のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

1/2 歴+国:「初詣(はつもうで)」のメモ ~「詣(けい)」の字と「人」と「神さま」~

 国語+歴史の話ー。

 「初詣(はつもうで)」に関する話です。

 簡単に。


 前置き。
 お正月*1だからといって関係ネタの記事でなくてもよいのですが、
 「初詣(はつもうで)」の「詣(もうで)」ってなんだ?と思ったのでその話を。


 まず「初詣(はつもうで)」とは、その年に初めて神社*2やお寺などに行くことですね。

 調べてみると「詣でる」(もうでる)というのが神様などにお参りすることを意味するようです。
 Wikipediaによれば、源頼朝(みなもとの・よりとも)*3が「鶴岡若宮」にお参りしたのが始まりであるという説もありました。


 あとは「詣(けい)」という字には「行く」とか「高いところに達する」という意味もありました。
 例えば「造詣(ぞうけい)が深い」と言った感じですね。ある分野についての知識が深く、高みに達していることなどを表しています。


 神さまは人間より高いところ(神さまの世界)にいるイメージですし、
 神社に行くということは、まさに「詣」の字が合うのかもしれません。
 また逆に人間でも、達人の技などは「神がかっている」とか「神業(かみわざ)」と言われるところもありますね。
 実際に日本では、神様として祭られるようになった人も結構多いですし。


 「初詣(はつもうで)」に行くと神さまとの距離は(物理的に)近くなるわけですが、
 「詣」という字自体も、(日本での)人と神さまの近さを、どこか表しているのかもしれません。



 まあそんな感じで~。




追記
 また神社に行くことは「参り」や「参る」と言ったりもします。
 例えば「お宮参り」や「お伊勢参り」って感じですね。
 Wikipediaによれば「初詣」は「初参・初参り(はつまいり)」とも言うそうですし。
 でも「参る」は「来る」といった意味もありますし、こちらの方が広い意味か…、
 などど思いつつも調べていると、Wikipediaに「恵方詣り(えほうまいり)」というページがありました。
 これは「詣」の字を使っていながら「詣(まい)・る」という読みをしていますね。
 あと常用外っぽいですが、「詣る」という字自体も「まい・る」と呼んだりするようです。 
 「参る」と「詣でる」は結構近いところにあるのかもしれません。
 (あとそもそも「参詣(さんけい)」という、二つをまとめた呼び方もあります)


追記2
 「参詣(さんけい)」に似た語には「参拝(さんぱい)」もあります。
 こちらの方が聞く機会は多いかもしれませんね。


追記3
 「初詣」の「詣」に似た漢字には「鮨(すし)」がありますね。
 でもWikipediaによればこれはもともとお寿司のことではなく、「うおびしお」という別の魚料理を指すものだったようです。
 ではこの「うおびしお」とは何か?というのを調べてみると、どうも「魚醤(ぎょしょう)」*4という、魚で作った「醤油(しょうゆ)」のことのようです。
 あと「詣」という字の右側はそもそも「旨(し)」で、それはそれで意味があったりします。
 これは中心的な意味とか大事な部分、また言いつけなどを表す言葉のようです。
 例えば「要旨(ようし)」、「趣旨(しゅし)」、「勅旨(ちょくし)」、「令旨(りょうじ)」「綸旨(りんじ)」、、また「旨い(うまい)」という言葉に使われたりしますね。
 そういう意味では魚の大事な部分(「旨」)である「うまみ(旨味)」、それがしみだしているであろう「魚醤/うおびしお」に「鮨(すし)」という字が使われていた、と考えるとわかりやすいかもしれません。。
 現代で言うところの「エッセンス」とか、飲み物だと「一番搾り」とかと重なるところがあるかもしれませんね。





◆用語集
・初詣(はつもうで):
 Wikipediaによれば元々は「年籠り」(としごもり)という行事であったらしい。
 家長(かちょう)が祈願(きがん)のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神神社(うじがみじんじゃ)に籠る*5、というものだったそう。
 つまり一家の長(昔は父親となる男性)が近所の神社に籠るイベントだったようだ。
 関連用語:「祈り(いのり)」*6
 関連記事:『祈りを表す外国語セブン』


・家長(かちょう):
 一家(いっか)の長(ちょう)、長(おさ)。リーダー。
 ちなみにバーチャルYoutuberに「家長むぎ」さんという方がおられるが、読みは「家長(いえなが)」であって「家長(かちょう)」ではない。


・家長むぎ(いえなが・むぎ):
 バーチャルYoutuberの方。
 ギター*7を弾いていると面白いテンションになられるらしい。
 関連人名等:「天開司(てんかい・つかさ)」*8


氏神(うじがみ):
 同じ地域に住む人が共同でお祭りする、(日本神道の)神さま。
 一定地域を守る「鎮守(ちんじゅ)」(の神様)と同じ意味で使われたりもするらしい。


恵方詣り(えほうまいり):
 昔の正月行事の一つ(今はやっていないようだ)。
 1月1日に、その年の恵方(えほう)*9にある神社にお参りする、というものだったらしい。


・参拝(さんぱい):
 神社やお寺、教会などに行って拝む(おがむ)こと。
 英語では「worship(ワーシップ)」など。
 Wikipediaによれば、天皇*10が神社を参拝する場合は「行幸(みゆき)」と言ったりしたようだ。ただ現在ではあまり言わないようだが。
 ちなみに日本では「靖國神社(やすくにじんじゃ)」への参拝、特に終戦記念日*11(8月15日)に参拝することに関して、色んな議論や批判が起こったりする。
 関連用語:「初穂(はつほ)」*12、「初穂料(はつほりょう)」


行幸(ぎょうこう、みゆき):
 天皇が外出すること。
 目的地が複数ある場合は「巡幸(じゅんこう)」というらしい。 
 「行幸」…というより「御幸」が入っている歌には「藤原忠平(ふじわらのただひら)」の「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの御幸 またなむ」というものがある。これは「小倉百人一首*13にも収録されている。


藤原忠平(ふじわらのただひら):880 - 949。
 平安時代前期~中期にかけての公卿(くぎょう)*14
 「延喜の治」(えんぎのち)と呼ばれる政治改革を行ったらしい。
 Wikipediaによれば、彼の兄である「藤原時平(ふじわらのときひら)」と「菅原道真(すがわらのみちざね)」*15は対立したらしいのだが、
 忠平自身は道真と親交を持っていたり、また「平将門(たいらのまさかど)」が忠平の家人として仕えていた時期もあったらしい。…二人とも有名人なので、すごい関係だ。
 というかどうやら忠平自身が、兄の「時平」と対立していたようだ、という話も載っていた。
 関連人名等:「源経基(みなもとのつねもと)」*16


・令旨(りょうじ):
 Wikipediaによれば、律令制(りつりょうせい)*17のもとで出された、皇太子・三后太皇太后・皇太后・皇后)の命令を伝えるために出した文書。
 唐(とう)の命令を伝える文書、「令(りょう)」が元になっているようだ。
 日本史では特に「以仁王の令旨」(もちひとおうのりょうじ)が有名か。


・エッセンス:
 物事の本質や大事なところ、、あるいは「エキス」やそれが染み出た油*18などを指す。
 英語のスペルでは「essence(エッセンス)」
 関連用語:「エリクサー」*19、「蒸留(じょうりゅう)」*20、「アランビック*21、「ランビキ」


・エキス:
 動物や植物の成分を液体に混ぜるなどし、それを濃縮したもの。
 Wikipediaによれば「エキストラクト(オランダ語*22
: extract)」に由来するらしい。
 関連用語:「extract(エクストラクト)」*23【英語】、「コンソメ*24、「ブイヨン」、「出汁(だし)」、「つゆ」*25



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*1:「正月(しょうがつ)」については 1/11 歴+家:正月(しょうがつ)の「鏡開き(かがみびらき)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「神社(じんじゃ)」については 5/8 英語:「神輿(みこし)」はポータブルですか?――はい、神輿はポータブルです - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:源頼朝(みなもとのよりとも)」については 2/26 歴史:謎めく歴史の魅力 ~頼朝、義経、二人に何があったんだ!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「魚醤(ぎょしょう)」や「醤油(しょうゆ)」については 2/27 家庭科:黒くない「醤油(しょうゆ)」、豆じゃない「しょうゆ」!? ~「白醤油(しろしょうゆ)」と「魚醤(ぎょしょう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:「籠る(こもる)/籠もる」については 5/20 国+こころ:この「籠(かご)」に「心(こころ)」は「籠(こ)もって」ますか? ~「籠(かご)」と「籠もる(こもる)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「祈り(いのり)」や、記事『祈りを表す外国語セブン』については 12/30 こころ+諸外他:「祈り(いのり)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:「ギター」については 3/11 英語:英単語を「語呂合わせ」で覚える!? ~エイゴロ合わせゲーム!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:家長むぎさんと麻雀を遊んだことのあるバーチャルYoutuber「天開司(てんかい・つかさ)」さんについては 1/30 社+国他:あなたは「麻布」を読めますか? ~あざぶ、あさぬの、まふ、あさふ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*9:縁起のいい方向である「恵方(えほう)」については 2/3 国+歴:豆(まめ)は「魔目(まめ)」で「魔滅(まめ)」ですか!? ~「節分(せつぶん)の話」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*10:天皇(てんのう)」については 3/18 社+国:天皇(てんのう)さんと五穀(ごこく)の祭り! ~祈年祭(としごいのまつり)、新嘗祭(にいなめのまつり)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*11:太平洋戦争の「終戦記念日(しゅうせんきねんび)」については 8/15 英+歴:「パーマ」と「平和(へいわ)」は「永久(えいきゅう)」ですか? ~「パーマネント・ウェーブ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*12:「初穂(はつほ)」や「初穂料(はつほりょう)」については 1/3 社+国他:「支払い(しはらい)」は「米(こめ)」にするべきですか? ~「初穂(はつほ)」と「初穂料(はつほりょう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*13:百人一首(ひゃくにんいっしゅ)」については 7/2 国語:ジ・オグラ・アンソロジーとポエムズ ~百人一首~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*14:「公卿(くぎょう)」については 1/20 歴+美:「筆(ペン)」にも「刀(けん)」にも強い人!? ~芸術家「本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*15:菅原道真(すがわらのみちざね)」については 2/21 学習:手持ちの本をつなげるゲーム! ~ブックリンカ―~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*16:源経基(みなもとのつねもと)」については 8/9 生+理他:「ソーダ(soda)」は「ナトリウム(sodium)」で「重曹(じゅうそう)」ですか? ~「ソーダ」の由来の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*17:律令制(りつりょうせい)」については 1/5 歴+国:「ドラえもん」は朝廷(ちょうてい)にお勤めですか? ~「衛門府(えもんふ)」と「百官名(ひゃっかんな)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*18:「油(あぶら)」については 12/27 英語:鎧(よろい)の手入れの話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*19:「エリクサー」については 5/22 理科:錬金術/「愚者の黄金(ぐしゃのおうごん)」と「賢者の石(けんじゃのいし)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*20:「蒸留(じょうりゅう)」については 8/22 理+英:「spirit lamp(スピリット・ランプ)」は何のランプですか? ~精霊(せいれい)とアルコ-ル~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*21:蒸留器の「アランビック」や「ランビキ」については 6/1 理+社他:「ランビキ」はグローバルな蒸留器(じょうりゅうき)ですか? ~ギリシャ、アラビア、ポルトガル、日本~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*22:オランダ語」については 3/2 社会:ウサギの話(を少し) - のっぽさんの勉強メモを参照。

*23:英語の「extract(エクストラクト)」については 5/9 生+英他:「謄本(とうほん)」は「コミケ」でも売ってますか? ~「謄本」と、同人誌(どうじんし)の「コピー本」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*24:コンソメ」や「ブイヨン」、「出汁(だし)」については 12/29 家庭科:この「コンソメ」は「ブイヨン」ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*25:料理用語の「つゆ」については 6/18 国+家:そばの「つゆ」っていったい何ですか?(※未解決) ~「つゆ」の由来を調べ切れなかった話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。