国語+生活+英語の話ー。
「誕生、ロジカルでエシカルな新世代の着物!」的な話ではありません。
「論理的」って感じの言葉「辻褄(つじつま)が合う」と、
由来が着物(きもの)関係っぽい語「辻褄(つじつま)」、
また「辻褄が合う」の英訳の一つ、「logical(ロジカル)/論理的な」の話を。
前置き。
昨日は「口裏(くちうら)」という語について書きましたが。
その説明の中で使った語、
「辻褄(つじつま)」がふと気になったので、調べてみました。
※
まず「辻褄(つじつま)」とは、話のつながり、論理(ろんり)って感じですね。
例えば「辻褄が合わない」というと、話と話のつながりがおかしかったり、
逆に「辻褄が合う」というと、話同士のつながりが合っている…という感じです。
(どちらかというと「辻褄が合わない」の方で聞く印象ですね)
例えば、筆者(のっぽ)が「『昨夜8時』は外出してません!」と証言したとして。
他の誰かが「いや『昨夜8時』に、外のコンビニで、のっぽ(筆者)を見た」と証言したら、
その証言同士は「辻褄が合わない」ということになるわけですね。
で、筆者は「辻褄」を、論理や推理ドラマ系…、
言ってみれば、割と「非日常(ひにちじょう)」系の言葉かと思っていたのですが。
しかし調べてみると、意外と「日常(にちじょう)」や「服(ふく)」に関係する語のようでもあります。
というのも「辻褄」は、服の「着物(きもの)」に関する由来があるっぽいからですね。
国語辞典では、「辻褄(つじつま)」の欄には、
論理っぽい「一貫(いっかん)すべき、物事の初めと終り」という説明もありましたが。
しかし同時に「上下左右、合うべき着物(きもの)の縫い目(ぬいめ)」という説明も載っていました。
個人的には意外な感じでしたが、
しかし後の「追記」で書くように、「褄(つま)」には「着物の一部」の意味もありました。
なので、むしろ語の発生は「着物の『辻褄』」→「論理の『辻褄』」という順番かもしれません。
(※ただ、これは筆者の仮説なので注意を)
ところで和英辞典によれば、
(論理の)「辻褄が合う」の英訳に「logical(ロジカル)」という語もありました。
「logical(ロジカル)」は「論理的な」という意味もあるので、そのイメージかと思われます。
まあ、論理の「辻褄が合う」と、着物の「辻褄が合う」はまた別ですが。
しかし「辻褄が合う」→「logical(ロジカル)/論理的」という英訳を知った上で、
「その着物は『辻褄が合っている』(縫い目が揃っている)」という文を見たら。
ちょっと「その『着物』は『ロジカル(論理的)』なの…!?」とも思えて、面白いですね。
…なんか、ちょっと意識が高そうな感じです。
※
ちなみに「辻褄が合う」や「論理」等の言葉は、
国語や小論文、小説関連でよく見る印象ですが。
しかし個人的には、なかなか難しそうな言葉だな…と思ったりもします。
「論理」自体は、形も無い概念…目に見えないイメージ的な言葉ですしね。
なので、そんな色々を「難しいなー」と感じたら。
それこそ目に見える、服(着物)の「辻褄」や、「辻褄を合わせる」ことをイメージするのもいいかもですね。
例えば「服の縫い目(辻褄)・模様を揃えるつもりで、文と文をつなげて書く」とか、「服の乱れを正すつもりで、文の乱れを正す!」って感じで。
もちろん「論理」など、目に見えない言葉を理解するのも大事ですが。
もし難しければ、目に見える・分かりやすい物からイメージする、というのも、
それはそれで、「辻褄が合う(論理的な)」こと…と、言えるかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「辻褄」の個々の字について、国語辞典を調べてみると。
「辻(つじ)」は、「十字路(じゅうじろ)」…4方向に伸びる道を意味し、
「褄(つま)」は、「衣服のおくみ(衽)の、襟先(えりさき)から下の部分の縁(ふち)」…つまり、服(主に着物)の一部を指す語でもあったりするようです。
そう考えると、「辻」の「十字路」(4方向に伸びる道)としての意味は、
まさに「辻褄」の「上下左右」(4方向)という部分に対応していそうなので、
「『辻(上下左右)』の(形の縫い目がある)『褄(衣服の一部)』」→「辻褄(上下左右、合うべき着物の縫い目)」って感じですかね。
(※ただ、この辺りは筆者の仮説なので注意です)