国語+こころ+社会の話ー。
必要ならお金をいくらでも出す…的な意味の語、
「金(かね)に糸目(いとめ)をつけない」と。
その元の意味に関わるらしい語、「厭目(いとめ)」などの話を。
前置き。
昨日は「金が物を言う」*1という言葉について書きましたが。
その流れで似た言葉、
「金に糸目をつけない」が気になったので、調べてみました。
※
まず「金(かね)に糸目(いとめ)をつけない」とは、例えの一つですね。
ざっくり言うと「お金をいくらでも払う」みたいな感じの意味です。
(国語辞典では「目的を実現するために、惜(お)しげもなく使う」とされていました)
マンガ等でも、お金持ちキャラが「金に糸目はつけないから○○を持ってこい!」等と言っている印象もあります。
そんな感じで、この言葉は知ったつもりでいたのですが。
しかしふと「金の『糸目(いとめ)』ってなんだ…?」と思ったので調べてみました。
まず国語辞典では、「金に糸目をつけない」に関しては、
「厭目(いとめ)」という表記が書かれており、
そこに後から、「『糸目』とも書く」と説明が足されていました。
これに従うなら元々は、「金に『厭目(いとめ)』をつけない」という表記だったと思われます。
辞典に「厭目(いとめ)」の解説はなかったので、詳細は不明ですが、
ただ国語辞典によれば、「厭う(いとう)」には「いやがる(厭がる、嫌がる)」、
また漢和辞典によれば「厭(えん)」の字には「しずめる」、「おさえる」、
そして「目(め)」には「状況(じょうきょう)が転換(てんかん)する決定的な時点」という意味があるらしいです。
なので、
「必要なお金がいくら高くなろうと、それで嫌がって(厭う)やめる時点(目)は無い(つけない・設定しない)」
→「金に糸目(厭目)をつけない(いくらでもお金を出す)」
…みたいな感じですかね。
(※あくまで筆者の仮説なので、ご注意を)
しかし、筆者が調べた中で「厭目」表記は他に見ず、
和英辞典でも「金に糸目をつけない」は「糸目」表記になっていました。
(ちなみに漢和辞典には「糸目」は載ってましたが、「金に糸目をつけない」という語に関しては載っていませんでした)
そう考えると、例え「金に『厭目(いとめ)』をつけない」が元々の表記・意味であっても、
現在では「金に『糸目(いとめ)』をつけない」表記が多い気がするので。
それを見て筆者のように、
「『金(かね)』の『糸目(いとめ)』って何…?」と悩む人は、結構おられるかもですね。
※
ちなみに「金に糸目をつけない」という言葉は、
なんだか景気(けいき)も良くて、カッコいい気もしますが(個人的感想)。
…ただ個人的な話をすると。
筆者がゲーム内で大きくお金を使う時(※特にカジノとかオークション)、
「金に糸目をつけない!いくらでも払う!」と思った時は。
だいたい後で頭が冷えて、後悔(こうかい)しているときが多い気がします。
…まあ筆者と皆さまでは、また違うと思われますが。
でも特に「欲しいものが複数ある」というような時は、
何か一つに「金に『糸目(厭目)』をつけたくない…!」という気分になっても、
ぐっとこらえて、「厭目(諦める金額)」を決めておくと、いいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに、「糸目(いとめ)」という語自体は複数あるようです。
例えば国語辞典・漢和辞典では
「凧(たこ)につける糸」としての「糸目」、
「陶器(とうき)に刻んだ線(せん)」としての「糸目」、
そして「釣りのエサに使う小動物」としての「糸目」などが載っていました。
ですが、これらの「糸目」は国語辞典では「厭目(いとめ)」と別項目で書かれていたので、
「金に糸目をつけない」とは関係の無い、あるいはまた別の言葉と思われます。
追記2
ちなみにマンガやアニメでは、「糸目(いとめ)」は「糸(いと)のように細(ほそ)い目」を意味することもあります。
その特徴を持つキャラが、「糸目キャラ」なんて呼ばれることもありますね。
こういったキャラは「いつも笑っているように見える」ことも多いのですが、
反面、「感情(かんじょう)が読みにくい」ところもあったりして、
ネットでは「怒らせると怖そう」とか、「実は腹黒(はらぐろ)なのでは…?」なんて推測(すいそく)が飛び交ったりもする印象です。
(というより、策士(さくし)っぽい糸目キャラが、何人かいたりする影響がありそうですが)
◆用語集
・金(かね)に糸目(いとめ)をつけない:
・糸目(いとめ)【凧に付ける糸】:
・糸目(いとめ)【陶器に刻んだ線】:
・糸目(いとめ)【釣りに使う小動物】:
・糸目(いとめ)【糸のように細い目】:
・糸目キャラ(いとめキャラ):
ちなみに「目に特殊な力があるため、普段はあまり目を開かないようにしている」場合もある。いわゆる「魔眼(まがん)」*2や「邪眼(じゃがん)」等に関する場合など。
筆者個人的には「糸目キャラ」というと、(以下人名等、敬称略、順不同適当)
例えば『BLEACH』の「市丸ギン」、『テニスの王子様』の「不二周助」、『ベルセルク』の「セルピコ」、『ラブひな』の「紺野みつね」、『3×3 EYES』の「藤井八雲」、ゲーム『Fate/Grand Order』の「トリスタン」、ゲーム『ブルーアーカイブ』の「仲正イチカ」、ゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』の「クラリス」などをイメージしたりする。
*1:「金が物を言う(かねがものをいう)」については 10/9 国+英他:「お金(おかね)」は「しゃべる」ものですか? ~「金が物を言う(かねがものをいう)/Money talks(マネー・トークス)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「魔眼(まがん)」については 4/24 英語:お遊び/中二病的な英文例 ~あいつは魔王で魔眼使い~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。