理科+生活+英語の話ー。
「ポリフェノールは体にいいし、袋にだって使える!」的な話ではありません。
ココア*1等に入ってて体にいいとされる成分「ポリフェノール」と、
透明*2な素材で作られた袋*3、「ポリ袋」の話を。
ポリ袋の主な素材、「ポリエチレン」や「ポリプロピレン」の話も添えて。
前置き。
昨日11月7日は「ココアの日」だったらしいので、
今日はココアに多く入っているとされる成分
「ポリフェノール」について調べてみました。
※
まず「ポリフェノール(polyphenol)」とは、成分の一種ですね。
植物(しょくぶつ)などに多く含まれているようです。
…といっても、筆者は実はよく分かっていないのですが。
でも時々健康関連の話とかで、
「ワイン*4やココアにはポリフェノールが多く入っている」とか、
「ポリフェノールたっぷりで体にいい!」的な話を聞く物で。
「何かよく分からないけど体に良さそうだぞ…」的なことを思ってきました。
さて、他にも「ポリ」と名前がつく物はありまして、
例えば「ポリ袋(ぶくろ)」といった物もあります。
透明(とうめい)な素材で出来た袋(ふくろ)ですね。
では「ポリフェノール」と「ポリ袋」の関係は…?と調べてみると、
…特に関係はないようです。
(あえていうなら「予想以上に関係がない」感じだったのですが、長くなるので追記で)
というのもWikipediaによれば「ポリ袋」とは、
「ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂(ごうせいじゅし)*5を原材料とする袋」のことらしいです。
なのでポリフェノールとは特に関係ないわけですね。
というか、実は「ポリ」は素材自体の名前ではなかったりします。
追記で詳しく説明しますが、「ポリマー(重合体)の形を取っている」とか「複数の」的な意味って感じですね。
例えば「ダブルベッド(2人使用ベッド)」とか「ダブルチーズバーガー(具が2倍になったりしているチーズバーガー)」でいうと「ダブル(2や2倍に関する意味)」の部分だったりします。
形や数の話であって、素材の話ではないわけですね。
(「アイアンベッド/鉄のベッド」の「アイアン」部分とは、意味合いが違う訳です)
なので「『ポリ』ってついてるんだから、『ポリフェノール』と『ポリエチレン』は仲間の物質だろ!」とか、
「『ポリフェノール』は『ポリ袋』に使えるだろ!」というと、
ノリとしては「『ダブル』ってついてるんだから、『ダブルベッド』と『ダブルチーズバーガー』は仲間の物質だろ!」というのと似た感じになってしまいそうですね。
…流石にベッドとバーガーは物質成分が違うので「何言ってんだ」と言われそうですね。
※
まあ筆者は化学には詳しくないので、
頑張れば「ポリフェノールのポリ袋」も作れるのかもですが。
とりあえず今の「ポリ袋」は、「ポリフェノール」素材ではなく、
「『ポリフェノール』は『ポリ袋』に使えない(使われない)」ということになりそうです。
まあ皆さまからすると「何を当たり前のことを…」と思われるかもですが。
しかし「ポリフェノール」や「ポリエチレン」など、
響きが似ている、長いカタカナ語は日本に多かったりします。
それぞれ知らなくても使えますが、名前の意味が分かると面白そうですね。
なので、もし「『ポリ○○』ってよく分からんのだよな…」と思ったら。
それぞれ身近な「ポリフェノール」や「ポリ袋」から、
ちょっと調べてみるのもいいかもですね。
思った以上に、理科や化学の勉強になるかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみにWikipediaの「ポリ袋」のページには、
ポリ袋は「字義通り(名前の意味通り)に解釈すれば『ポリマー』でできた袋である」といった事が書かれていました。
この「ポリマー(polymer)/重合体(じゅうごうたい)」とは「モノマー(単量体)」が重合(じゅうごう)した化合物(かごうぶつ)らしいです。
まあざっくり言うと「何かの物質同士が特殊(とくしゅ)な合体(がったい)をした物」って感じですかね。
で。「ポリマー」に属する物質は、頭に「ポリ(poly)」とつけて呼ばれたりもするようです。
例えば本文で書いた「ポリエチレン(polyethylene)」は「エチレン(ethylene)」という物質のポリマー(重合体)で、
「ポリプロピレン(polypropylene)」は「プロピレン(propylene)」のポリマー(重合体)な訳ですね。
名前は難しそうですが、基本は「チーズなどがダブルのバーガー」→「ダブルチーズバーガー!」的なノリの気もします。
なら「ポリ」のついている「ポリフェノール(polyphenol)」も…?と調べてみると、
実はWikipediaによれば、「ポリフェノール」は「ポリマー」でもないようです。
俗称(ぞくしょう)…つまり化学的ではない感じで「ポリ」の名前がつけられているようですね。
他に「フェノール樹脂」というプラスチック*6素材もあって、
こちらはポリマーなので、これを「ポリフェノール」と呼ぶべきでは?とも書かれていましたが。
でも世間ではすでに植物由来の「ポリフェノール」が有名になっている、という感じのようです。
なので仮に「ポリ袋」を「ポリマーの袋」と捉えても、
そもそも植物の「ポリフェノール」はポリマーではないため、その意味でもポリ袋には使えないことになりますね。
これが本文で書いた、「予想以上にポリフェノールがポリ袋と関係ない」話でした。
◆用語集
・ポリフェノール:
Wikipediaによれば、複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環(ほうこうかん)に結合*7したヒドロキシ基)を分子内に持つ植物成分の総称、とのこと。
・フェノール類:
Wikipediaによれば、有機化学(ゆうきかがく)において、フェノール類(フェノールるい、phenols)は芳香族置換基上にヒドロキシ基を持つ有機化合物(ゆうきかごうぶつ)を指す、とのこと。
フェノール類のうち最も単純なものは「フェノール(C6H5OH)」で、複数のヒドロキシ基を有するものはポリフェノールと呼ばれるらしい。
関連用語:「フェノールフタレイン」*8、「フェノールフタレイン溶液」、「エステル」*9
・フェノール:
関連用語:「エステル」、「アルコール」*10
・フェノール樹脂:
・ポリ袋:
関連用語:「ビニール袋」*11、「ビニール」、「ナイロン」*12、「巾着(きんちゃく)」*13
・ポリエチレン(米: polyethylene、英: polyethene、略称PE):
Wikipediaによれば、エチレンが重合した構造(こうぞう)を持つ高分子(こうぶんし)らしい。
容器(ようき)や包装用フィルムをはじめ、様々な用途に利用されているようだ。
関連用語:「ポリエチレンテレフタラート」(※実はポリエチレンでなくてポリエステルの一種)、「ポリカーボネート」*14
・エチレン(ethylene)/IUPAC命名法では「エテン(ethene))」)
Wikipediaによれば、分子式 C2H4、構造式 CH2=CH2 で、二重結合で結ばれた炭素2個を持つ炭化水素。もっとも単純な「アルケン」である、とのこと。…アルケンって何…?(※ただの筆者の感想メモ)
・高分子(こうぶんし)/高分子化合物(こうぶんしかごうぶつ)
Wikipediaによれば、分子量(ぶんしりょう)が大きい分子のことらしい。
英語では「macromolecule(マクロモレキュール)」、「giant molecule(ジャイアント/モレキュール)など。」
・分子量(ぶんしりょう)/(molecular weight)/相対分子質量(そうたいぶんししつりょう)/(relative molecular mass):
Wikipediaによれば、物質1分子の質量の統一原子質量単位(静止して基底状態にある自由な炭素12 (12C) 原子の質量の1/12)に対する比であり、分子中に含まれる原子量の総和に等しい、らしい。
…ものすごく難しい。
・分子(ぶんし)/molecule(モレキュール)【理科】:
Wikipediaによれば、2つ以上の原子(げんし)から構成される電荷的に中性な物質。
数学の分数(ぶんすう)での「分子(ぶんし)」とは違うので注意。
・IUPAC命名法(アイユーパックめいめいほう):
Wikipediaによれば、「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」が定める、化合物の体系名の命名法(めいめいほう)の全体を指す言葉らしい。
・アルケン(ドイツ語: Alken、英語: alkene):
Wikipediaによれば化学式 CnH2n (n≧2) で表される有機化合物で、C-C間の二重結合を1つ持つ。すなわち、不飽和炭化水素(ふほうわたんかすいそ)の一種らしい。…難しい。
「エチレン系炭化水素」、「オレフィン (olefin)」、「オレフィン系炭化水素」とも呼ばれるそうだ。
・ポリプロピレン:
Wikipediaによれば、プロピレン重合体の熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)。
まだ筆者は詳しいことは理解できていないが、とりあえずWikipediaの「ポリプロピレンは汎用樹脂の中で、最高の耐熱性を誇り~」という一説は強そうで格好いい。
でも染色(せんしょく)…色をつけることは難しかったり、光に弱かったりするので、衣服には向かないようだ。
・プロピレン(propylene):
Wikipediaによれば、分子式 C3H6、構造式 CH2=CH-CH3 の炭化水素の一種で、炭素(たんそ)の数が3個で二重結合を1個持つアルケンらしい。
つまり上に書いたエチレンもプロピレンも上記の「アルケン」に属するようだ。
あとIUPAC命名法では「プロペン(propene)」 と呼ばれるらしい。名前がちょっと似ていてややこしい。
・ポリマー/重合体(じゅうごうたい):
Wikipediaによれば、複数のモノマー(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってできた化合物のことらしい。
関連用語:「アクリル樹脂」
・モノマー(monomer)/単量体(たんりょうたい):
Wikipediaによれば、重合を行う際の基質(きしつ)のことらしい。
なのでモノマーという状態があるというよりは、「合体したポリマーの素材だよ~」という意味合いが強そうだ。
・重合(じゅうごう)/重合反応(じゅうごうはんのう):
Wikipediaによれば、重合反応とは重合体(ポリマー)を合成することを目的にした一群の化学反応の呼称である、とのこと。
英語では「polymerization(ポリメライゼーション)」。
*1:「ココア」については 2/14 生+ギリシャ他:「チョコレート」も「神(かみ)の食べ物」ですか? ~「カカオ豆」と「Theobroma(テオブロマ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「透明(とうめい)」については 12/13 理+英他:「透明(とうめい)」で「緑(みどり)」な「家(いえ)」ってなーんだ? ~「温室(おんしつ)/greenhouse(グリーンハウス)」などの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「袋(ふくろ)」については 11/1 英+生:「容器(ようき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「ワイン」については 6/24 英語:ゲーム/「英語サバイバル」食事編 ~ゲーム実況的な感じで~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「合成樹脂(ごうせいじゅし)」については 6/10 国+英他:「タバコ」の「ヤニ」は「脂」ですか? ~「ヤニ(脂)」と「ニコチン」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「プラスチック」については 6/18 歴史:マテリアル&ヒストリー ~素材(そざい)と文明と歴史~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「結合(けつごう)」については 8/22 生+英他:「電車(でんしゃ)」は「カップリング」で動きますか? ~マンガ等の「カップリング」と「連結器(れんけつき)/coupling(カップリング)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「フェノールフタレイン」、「フェノールフタレイン溶液」については 6/3 理科:理科も漢字でごろ合わせ!? ~ゲーム「理科ゴロ合わせ-夜露死苦(よろしく)-」!~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「エステル」、「ポリエステル」、「ポリエチレンテレフタラート」、「アクリル樹脂」については 10/2 ゲーム+生他:「アクスタ」は「人(ひと)」を守りますか? ~グッズの「アクリルスタンド」と、コロナ対策の「アクリル板」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「アルコール」については 8/22 理+英:「spirit lamp(スピリット・ランプ)」は何のランプですか? ~精霊(せいれい)とアルコ-ル~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「ビニール袋」や「ビニール」については 7/18 理+英:「ビニール袋」は「ビニール袋」ではない!? ~「ビニール」と「vinyl(ヴァイナル)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「ナイロン」については 7/16 理+英他:「ナイロン」は「走らない」素材ですか? ~「no run(ノー・ラン)」と「ストッキング」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:口を紐や糸でくくる袋「巾着(きんちゃく)」については 2/11 国+英他:あの人は「社長(しゃちょう)」の「ウエストポーチ」ですか? ~「腰巾着(こしぎんちゃく)」、「巾着(きんちゃく)」、「pouch(パウチ)/ポーチ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。