国語の話ー。
「尽」という一つの漢字に、かなり色んな読みかあるようだ…という話です。
軽いクイズを交えつつ。
用事があるので簡単に。
前置き。
昨日「ミミズク」*1について調べていた流れで、
見つけた「ずく」や「尽」などの語が面白かったので、その話を。
※
まず「尽」とは、漢字の一種ですね。
日常では「尽きる(つきる)」…何かがなくなる意味などで使うかもしれません。
で、ふと思いついて調べてみると、
この「尽」にはいろいろ読み方があるようで。
さて、ここでクイズです。
「尽」だけでなく、上記「尽(つ)きる」の「尽(つ)」のような場合も含めると、
「尽」にはどんな読み方があるでしょうか?
良ければ考えてみて下さい。
…どうでしょうか?特に思い浮かばなくても大丈夫ですが。
まず、上にも書いた①「尽きる」の「尽(つ)」や、
②「尽力(じんりょく)」等の「尽(じん)」という読みがあります。
(「尽力(じんりょく)」は「力を尽くす」などの意味なので、意味的にはあまり変わっていませんね)
で、「力だけで強引になんとかする」ことを
例えば「力ずく(ちからずく)」と言ったりしますが。
国語辞典ではこの「ずく」を「尽(ずく)」とも書くということ、
またネット上・パソコン文字変換上では、同様の意味で「尽く(ずく)」という書き方が見られました。
なのでそれぞれ③「尽(ずく)」、
④「尽く(ずく)」の「尽(ず)」として数えられそうです。
そして他にも
⑤「心尽くし(こころづくし)」の「尽(づ)」、
⑥「尽く(ことごとく)」の「尽(ことごと)」という読みがあったりします。
改めて並べると
①「尽(つ)」 (「尽きる(つきる)」など)
②「尽(じん)」 (「尽力(じんりょく)」など)
③「尽(ずく)」 (「力ずく」→「力尽(ちからずく)」のような)
④「尽(ず)」 (「尽く(ずく)」など)
⑤「尽(づ)」 (「心尽くし(こころづくし)」など)
⑥「尽(ことごと)」 (「尽く(ことごとく)」など)
と、筆者が軽く調べただけでも6種類の読みがあることになりますね。
探せば他にもまだあるかもです。
※
まあ「尽」だけをガッツリ調べても、テストには役立ちにくいかもですが。
でも一つの「尽」という漢字を、これだけ多くの音で読む、というのは面白いですね。
…特に外国人の方にとっては、悩みの種かもですが。
もちろんこれは「尽」に限った話ではないので、
例えばあなたの名前に含まれる漢字にも、意外な読みがあったりするかも?
「尽力」しても「探し『尽』くす」ことは難しいでしょうが、
時々調べてみるのも面白いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに個人的には「ず」と「づ」は言葉で使い分けられている印象だったので、
「尽」に④「尽(ず)」⑤「尽(づ)」の2つの読みがあるのは興味深かったです。
追記2
ちなみに「ことごとく」は、「悉く(ことごとく)」という書き方をよく使うようです。
なので辞典などで調べるとこちらが出てきますが、
「尽く(ことごとく)」とも書くと書いてあったので、どちらも間違いではないようです。
追記3
ちなみに話は変わりますが、金属で「銑(ずく)」という物もあるようです。
これは国語辞典によれば「ずく鉄」…「銑鉄(ずくてつ)」のことで、
いわゆる「銑鉄(せんてつ)」…精錬(せいれん)された鉄(てつ)のことのようですね。
「ずく」というとなかなか変わった響きかとも思いますが、
今回の「尽く(ずく)」に昨日の「木菟(みみずく)」、そして「銑(ずく)」など、意外に当てはまる語があるものですね。
◆用語集
・「尽」【漢字】
・心尽くし(こころづくし):
ちなみにカードゲーム『遊戯王』(遊戯王OCG)には《ドラゴンメイドのお心づくし》という魔法カードもあったりする。