国語+英語+理科の話ー。
炊飯器(すいはんき)の構造(こうぞう)や「真空(しんくう)」について少し触れるので、理科ジャンルでもあります。
壺(つぼ)などを意味する英単語、「jar(ジャー)」や「pot(ポット)」と、
お米*1を炊くときの「炊飯器(すいはんき)」についての話です。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
「壺(つぼ)」と言うと、何かを入れておく容器(ようき)のことですね。
例えば液体*2を入れたり、また漬物(つけもの)*3などを入れておくこともできます。
RPGのゲームとかでもよく目にする印象ですね。割ったら中からアイテムが出てきそう
そんな「壺」ですが、和英辞典では「jar(ジャー)」や「pot(ポット)」などの英単語が対応しているようでした。
その辞典によれば
・「jar(ジャー)」…土(つち)製・ガラス*4製のものを指す
・「pot(ポット)」…土製、金属(きんぞく)*5製のものを指す
とのことでした。
さらに「英和辞典」の方でも調べると
・「jar(ジャー)」…ガラス・石・陶器(とうき)製で「瓶(びん)」、「瓶(かめ)」、「壺(つぼ)」などを指す
(でも口が広いものであり、「bottle(ボトル)」とはまた別)
・「pot(ポット)」…陶器・金属・ガラス製の「壺(つぼ)」。比較的丸くて深いもの。
という感じでした。それぞれちょっと違うみたいですね。
さて、ところで。
お米を炊く「炊飯器(すいはんき)」の呼び名で、昔「炊飯ジャー」というものがありました。
それは古いかもですが、今も「IHジャー」という言葉はあるようですね。
これらはおそらく上記の「jar(ジャー)」のことだと思うのですが、何故この名前を使うのか?
…と思って調べてみたら、答えがありました。
炊飯器で有名な「象印(ぞうじるし)」様のサイト、「象印くらし百年」に、この話題が載っておりまして。
そちらのサイト様によれば(※以下は筆者なりにざっくりまとめています)、
①昔は炊飯(すいはん)のみできるものが「炊飯器」、炊飯と「保温(ほおん)」ができるものが「炊飯ジャー」と呼ばれていた
(今のものは大体保温ができるので、この呼び分けはしなくなった)
②「ジャー(jar)」は単なるガラス製の瓶(びん)のことだが、マホービン(魔法瓶)と同じ構造(こうぞう)をもつ広口の保温容器を日本では「ジャー」と呼ぶ
…ということらしいです。
ちなみに「魔法瓶(まほうびん)」とは、中のものを保温できる容器のことです。
構造が二重になっていて「真空(しんくう)」の場所があるため、熱・冷たさが逃げにくくなっています。
これのおかげで中のものがぬるくなりにくく、冷めにくいわけですね。
詳細は不明ですが、この魔法瓶の技術が炊飯ジャーにも使われている、ということかも知れません。ここら辺は要追加調査ですね。
※
さて、今の炊飯器に「炊飯ジャー」の機能があり、「jar(ジャー)」が「壺」を意味する言葉だとすれば、
炊飯器を「炊飯・保温ができる便利な壺(つぼ/jar)」ということができるかもしれないですね。
「炊飯器なんだから、保温できるのは当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、
例えば、ただの土の「壺」の場合、そんなに保温はしてくれないわけで。
炊飯器の特殊な構造と電気の力があって、初めて今のような保温ができると思われます。
夏場で食べ物を放っておくと、すぐダメになりやすいもの。
でも保温ができるとちょっとそれを防ぐことができます(過信は禁物ですが)。
家庭で炊飯器を使っている方は、たまにその「便利さ」に感謝してみてもよいかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに炊飯器は英語で「rice cooker(ライス・クッカー)」、または「rice boiler(ライス・ボイラー)」というようです。
上記の話と合わせてみると、「ジャー」を炊飯器に対して使うのは、日本流の可能性もありますね。
追記2
ちなみにゲーム『モンスターストライク』には「炊飯ジャー(スイハンジャー)」というキャラクターが出ているようです。
見てみたら頭が炊飯器で、体が人間でした。なかなかシュール。
追記3
ちなみにいわゆる「灸(きゅう)」や「ツボ押し」の時とかの「ツボ」は、
それぞれ「effective point(エフェクティブ・ポイント)」、「pressure point(プレッシャー・ポイント)」というようです。
なにやらカッコよさげですね。
追記4
ちなみにカードゲーム『遊戯王』には「壺」がいっぱい出てくるのですが、
有名カード《強欲な壺》は「Pot of Greed(ポット・オブ・グリード)」だったのですが、
《ドラゴン族・封印の壺》は「Dragon Capture Jar(ドラゴン・キャプチャー・ジャー)」、
《メタモルポット》は「Morphing Jar(モーフィング・ジャー)」など、
パッと調べた中では「jar(ジャー)」の方が使われている印象でした。
日本語バージョンでは「ポット(pot)」と呼ばれるものが、英語版で「jar」になっているのは興味深いですね。
◆用語集
・炊飯器(すいはんき):
お米を炊くための道具。今日では機械の使われた電気式であることが多い。
英語では「rice cooker(ライス・クッカー)」で、業務用の大きなものは「rice boiler(ライス・ボイラー)」と言ったりもするようだ。
関連用語:「給湯器(きゅうとうき)/boiler(ボイラー)」*6、「圧力鍋(あつりょくなべ)」*7
・壺(つぼ):
何かを入れる容器の一種。
英語では「jar(ジャー)」、「pot(ポット)」など。
ちなみにギリシャ語*8の「lasanon(ラサノン)/壺(つぼ)」*9は料理の「ラザニア(lasagna)」のもとになったりしたようだ。
現実でも昔、笛(ふえ)を吹いて壺の中の蛇(へび)を呼び出す、という大道芸があった。
ファンタジー世界では何かが中に入っていたり、敵が入っていたりする。壺と一体化してたり、生命を持った壺であったりすることも。
例えばゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズには「マジックポット」という敵が登場する。
マンガやホラー映画だと妖怪や何か邪神的な物が封印(ふういん)*10されていることもある。お札などが貼ってあったら要注意。
『ドラゴンクエスト』などのゲームだと、壺の中にはアイテムやお金が入っていることがある。
そのため、「民家に侵入して壺を割りまくる」というのは一種のテクニックであり、ジョークとなっている。
あとトラップ系のゲームだと、相手の頭にかぶせたりできることも。
関連用語:「花瓶(かびん)」*11、「内容(ないよう)」*12、「枡(ます)/升」*13、「jug(ジャグ)/壺」*14、「思う壺(おもうつぼ)」*15
関連記事:『容器に関する英語セブン』*16
・jar(ジャー):
ちなみに「水瓶(みずがめ)」は英語で言うと「water jar(ウォーター・ジャー)」や「water jug(ウォーター・ジャグ)」というようだ。
ただし星座の「みずがめ座」は英語で「Aquarius(アクアリウス、アクエリアス)」や「the Water Carrier(ザ・ウォーター・キャリアー)」と、ちょっと違うようなので注意。
・pot(ポット):
・真空(しんくう):
空気(くうき)*17のない状態。
英語では「vacuum(ヴァキューム、バキューム)」。
ちなみにゲーム『ストリートファイター』では「波動拳(はどうけん)」の上位に「真空波動拳」という技がある。
その影響で「真空」という言葉も強そうに見えるが、空気がない状態のことなので、これ自体がそんなに強いわけではない。むしろ真空を利用して何をするか、というのがポイントになるだろう。
ちなみにWikipediaによれば「真空飛び膝蹴り」という技があり、これはキックボクサー「沢村忠(さわむら・ただし)」さんの得意技であったようだ。
関連用語:「空気抵抗(くうきていこう)」*18、「気圧(きあつ)」*19、「圧縮(あっしゅく)」*20、「掃除機(そうじき)/vacuum cleaner」*21、「音(おと)」*22、「声(こえ)」*23、「振動(しんどう)」*24、「自由落下(じゆうらっか)」*25
・沢村忠(さわむら・ただし):1943-。
日本のキックボクサー。
「キックの鬼」と呼ばれた人物であるらしい。
ちなみにゲーム『ポケットモンスター』に登場するポケモン「サワムラー」(※ちなみにキックが得意である)は、彼の名前がモデルにされているようだ。
ちなみにこのパターンで実在の人物がモデルにされたポケモンは他にもいる(「エビワラー」、「フーディン」など)ので、興味があったら調べてみても面白いかもしれない。。
関連用語:「キック(kick)」*26
*1:「米(こめ)」については 7/10 歴史;「稗(ひえ)」と「米(こめ)」の話 ~やっぱり味は大事でした~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「液体(えきたい)」については 1/16 英語:「氷(こおり)」関係の英単語~氷魔法アイスクリーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「漬物(つけもの)」について 2/24 歴+家:「沢庵(たくあん)」は自由でロック!? ~「沢庵宗彭(たくあん・そうほう)」と「たくあん漬け」~ - のっぽさんの勉強メモ はを参照。
*4:「ガラス」については 7/17 歴史:「黒曜石(こくようせき)」の話 ~冷えた溶岩の恵み~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「金属(きんぞく)」については 5/17 学習:イメージ・ネットワーク ~色んな所にネタを探す~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:英語で「boiler(ボイラー)」とも呼ばれる「給湯器(きゅうとうき)」については 9/10 生+英他:「給湯(きゅうとう)」は「給湯」じゃない!? ~「お湯が出てくること」と、「お湯を沸かすこと」の違い~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「圧力鍋(あつりょくなべ)」については 8/17 生+英他:「鍋(なべ)」は「プレッシャー」を与えますか? ~「圧力鍋(あつりょくなべ)」と「pressure cooker(プレッシャー・クッカー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「ギリシャ語」については 12/18 社+ギリ他:なんだか強そうなギリシャ料理の名前! ~ドルマダキア、スジュカキア、バクラヴァス~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:ギリシャ語の「lasanon(ラサノン)/壺(つぼ)」や料理の「ラザニア(lasagna)」についてはを参照。
*10:「封印(ふういん)」については 7/13 英語:「封印(ふういん)」はそこらに溢れてる!? ~「封印」と「シール(seal)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「花瓶(かびん)」については 6/23 英+国他:「ベース」と言っても色々ですか? ~base、vase、bassの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「内容(ないよう)」については 7/14 国+英:「内容(ないよう)」に関する話メモ ~「コンテンツ」と「コンテナ」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:容器・測量器の「枡(ます)/升」については 6/14 ゲーム+国:「マス」は「四角(しかく)」で「丸い」ですか? ~「マス」と「升目(ますめ)」と「升(ます)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「壺(つぼ)」などの意味を持つ英語「jug(ジャグ)」については 11/24 生+英:「ジョッキ」は「海外(かいがい)」には「無い」ですか? ~「ジョッキ」と「jug(ジャグ)」と「mug(マグ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「思う壺(おもうつぼ)」については 7/23 国+英:「思う壺(おもうつぼ)」の「壺(つぼ)」って何ですか? ~「思う壺」と「壺(つぼ)/見込み(みこみ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:記事『容器に関する英語セブン』については 11/1 英+生:「容器(ようき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「空気(くうき)」については 5/22 理科:四大元素(しだいげんそ)の話 ~地水火風~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:「空気抵抗(くうきていこう)」については 12/25 理科:空気抵抗(くうきていこう)と物の形! ~空気を裂くように~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「気圧(きあつ)」については 1/18 理科:高気圧(こうきあつ)・低気圧(ていきあつ)の話メモ ~温度(おんど)と日射(にっしゃ)と上昇気流~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「圧縮(あっしゅく)」については 1/23 情+生他:「データ」も「布団(ふとん)」も「圧縮(あっしゅく)」できる! ~色んな「圧縮(あっしゅく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*21:英語では「vacuum cleaner」ともいう「掃除機(そうじき)」については 2/8 英+生他:「ごみ」に関わる英語7つ+α! ~「今週の英語セブン」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*22:「音(おと)」については 4/20 英語:語群翻訳(ごぐんほんやく) ~あなたが一番伝えたいこと~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*23:「声(こえ)」については 5/20 理科+こころ:すべての「声(こえ)」には「ズレ」がある!? ~「声(こえ)」と「音速(おんそく)」、伝わる時間~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*24:「振動(しんどう)」については 1/16 理科:音に関しての話メモ ~音と振動(しんどう)の話~ - のっぽさんの勉強メモを参照。
*25:「自由落下(じゆうらっか)」については 8/4 理+英:「フリーフォール」は「フリー・フォール」じゃない!? ~フリーフォールと「自由落下(じゆうらっか)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*26:「キック(kick)」については 3/8 ゲーム+英他:ヒーローの「相棒(あいぼう)」は「横キック」ですか? ~2つの「sidekick(サイドキック)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。