生活+社会+理科+国語の話ー。
「こうすると、イワシの木が生えるんですよ…」という話ではありません。
魚(さかな)の一種である「イワシ(鰯)」と、
肥料(ひりょう)*1として乾燥させたイワシ、「干鰯(ほしか)」の話を。
前置き。
昨日は「肥料(ひりょう)」に関する記事を書きましたが。
そこから「干鰯(ほしか)」という語を思い出したので、その話を。
※
まず「イワシ(鰯、いわし)」というと魚の一種ですね。
Wikipediaによれば、全長は成魚(せいぎょ)でも10cm–30cmと、あまり大きくない印象です。
食べ方は色々あって、塩焼きや天ぷら*2、寿司(すし)にしたり、
稚魚(ちぎょ)等は「ちりめんじゃこ(しらす干し)」にしたりするようです。
なので、普段「イワシ」というと「食べ物」というイメージですが。
なんと昔は、イワシを「畑(はたけ)」に埋(う)めることもあったようです。
それが「干鰯(ほしか)」というものですね。
この「干鰯(ほしか)」は、「干(ほ)した鰯(いわし)」…乾燥(かんそう)させたイワシのことであり、
畑に使う(土に埋める)肥料(ひりょう)の一種らしいです。
資料集やWikipediaによれば、「江戸時代(えどじだい)」周りで大量に使われていたようですね。
ちなみにWikipediaによれば、昔は冷蔵(れいぞう)の技術がなかったので、
(家々に)生のイワシが届くことはあまりなく、上記の「干鰯」がほとんどだったようです。
なので、海から離れた場所の農家さんにとっては、
「『イワシ(鰯)』は(干鰯として)『畑』に『埋める』物!」って感じだったかもですね。
…現代のイワシ好きの人が聞いたら、びっくりしそうですが。
※
ちなみに、Wikipediaに面白い話も載ってまして。
というのも、かつて「九十九里浜(くじゅうくりはま)の鰯漁況が全国の米(こめ)の作柄(さくがら)を左右する」…、
つまり「イワシのとれ具合で、米の取れ具合も変わる」とも言われたそうです。
「干鰯」が肥料として多く使われていたことを思わせる言葉ですね。
(ちなみに「九十九里浜(くじゅうくりはま)」は、千葉県のイワシがたくさん穫れる浜ですね)
イワシは漢字だと、「魚」に「弱」…「弱(よわ)い」なんて書きますが。
でも「干鰯(ほしか)」として昔の米、そして人を支え、
そしてその子孫が、今の時代を生きているとすると。
実は私たちも、すでに「イワシ(鰯)」に「強く」助けられているのかも?
まあそんな感じで~。
追記 (※下ネタというか、「下(しも)」の絡むネタなので注意)
ちなみに本文で書いた「干鰯」ですが、
昔で言う「金肥(きんぴ)」…、お金を出して買う肥料に含まれるようですね。
こう書くと「買わなくていい肥料とは何か?」という話になりますが、
それは「自分たちで用意できる肥料」ということになります。
つまり「下肥(しもごえ)」…「人間の排泄物(はいせつぶつ)」を利用した肥料や、
「厩肥(きゅうひ)」…飼っている牛や馬などの排泄物を利用した肥料など、というのがあったりする訳ですね。
マンガとかでも昔の時代を舞台にしたものには、村に「肥溜め(こえだめ)」というのがあったりしますが、
これが肥料を作るための装置・施設ということになります。
これらの話は、現代からするとちょっと汚い…という感じがするかもですが。
自然循環的に、排泄物等を利用できる、というのはわりとエコ、リサイクルな話とも言えるかもしれません。
捨てるものを利用できて、畑に活用できる訳ですしね。
逆に、排泄物を水洗トイレで流してしまう現代は、
衛生的(えいせいてき)、クリーンな感じはしますが。
でも、排水を後で綺麗にする施設は必要になりますし(※そして方法によっては薬による水質汚染も起こる)、
また畑に利用する肥料は、また別に購入・用意しなくてはなりません。
まあ別に「トイレのシステムを変えようぜ!」という話ではないのですが。
ただ「地球環境がヤバい」と言われることが多い今、
昔のシステムを色々参考にしてみる、というのも良いかもですね。
別にトイレ関係でなくとも、生ゴミから肥料を作る装置は今でもよくありますし。
ちなみに上記のような話(肥料関係)が関係するゲームとして、
『天穂のサクナヒメ』(2020年)というものもあるようです。
・干鰯(ほしか):
・金肥(きんぴ):
*1:「肥料(ひりょう)」については 6/6 理+国他:「土地(とち)」は「太(ふと)っている」方がいいですか? ~「肥料(ひりょう)」と「肥(ひ)/太る」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「天ぷら」については 6/20 生+ポル他:「天ぷら(てんぷら)」は「身(み)を清(きよ)める」ものですか? ~「四季齊日(しきさいじつ)/quatro temporas(クアトロ・テンポラス)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:イワシの稚魚を干して板状にした物「たたみいわし」については 2/15 生+英他:「イワシ」は「紙(かみ)」になりますか? ~「たたみいわし/sardine paper(サーディン・ペーパー)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。