社会+英語+国語の話ー。
妖怪(ようかい)*1関係の話ですが、特にホラー*2ではないのでご安心を。
日本の妖怪「座敷わらし(ざしきわらし)」と、
「座敷(ざしき)」などに関わる英語の話です。
前置き。
筆者は先日、妖怪とかホラーについての本を読んでいたのですが、
その中で「座敷わらし」の名前を見つけたので、関係する話を。
※
まず「座敷わらし(ざしきわらし)」とは、岩手県(いわてけん)*3などに伝わる日本の妖怪(ようかい)のことですね。
(※Wikipediaでは「座敷童子(ざしきわらし)」となっておりましたが、本記事中では読みやすさのために「座敷わらし」と書いております)
座敷わらしは「童(わらし)」という名前の通り、子どもの外見をしており、いつの間にか家*4の座敷(ざしき)…つまり家の中にいたりするようです。
その性質については「いたずらをする」、「座敷わらしが来た家は幸運・お金持ちになる」、また逆に「去ると不運・貧乏になる」などの話があったりします。
中でもこの幸運・不運やお金に関する能力が、特に有名な感じですね。
なので妖怪がテーマのマンガとかだと、座敷わらしを招いたり、引き留めようとしたりしているものもあります。
みんな家をお金持ちにしたいわけですね。
で、この「座敷わらし」、いかにも日本風な名前なのですが、
ふと「英語ではどう言うだろう?」と思って調べてみました。
(※どこかに正解がありそうですが、あえて辞書で調べつつ直訳してみました)
まず国語辞典によれば「座敷(ざしき)」とは、日本間(にほんま)、またはその「客間(きゃくま)」とのことです。
つまり和風の部屋や、その中でもちょっと良いお客さん用の部屋のことですね。
で、その「座敷」を手元の和英辞典で調べてみると、
英語では「a room floored with tatami mats(ア・ルーム・フロアード・ウィズ・タタミ・マッツ)」となっておりました。
直訳すると「畳(たたみ)*5が張られた部屋」(「畳張りの部屋」)。
…わかりやすいですが、名前に使うにはちょっと長いですね。
また「座敷」の「客間(きゃくま」)」…お客さんを通す部屋という意味では、
「reception room(レセプション・ルーム)」や「parlor(パーラー)」などの語が載っていました。
この「parlor(パーラー)」という語、喫茶店関係で聞いたような?と思い、
英和辞書で調べてみると、「客間風の店」といった意味がありました。
「shop(ショップ)」などに比べて、ちょっと上品な感じのする語のようですね。
一方「童(わらし)」という語は「子ども」という意味なので、
こちらは「child(チャイルド)」でいけそうです。
これらを組み合わて「座敷わらし」を直訳すると、
①「parlor child(パーラー・チャイルド)」とか②「reception room child(レセプション・ルーム・チャイルド)」、
はたまた③「a room floored with tatami mats child(ア・ルーム・フロアード・ウィズ・タタミ・マッツ・チャイルド)」…といえるのかもしれません。
…③は長すぎてよく分かりませんし、①や②は「客間とかお店にいる子ども」感がすごいですね。
あんまり妖怪感が伝わってきません。
逆に「fortune child(フォ-チュン・チャイルド)/幸運の子ども」くらいの方が通じるかもしれません。まあもたらすのは幸運だけでもないようですが…。
今回の翻訳*6は半分ネタでやってみた感じですが、
個々の言葉を直訳しても意味が通じるとは限らない、というのは重要かもですね。
単語の意味が合っているだけでなく、全体の流れ(「文脈(ぶんみゃく)」)を押さえていることが重要、と言えるかもしれません。
(※ここらへんを深めると翻訳関係で面白い話になるのですが、長くなるので略)
※
ちなみに上でも少し書きましたが、
妖怪マンガとかでは、座敷わらしを引き留めようとした人は失敗し、
逆に頼りすぎず頑張ろうとした人は幸せになる、という展開もあったりします。
幸運・不運は、自分にはなかなか左右できないもの。
なので「座敷わらし(幸運)」がいるか・いないかだけにこだわるのではなく、
「いてもいなくても頑張るぜ!」くらいの気持ちでいた方がいいかもですね。
その方が結果的に、「座敷わらし(幸運)」を「座敷(自分のもと)」に招くこともできるのかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・座敷わらし(座敷童子、座敷童)【妖怪】:
関連用語:「怪談(かいだん)」、「イベント」*7、「トラブル」、「ハプニング」
・座敷(ざしき)【住宅・建築】:
関連用語:「お座敷列車(おざしきれっしゃ)」*8、「敷く(しく)」*9、「下敷き(したじき)」、「館(やかた)」*10
関連記事:『家を表す外国語セブン』*11
・客間(きゃくま)【住宅・建築】:
英語では「reception room(レセプション・ルーム)」や「parlor(パーラー)」など。
関連用語:「部屋(へや)」、「居間(いま)」*12、「reception(レセプション)」*13
・parlor(パーラー):
関連用語:「美容室(びようしつ)/beauty parlor(ビューティ・パーラー)」*14、「パフェ」*15、「隠し芸(かくしげい)/parlor trick(パーラー・トリック)」*16、「フラッペ」*17、
・「parlor child(パーラー・チャイルド)」:
「座敷わらし」に対する筆者の造語、または誤訳。
フルーツパーラーとかでパフェを食べている子どもっぽい。
*1:「妖怪(ようかい)」については 5/23 英語:「妖精(ようせい)」と炭酸(たんさん) ~スプライト~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「ホラー」や「怪談(かいだん)」については 7/18 国+ゲーム:3行でホラーを作るゲーム!? ~「3行ホラーメイカー」!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:日本の都道府県の一つ「岩手県(いわてけん)」については 6/19 地理:コラボ/地域振興キャラ、「東北ずん子」さんの話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「家(いえ)」や「部屋(へや)」については 12/21 英語:「家(いえ)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「畳(たたみ)」については 3/16 国+英他:「畳(たたみ)」は「ラッシュ」でできている!? ~「藺草(いぐさ)」と「rush(ラッシュ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「翻訳(ほんやく)」については 12/7 英語:「I am」でたらめ翻訳(ほんやく)のお遊び - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「イベント」、「トラブル」、「ハプニング」については 5/16 英+国:「急な出来事(できごと)」についての英語! ~「event(イベント)」、「trouble(トラブル)」、「happening(ハプニング)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:中に畳張りの座敷などがある列車「お座敷列車(おざしきれっしゃ)」については 8/24 英語:「電車(でんしゃ)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:何かを「敷く(しく)」ことや、「下敷き(したじき)」については 9/25 生+英:「下敷き(したじき)」は「文房具(ぶんぼうぐ)」で、「モデル」さんですか? ~下(した)に敷(し)くものの話~ - のっぽさんの勉強メモを参照。
*10:「館(やかた)」については 7/2 国+歴:「館(やかた)」と言えば「人(ひと)」ですか? ~「館」と「屋形(やかた)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:記事『家を表す外国語セブン』については 5/1 外諸+生:「家(いえ)」に関する外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「居間(いま)」については 4/2 中+英他:「居間(いま)」は意外と「ジューシー」ですか? ~「居室(ジューシー)」と「juicy」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:英語の「reception(レセプション)」については 8/16 体+英他:「レシーブ」に「レシート」は必要ですか? ~「receive(レシーブ)」と「receipt(レシート)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「beauty parlor(ビューティ・パーラー)」と呼ばれることもある店「美容室(びようしつ)」については 5/18 英+生:「髪(かみ)」関係の英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:「パフェ」については 9/16 英+家:「良い」だけじゃとても足りない世界!? ~「ファイン」と「パフェ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:英語では「parlor trick(パーラー・トリック)」ともいうらしい「隠し芸(かくしげい)」については 12/30 国+英:「隠し芸(かくしげい)」もまた「トリック」ですか? ~「trick(トリック)」と「parlor trick(パーラー・トリック)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「フラッペ」については 6/3 生+イタ:「カプチーノ」は「修道士(しゅうどうし)」で「頭巾(ずきん)」ですか? ~「cappuccino(カプチーノ)」と「カプチン会」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。