国語の話ー。
わすかの努力(どりょく)や、細かい動作などを意味する言葉、
「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」と。
その中の、「投足(とうそく)」って何…?と調べましたが分からなかったので、あれこれ考えた話です。
前置き。
調べものの途中で見つけた語、
「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」が気になったので、その話を。
※
まず「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」とは、熟語(じゅくご)の一種ですね。
国語辞典によれば、「一回手をあげ、一回足を動かす意」であり、
だからか意味としては、「わずかの努力(どりょく)」とか、「細かい、一つひとつの動作(どうさ)」などを持つようです。
まあ使い方としては「『一挙手一投足』する」…等ではなく。
「『一挙手一投足(わずかの努力)』を惜(お)しむ(やりたがらない)」とか、
「相手の『一挙手一投足(細かい動作)』も見逃さない」という感じですかね。
そんな風に、筆者も何となく知っていた「一挙手一投足」ですが。
しかしふと、「『投足(とうそく)』って何だ…?」と気になりまして。
(「挙手(きょしゅ)」は「手を挙(あ)げること」として有名なのですが)
調べてみたのですが…結局分かりませんでした。すみません。
とりあえず具体的には、手元の国語辞典・漢和辞典に「投足(とうそく)」という語は載っておらず。
また「投(とう)」という漢字も調べてみましたが、
特に「(足を)動かす」意味は載っていませんでした。
よく聞く「投(な)げる」意味は載っていたのですが…。
で、一応「足を投げ出す」といった言い回しはありますが。
ただこれは、「一挙手一投足」が意味する「わずかな努力」や「細かい動作」というより、
筆者としては、なんとなく「大きめの動作」っぽい気もします(個人的感想)。
(そして同様に「投げる」という言葉や、「投」の字も、大きめの動作に思えるのですが)
なのに、辞典等では「一挙手一投足」の「投足(とうそく)」について触れられず、
サラッと「細かい動作」の意味が当てられている…ということは。
言ってみれば、「足を少し動かすだけで『一投足』になる」、と考えられていた、とも言えそうです。
(大きく動かして、やっと「一投足」と呼ばれる、とかではなく)
ということは、逆に言えば、
「足を大きく動かさない限りは、その動きは『一投足(細かい動作)』」とも言えるかもなので。
「(昔は)『足』は『投げる』のが『基本(きほん)』(の動作)だったの…?」という感じもして、面白いですね。
足を飛ばすロボットやモンスターの技っぽい
もしかしたら、「投」や「投げる」といった語が、昔はまた違う意味だった可能性もあるかもです。
※
もちろんこれらのことは、筆者の考えすぎかもしれませんが。
でも身近なはずの語が、「よく考えるとどういう意味だ…?」となるのは面白いですね。
(※筆者は不勉強なため、そういうことがよく起こりはするのですが)
まあ今の日常で、
「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」という語は、あまり使わないかもですが。
でも、試しに「足(あし)」を少しだけ動かしてみて、
「この動きが『一投足(いっとうそく)』、あるいは『投足(とうそく)』か…!?』」なんて思ってみるのも、面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
「動かす」という意味でなら、
例えば代わりに「一『動』手一『動』足」(いち『どう』しゅいち『どう』そく)」(※造語)とか
または「微(び)」…わずかに、的な字を入れて、
「一『微動』手一『微動』足」(いち『びどう』しゅいち『びどう』そく)」(※造語)という語もあり得るかもですが。
ただこれだと、「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」という響きの軽(かろ)やかさが消えてる感じがして難ですね…。
それはそうと、なぜ昔の方は字を揃(そろ)えて、
「一挙手一『挙』足(いっきょしゅいっ『きょ』そく)」とか、
「一『投』手一投足(いっ『とう』しゅいっとうそく)」にしなかったのだろう?ということは、興味深いです。
…まあ「投手(とうしゅ)」という言葉を入れてしまうと、今では野球(やきゅう)等の「投手/ピッチャー」も連想(れんそう)してしまうのですが。
◆用語集
・一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく):
関連用語:「微妙(びみょう)」*1
・挙手(きょしゅ):
似てる語:「巨頭(きょとう)」*2
*1:「微妙(びみょう)」については 10/16 国+こころ:「微妙(びみょう)」と「ビミョー」は違いますか? ~「微妙」のプラス・マイナスの話(仮説)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「巨頭(きょとう)」については 10/15 国+社他:「大きな頭(あたま)」は「リーダー」ですか? ~「巨頭(きょとう)」の2つの意味の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。