5/27 国＋数：「八（はち）」≠「８」ですか！？　～「八重歯（やえば）」と「八重（やえ）」の話～

　国語＋数学の話ー。
　「変な数学」シリーズ…にみせかけた日本語の話です。

　「歯（は）」*1の一種の状態である「八重歯（やえば）」や
　「八重（やえ）」という言葉についての話です。

　前置き。
　筆者はいろんな言葉について考えていたのですが、
　その中でふと「八重歯（やえば）」というものについて思い浮かべまして。
　そういえば「八重（やえ）」とは何か？　歯（は）が８つ*2重なっているわけでもないし…、
　などと気になって調べてみました。

　まず最初に気になった「八重歯（やえば）」についてですが、
　これはざっくり言うと「歯が重なって生えている（ように見える）状態」ですね。
　ただ改めて調べてみると、Wikipediaによれば
　「歯牙が叢生（そうせい）した状態、乱杭歯（らんくいば）のこと。特に上顎犬歯（じょうがくけんし）の低位唇側転位を指す通俗的表現」とのことでした。
　…とても難しいですね。

　まあざっくり言うと、人間には大人の歯である「永久歯（えいきゅうし）」があるのですが、
　それがうまく生えてくるスペースがなくて、（顎（あご）の側に）ズレてしまう、というのが八重歯のようです。
　「八重」というとなんか歯自体が多い（８本ありそう）イメージもありますが、そうではないと。
　歯が多い場合は「過剰歯（かじょうし）」という表現になるようですね。

　なので「八重歯」は別に「８本」の歯ではないので、そこだけ見ると

　「八（重歯）」≠「８（本の歯）」

　みたいな感じの式も作れるかもしれません。

　このように、身の回りの言葉に「八」や「８」などの「数字」が入ったものは多いですが、
　それが「具体的な数字」（本当に○○個ある）か、それとも「例えとしての数字」（あくまで表現）か、というのは言葉によっても違います。
　そういうものを調べて比べてみても、面白いかもしれませんね。

　まあそんな感じで～。

追記
　ちなみに単語としての「八重（やえ）」は辞典などを見てみると
　「八重に重なっている」とか、それから「たくさんのものが重なっている」という意味のようです。
　この名前を持つものは、「八重桜（やえざくら）」とか「ヤエムグラ（八重葎）」とかがありますね。
　日本では多くの神様がおられる様子を「八百万（やおよろず）」と言ったりしますし。
　（日本では）「八」という数字は「いっぱい」みたいな意味で使われやすいようですね。
　関連用語：「八千代（やちよ）」*3

◆用語集（人名等敬称略）
・八重歯（やえば）：
　英語では「double tooth （ダブル・トゥース）」。
　ネットを調べた結果、欧米では「吸血鬼*4っぽい」という理由で嫌がられている様子。
　日本のアニメや漫画では可愛い要素、また「萌え」要素とみなされることもあり、八重歯を持つキャラクター（あるいは尖った犬歯を持つキャラクター）は結構多いようだ。
　…その中には「吸血鬼」のキャラクターも混じっていたりするのだが。八重歯っていうか、吸血鬼の牙。
　関連用語：「犬歯（けんし）」*5

・八重（やえ）：
　花などが重なって咲いていたり、色んなものが重なっている様子。
　「八重垣（やえがき）」というものもある。
　またそのまま女性の人名に使われることもある。例えば「新島八重（にいじま・やえ）」さんなど。
　ちなみにバーチャルYoutuber *6には「八重沢なとり」さんという方もおられたりする。
　また日本には「ヤエノムテキ」という競走馬もいたりする。
　関連用語：「八重咲き（やえざき）」*7、「八分咲き（はちぶざき）」*8、「八分（はちぶ）」、「腹八分（はらはちぶ）」

・八重桜（やえざくら）：

・八重垣（やえがき）：
　多く張り巡らされた垣（かき）、つまり防壁（ぼうへき）など。
　ちなみにこれに関しては「八雲立つ出雲八重垣妻籠めに八重垣作るその八重垣を」という歌もある。
　これは日本最古の和歌（わか）であり、詠んだのは神である「スサノオノミコト」であるらしい。
　ちなみにゲーム『ゴッドイーター』には「ヤエガキ」という武器も存在する。
　またＴＲＰＧ『ブレイド・オブ・アルカナ』*9や『トーキョーN◎VA』*10では特技名として登場する。

・「八雲立つ出雲八重垣妻籠めに八重垣作るその八重垣を」：
　関連用語：「妻（つま）」*11

・新島八重（にいじま・やえ）
　江戸時代末期（幕末）から昭和初期の日本の女性。
　同志社創立者の「新島襄（にいじま・じょう）」の妻として知られる。
　ＮＨＫの大河ドラマ『八重の桜』では主人公として描かれた。
　Wikipediaによれば「会津戦争（あいづ・せんそう）」に参加したり、また薙刀より、銃や「砲術（ほうじゅつ）」を重視していたらしい。自らも「スペンサー銃」を手に戦っていたようだ。パワフル。
　呼び名がいろいろあり、「幕末のジャンヌ・ダルク *12」、「会津の巴御前（ともえごぜん）*13」、「元祖ハンサム・ウーマン」、「日本のナイチンゲール *14」などと称されているらしい。
　一方で茶道・華道にも通じていたらしい。文化と武術に通じた、「文武両道」な女性であったのかもしれない。
　有名な人物だからか、関連キャラクター・物品が多い様子。例えばWikipediaには「八重たん」、「山本八重」、「さくら八重」などの名前が載っていた。

・八重沢なとり（やえざわ・なとり）【バーチャル】：
　.LIVE (アップランド)所属のバーチャルYoutuber。
　関連用語：「名取（なとり）」【軍艦】*15、「風紀委員（ふうきいいん）」*16、「風紀（ふうき）」、「米（こめ）」*17、「稲（いね）」*18、「鞭（むち）」*19
　関連人名等：「名取さな」
　関連番組：『超人女子戦士ガリベンガーV』*20