歴史の話ー。
ちなみにタイトルの2択は両方である可能性もあります。
1月からTVアニメ『覇穹 封神演義』もスタートしましたので、
その主人公、また歴史の人物「太公望(たいこうぼう)」という人物についてのメモを。
「太公望(たいこうぼう)」という人物は、昔の中国*1(「周(しゅう)」)の軍師です。
Wikipediaではこの人物は「呂尚(りょしょう)」として書かれていますね。
または「姜子牙(きょうしが)」ともいいます。
よく知られている「太公望」とは通称らしいです。
で、この人物は実際の人物のようなのですが、
一方、昔の作品『封神演義(ほうしんえんぎ)』という物語では主人公として描かれています。
ですがこちらは「仙人」として描かれ、作品も妖怪*2とか仙人とかがいっぱい出てくるファンタジーとなっております。
そのため
①実際の歴史の軍師「太公望」
②「封神演義」における仙人「太公望」(姜子牙(きょうしが))
はちょっと分けて考えた方が良いかもしれません。
両方を簡単にメモると、
①実際の歴史では、ざっくり言うと
「周(しゅう)という国の軍師になり、殷(いん)という国を滅ぼした」
「後に『斉(せい)』という国を始めた」という感じです。
周に行く前は殷に仕えたそうですが、王様がひどいので立ち去ったそうです。
②「封神演義」では太公望こと「姜子牙(きょうしが)」は仙人であり、
仙人であり、「封神(ほうしん)」という計画を進めていく…という感じです。
詳しく書くとネタバレになるので略しますが。
という感じです。
実際の人物が小説の主人公にもなっている、というのはなかなか面白いですね。
どっちをベースにするかで見方がちょっと変わりそうです。
ともあれ、歴史に興味を持つきっかけになるかもしれません。
古代中国は国がいっぱいあったりして複雑ですが、
その源流には上に挙げたような「殷」「周」「斉」といった国が関わっていたりもします。
『封神演義』の作品や漫画が好きだったり、あるいは「太公望」について気になった方は
調べてみるとちょっと勉強になるかも?
まあそんな感じで~。
追記
自分は「太公望」については
藤崎竜(ふじさき・りゅう)先生のマンガ『封神演義(ほうしんえんぎ)』で知りました。
ちなみに冒頭に挙げた『覇穹 封神演義』はその再TVアニメ化作品になります。
◆用語集
・太公望(たいこうぼう):
周の武王*3を助けて、殷の国を討ったとされる人物。
『封神演義』においては「四不像(しふぞう、スープーシャン)」という生き物に載っていたとされるが、この名前の生き物自体は実在する。
ちなみにWikipediaによれば「覆水盆に返らず」ということわざは、太公望に関する故事からきている、という話があるらしい。
でもこれは前漢の「朱 買臣(しゅ・ばいしん)」という人物についてのものではないかという話もある。
また中国の兵法書『六韜(りくとう)』は太公望が書いたとされているが、これは後の時代の創作らしい。
関連用語:「革命(かくめい)」*4、「angler(アングラー)/釣り師、太公望」*5
関連人名・神名等:「文王(ぶんおう)」*6、「檀君(だんくん)」、「伏羲(ふっき)」*7
・軍師(ぐんし):
関連用語:「算術(さんじゅつ)」*8
・仙人(せんにん):
中国の「道教(どうきょう)」において、不思議な術「仙術(せんじゅつ)」や不老不死*9を身に着けた人物。
ちなみにゲーム『東方Project』シリーズには「茨木華扇(いばらぎ・かせん)」などのキャラクターが仙人として登場する。
関連用語:「賢者(けんじゃ)」*10、「聖人(せいじん)」*11、「指南車(しなんしゃ)」*12、「天狗(てんぐ)」*13
・道教(どうきょう):
中国の宗教の一つ。
ざっくり言うと、「道(タオ)」というものを中心に置き、仙人となってそれと一体化することを理想とする。
関連用語:「三元(さんげん)」*14、「中元(ちゅうげん)」
・四不像(しふぞう):
生き物の名前。シカの一種。
Wikipediaによれば作品『封神演義』では神獣とされた。頭は麒麟*15で体は竜*16に似るなど、色んなものに似ているとされる。
関連用語:「キメラ」*17、「鵺(ぬえ)」*18
・殷(いん):
古代中国の王朝。「商(しょう)」とも呼ばれる。
・周(しゅう):
中国の古代王朝。
関連地名:「岐山(きざん)」*19
・斉(せい)【春秋時代】:
紀元前1046年 - 紀元前386年。
関連用語:「春秋五覇(しゅんじゅうごは)」*20、「戦国四君(せんごくしくん)」*21
・『六韜(りくとう)』:
中国の兵法書。
これの一部が「虎の巻(とらのまき)」であり、これは日本でも「マニュアル本」みたいな意味で使われる言葉となっている。
ちなみにWikipediaによれば、日本では「源義経」*22が陰陽術師の「鬼一法眼(きいちほうげん)」から譲り受けたという伝説や、「大化の改新」*23の際に中臣鎌足が暗唱するほど読み込んでいた、という話があるらしい。結構日本の歴史と絡んでいる書物である。
・茨木華扇(いばらき・かせん):
ゲ-ム『東方project』シリーズのキャラクター。
仙人であるが、片腕がない、角があるっぽい、酒に強いなどの特徴を備えており、有名な鬼「茨木童子(いばらきどうじ)」*24との関連が疑われている。
*1:「中国(ちゅうごく)」については 12/16 英語:中国はなんで「China(チャイナ)」って言うの? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「妖怪(ようかい)」については 5/23 英語:「妖精(ようせい)」と炭酸(たんさん) ~スプライト~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:周の「武王(ぶおう)」や朝鮮神話(檀君神話)の「檀君(だんくん)」については 1/28 歴史:国の成り立ちと、狼(おおかみ)と、熊(くま)!? ~「ローマ帝国」と「檀君朝鮮(だんくんちょうせん)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「革命(かくめい)」については 7/6 理+社:「公転(こうてん)」と「革命(かくめい)」 ~2つのレボリューション~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「釣り師」や「太公望」と訳されることもある英単語「angler(アングラー)」については 1/11 理+英:「太公望(たいこうぼう)」で「ガチョウ」で「モンク」の魚!? ~「アンコウ(鮟鱇)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:周の「文王(ぶんおう)」については 9/8 歴史:「西安(シーアン)」は「長安(ちょうあん)」で「豊邑(ほうゆう)」ですか? ~太公望、三蔵法師、「西安事件」etc.~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:中国の神様「伏羲(ふっき)」については 7/6 国語:相撲(すもう)の「はっきよい」の話 ~「発気(はっき)」と「八卦(はっけ)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「算術(さんじゅつ)」については 5/3 国+英他:「誤算(ごさん)」は「無い」方がいいですか? ~「miscalculation」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「不老不死(ふろうふし)」については 8/27 理+歴:「蝉(せみ)」は実は「不死(ふし)」だった!? ~ギリシャ神話と中国の「蝉」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「賢者(けんじゃ)」については 7/24 英+理:薬草/セージと賢者(けんじゃ)と救世主(きゅうせいしゅ)! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「聖人(せいじん)」については 10/26 歴史:ザビエル?シャヴィエル? ~日本に来た彼の名前~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:仙人の人形がついていたという、古代中国の車「指南車(しなんしゃ)」については 2/22 国+歴:「指南(しなん)」は南(みなみ)を指しますか? ~「指南」と「指南車(しなんしゃ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「天狗(てんぐ)」や「鬼一法眼(きいちほうげん)」については7/3 英+国:ウォーター・スプライトとロングノーズド・ゴブリン! ~河童(かっぱ)と天狗(てんぐ)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「三元(さんげん)」や「中元(ちゅうげん)」については 12/29 社+国他:「お歳暮(おせいぼ)」は美味しいものですか? ~「歳暮(せいぼ)」と「贈り物」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「麒麟(きりん)」については 10/10 歴史:キリンと麒麟の話 ~伝説がアフリカからやってきた!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「竜(りゅう)」については 7/17 国+英:どら焼き・ドラキュラ・ドラゴンの話! ~色んな「ドラ」のつく言葉~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「キメラ」については 9/7 国+ゲーム:「合成獣(キメラ)」を元に戻すゲーム!? ~「分け分け・キメラゲーム」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:妖怪「鵺(ぬえ)」については 5/25 国語:鉞(まさかり)/魔王とマサカリと金太郎! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:殷周革命の時に鳳凰が舞い降りたとされる山「岐山(きざん)」については 2/21 社会:「岐阜(ぎふ)」と「鳳凰(ほうおう)」と「孔子(こうし)」の関係!? ~「岐阜県(ぎふけん)」の名前の由来について~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:中国の「春秋五覇(しゅんじゅうごは)」については 1/7 歴史:薪(たきぎ)に寝て、肝を舐める話!? ~「臥薪嘗胆(がしんしょうたん」と「復讐(ふくしゅう)」の連鎖~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:中国の「戦国四君(せんごくしくん)」については 1/19 歴史:王ではないのに、強い「4人」!? ~中国の「戦国四君(せんごくしくん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:「源義経(みなもとのよしつね)」については 2/26 歴史:謎めく歴史の魅力 ~頼朝、義経、二人に何があったんだ!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:「大化の改新(たいかのかいしん)」については 1/12 歴史:マイナーに見えて大切なこと~紙編~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:「茨木童子(いばらきどうじ)」については 5/25 英+歴:「聖霊(せいれい)」と死者、鬼と人 ~色んなゴースト~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。