが出るより何となく気分がいいので、
3人はそれなりに満足して帰りました(難しいことはお店の人に相談しようと思った)。
つまり分数は「うまく結果が出ないわり算の答えを、そのまま保管できる」という性質があります。
実はこれを利用すると、「後の計算」がしやすくなります。
例えば「3人での宝石採りを3回繰り返した場合の、一人の分け前」の計算は、
「10/3×3=10」となるわけです。
逆にこの時途中でうかつに少数にしちゃってると、「3・3333…・×3=9.9999…」みたいになっちゃうので、
うまく「10」という答えが出ません。
そこら辺はちょっと「小数」と「分数」で違うので、注意が必要ということですね。
「わり算」という早いうちに習うことでも、色んなイメージを使って考えることもできるってことですね。
「わり算はどうも苦手だー」という方は、「自分にハマる」イメージを探してみるのも手かもしれません。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・強欲(greed):
「七つの大罪」*5の一つ。当ブログでは隙あらば七つの大罪を絡めていく傾向がある。
でも「色欲(しきよく)」をうまく紹介できる気はしないんだ……。エロスが絡んでくるからね。
関連用語:「ハムスター」*6
・分数(ぶんすう):
「/」を用いて表した数。
英語で言うと「fraction(フラクション)」。
その数字*7が、いったいどれくらいの割合を満たしているか。ある意味「比(ひ)」*8の話。
関連用語:「確率(かくりつ)」*9
・分母(ぶんぼ):
割る側の数字。分数だと下にある数字。
英語だと「denominator(デノミネーター)」。
関連用語:「母(はは)」*10、「母子(ぼし、ははこ)」*11
関連記事:『母を表す外国語セブン』*12
・分子(ぶんし):
割られる側の数字。分数だと上にある数字。
英語だと「numerator(ニューメレイター)」。
ちなみに理科でも「分子(ぶんし)」は出てくるが、そちらは原子のセットのこと。
・鉱山(こうざん):
鉱石(こうせき)が取れる山。
英語では「mine(マイン)」。
関連用語:「鉱物(こうぶつ)」*13、「発破(はっぱ)」*14、「ダイナマイト」、「精錬(せいれん)」*15、「黄鉄鉱(おうてっこう)/愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」*16、「原石(げんせき)」*17、「掘る(ほる)」*18、「掘り下げる(ほりさげる)」、「発掘(はっくつ)」
・アッサムとブライト:
人物Aと人物B。名前に特に意味はない。
過去記事*19の「方程式2」で宝石を盗んで捕まり、釈放されてから宝石を採りに来た。
「盗むより山*20から採ったほうが早いんじゃね?」「お前天才だな……」的なノリである。採掘許可は取ってる。
こう見えて弱い人や一般人に暴力は振るわない。でも悪いやつはボコボコにする。だから放っておくと二人で殴り合いを始める。
・チェンバース:人物C。名前に意味はない。
後から来たのでちょっと気を使っている。
・お店の人:実は以前宝石を盗まれた店(裏設定)。盗みに来た二人が、堂々と宝石を売りに来たので驚いている。でも今では常連客。
二人があまりに無造作に換金するので、最近では「これこっちがふんだくってるとか思わないのかな……」と逆に心配になってきた。
ここら辺の性格造形はラノベ『異世界Cマート繁盛記』(著:新木伸)を参考にしている。ゆるくて面白い小説です。
*1:「わり算」については 6/23 数学:「加減乗除(かげんじょうじょ)」 ~+-×÷って何なのさ~ - のっぽさんの勉強メモ も参照。
*2:「宝石(ほうせき)」については 2/1 理+国:宝石(ほうせき)の「瑠璃(るり)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「小数(しょうすう)」については 1/7 数学:小数(しょうすう)/細かい所にこだわるココロ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「無限小数(むげんしょうすう)」については 5/29 数学:教科書の中の「循環(じゅんかん)」と「無限(むげん)」!? ~「循環小数(じゅんかんしょうすう)」、「無限小数(むげんしょうすう)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「七つの大罪(ななつのたいざい)」については 12/13 英語:あなたのその熱意、妬ましいわ! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「ハムスター」については 10/27 英語:色んな「スター」 ~ハムスターとシスターのポスター~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「数字(すうじ)」については1/5 数学:なぜ「1+1=2」ができるのか(雑考) - のっぽさんの勉強メモを参照。
*8:「比(ひ)」については 12/8 数→英・社:「比(ひ)」の話って意外と面白いかも - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「確率(かくりつ)」については 4/19 数学:確率(かくりつ)の話メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「母(はは)」については 5/13 社+理他:母の日の「カーネーション」と「ナデシコ(撫子)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「母子(ぼし、ははこ)」については 5/9 理+国:「母子(ははこ)」といったら「動物(どうぶつ)」ですか? ~「ハハコグサ(母子草)」の呼び名の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:記事『母を表す外国語セブン』については 6/21 生+諸外他:「母(はは)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「鉱物(こうぶつ)」については 7/17 歴史:「黒曜石(こくようせき)」の話 ~冷えた溶岩の恵み~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「発破(はっぱ)」や「ダイナマイト」については 8/8 英+国:「はっぱ」の話/葉っぱ、気合、そしてダイナマイト - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「精錬(せいれん)」については 7/22 英語:動詞「refine(リファイン)」と「精錬(せいれん)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」とも呼ばれる金属「黄鉄鉱(おうてっこう)」については 5/22 理科:錬金術/「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」と「賢者の石(けんじゃのいし)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「原石(げんせき)」については 9/30 理+諸外:「宝石(ほうせき)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「掘る(ほる)」、「掘り下げる(ほりさげる)」、「発掘(はっくつ)」については 12/19 英+学他:「受験生(じゅけんせい)」は毎日「dig(ディグ)」してますか? ~「dig/こつこつ勉強する(等)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「 1/27 数学:方程式2/犯人を追い詰めろ! ~数学迷宮入り未遂事件~ - のっぽさんの勉強メモ
*20:「山(やま)」については 12/26 英語:単語/関係(かんけい)を意識してみる ~石と山とか、朝と夜とか~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。