社会+国語+ゲームの話ー。
ホラ-*1でよく見る、大男の怪物*2「フランケンシュタイン」と、
その物語を書いた女性「メアリー・シェリー」、
そして執筆のきっかけとなった「ディオダティ荘の怪奇談義(かいきだんぎ)」の話を、
(※本記事中、人名等敬称略)
前置き。
先日、宝石のドイツ語「Edelstein(エーデルシュタイン)」*3を紹介し、
また今月10月末には「ハロウィン」*4があるということで。
今回はハロウィンでもよく見る怪物、「フランケンシュタイン」の話を。
※
まず「フランケンシュタイン」というと、怪物(かいぶつ)の一種って感じですね。
一般的には 顔にツギハギ(継ぎ接ぎ)のある大男(おおおとこ)の姿のことが多い印象です。
ホラー映画などやハロウィン、ゲームなどで見たりもしますね。
ただ実際は、上記の怪物の名前は「フランケンシュタイン」ではないようです。
正確には「フランケンシュタイン博士の作った怪物」*5って感じで、
実は怪物に名前はないようですが。
でも一般的には、この怪物が「フランケンシュタイン」と呼ばれ、有名になっていますね。
さて、この「フランケンシュタイン」の出てくる物語の名前は、
原題が『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』と、かなり謎めいているのですが、
これの生まれた状況も色々謎めいていて、面白かったりするようです。
というのも、「ディオダティ荘の怪奇談義(かいきだんぎ)」という言葉が関わっていたりするからですね。
そもそも、フランケンシュタインの物語を書いたのは
「メアリー・シェリー」という女性なのですが。
Wikipediaによれば、彼女たちが訪れた「ディオダティ荘(Villa Diodati)」という所で怪談話(かいだんばなし)が行われ、
そこで得たアイデアを元に、上記「フランケンシュタイン」の物語が書かれたようです。
で、このときの話し合いが「ディオダティ荘の怪奇談義」なんて呼ばれているようです。
…名前からして謎めいていて、格好良いですね。
なので「フランケンシュタインはどこで生まれた?」という質問がなされた時。
物語的には、「フランケンシュタイン博士の研究所」ということになりそうですが、
作者メアリー・シェリーがアイデアを得た場所という意味では、
「(物語の)『フランケンシュタイン』は『ディオダティ荘』で生まれた!」と言えるかもですね。
※
ちなみに「ディオダティ荘の怪奇談義」には「吸血鬼(きゅうけつき)」*6も関わったりしているようです。
というのも、この夜の話し合いから『吸血鬼』という小説が書かれたらしいのですが、
Wikipediaによれば、これが「創作物におけるロマン主義の吸血鬼のジャンルの始祖(しそ)」とか、
また、現代での吸血鬼イメージにもかなり影響している、ともされるようです。
すると「吸血鬼(イメージの何割か)も『ディオダティ荘』で生まれた!」と言えるかもですね。
…「フランケンシュタイン」と「吸血鬼」が生まれていると考えると、
かなり「ディオダティ荘」が魔境(まきょう)って感じもしますが。
まあ、上記のような話やホラーが好きかどうかはともかく、
ハロウィンのかわいい「フランケンシュタイン」や「吸血鬼」は好き、という方はおられるかもです。
そしてハロウィンで、怪物たちのルーツ(出身)がふと気になったら、
ちょっと「ディオダティ荘」について調べてみるのも面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「ディオダティ荘」を借りていたという「バイロン」という人物も面白かったりします。
Wikipediaによれば第6代バイロン男爵「ジョージ・ゴードン・バイロン」は、
彼自身も詩人であり、数々の名言で知られているようです。
また本文でも書いた『吸血鬼』に出てくる、吸血鬼のモデルともされるようです。
またバイロン卿の娘には「エイダ・ラブレス」という方がおられるのですが、
この人は「世界初のプログラマー」と呼ばれたり、
コンピュータの父ともされる人物、「チャールズ・バベッジ」と親交があったと言います。
そのためいわゆる「スチームパンク」(蒸気科学世界・異世界物)の世界観では、
「エイダ」さんは父の「バイロン卿」と共に、地位の高い重要人物とされたりもするようです。
上記の話や「ディオダティ荘の怪奇談義」のことを考えると。
もし「バイロン卿」がいなければ、
現在の形では「フランケンシュタイン」や「吸血鬼」、「スチームパンク」などもなかったかもしれません。
その意味でもバイロン卿は、創作・フィクションの世界にとって重要人物と言えるかもですね。
◆用語集
・フランケンシュタイン(の怪物)【怪物・ホラー】:
ちなみにフランケンシュタインの起動(きどう)には、物語では「雷(かみなり)の電力(でんりょく)」が関わっていたりするので、ゲームなどでのフランケンシュタインは電気系の技が使えることもある。
ちなみに昔の格闘ゲーム『ヴァンパイア』の「ビクトル」というキャラはフランケンシュタイン的なキャラであり、電気に関する技もあったようだ。
またゲーム『Fate/GrandOrder』にはフランケンシュタインというキャラがいたりもする。が、こちらの場合は女性。こちらも電気に関する技あり。
カードゲーム『遊戯王』(『遊戯王OCG』)には《デビル・フランケン》 、《ゴーストリック・シュタイン》、《No.22 不乱健》などのモンスターがいたりする。
そして昔あったPBW・TRPG『シルバーレイン』というゲームには、フランケンシュタイン的なモンスターがいたり、「フランケンシュタインの花嫁」というジョブがあったりした。
関連用語:「ゾンビ」*7
似てる言葉:「frank(フランク)」*8
関連記事:『ハロウィンの仮装に関する英語セブン』*9、『恐怖を表す外国語セブン』*10
・フランケンシュタイン【Fate】:
ゲーム『Fate/GrandOrder』のフランケンシュタインは女性であるためか、夏イベントでは水着を着たり、アーケード版(『Fate/GrandOrderArcade』)ではサンタ姿になったりもしているようだ。楽しそう。
創作物でのフランケンシュタインの話は、全体的に「怪物」「かわいそう」なエピソードが多い気がするので、ギャップがすごい気もする。
・『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』/『フランケンシュタイン』【物語】:
関聯用語:「本(ほん)」*11、「小説(しょうせつ)」、「漫画(まんが)」*12
・「メアリー・シェリー」【作家】:
・「ディオダティ荘の怪奇談義」【出来事】:
・ディオダティ荘【場所】:
関連用語:「別荘(べっそう)」*13、「ヴィラ(villa)」
*1:「ホラー」や「怪談(かいだん)」については 7/18 国+ゲーム:3行でホラーを作るゲーム!? ~「3行ホラーメイカー」!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「怪物(かいぶつ)」や「名前(なまえ)」については 11/4 英語:ゲーム/「名前のない怪物」 ~名前を付けるゲーム~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:ドイツ語の「Edelstein(エーデルシュタイン)/宝石」については 9/30 理+諸外:「宝石(ほうせき)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「ハロウィン」や「モンスター」については 7/26 英語:treat/モンスター、ハロウィン、そしてトリートメント! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:Wikipediaでは「フランケンシュタインの怪物」とされていました。
*6:「吸血鬼(きゅうけつき)」または「ヴァンパイア」については 12/23 英語:ファンタジー/素材(material)の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「ゾンビ」については 4/20 数学:速度(そくど)/ゲーム:スティーブ・イン・ゾンビシティ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「frank(フランク)」については 10/6 英+社他:「フランク」は「フランク」で「フランク」ですか? ~性格(せいかく)や人名(じんめい)他、色んな「フランク」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:記事『ハロウィンの仮装に関する英語セブン』については 10/26 英+ゲーム:「ハロウィン(の仮装)」関係の英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:記事『恐怖を表す外国語セブン』については 3/11 こころ+諸外:「恐怖(きょうふ)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「本(ほん)」、「小説(しょうせつ)」については 7/12 英語:「本(ほん)」に関わる英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「漫画(まんが)」については 8/7 歴+英他:「落語家(らくごか)」は「Youtuber」ですか? ~「寄席(よせ)」と「チャンネル」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:「別荘(べっそう)」や「ヴィラ(villa)」については 5/22 国+ラテ他:「ビラ」は「チラシ」で「別荘(べっそう)」ですか? ~「ビラ(片)」と「ヴィラ(villa)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。