国語+社会+理科の話ー。
「より頭が大きい方が、次のリーダーだ!」的な話ではありません。
①組織(そしき)などのリーダー、として有名な語、「巨頭(きょとう)」と。
その別の意味、②「大きな頭(あたま)」の話を。
前置き。
まず「巨頭(きょとう)」とは、①大きな組織(そしき)のリーダー、みたいな意味の言葉ですね。
国語辞典では「国家(こっか)や大きな組織(そしき)の重要な地位にあって、実権(じっけん)を持っている人」と解説されていました。
具体的には、例えば「財界(ざいかい)の巨頭」(ビジネスやお金持ち世界のリーダー的存在)などと言ったりする感じですね。
ちなみに「巨頭」という語には、「頭(とう、あたま)」の字が入っていますが。
しかし和英辞典で「巨頭」は「leader(リーダー)」などの英語が当てられており、
体の一部としての「頭(あたま)」の意味は載っていませんでした。
また同様に、上記の国語辞典の(巨頭についての)解説も、「リーダー」的な意味についてのものだけでした。
なので、「巨頭」という言葉は、
いわゆる組織の「頭(かしら)/head(ヘッド)/リーダー」などを指すのであって、
別に体の一部である「頭(あたま)」のことではない…、
…と言いたいところなのですが。
しかし実は、そうとも言い切れないようです。
というのも、手元の漢和辞典では、
「巨頭(きょとう)」の意味として②「大きなあたま」というものが載っていたからですね。
ただ上記の様に、筆者の国語辞典・和英辞典においては、
②「大きな頭(あたま)」という意味の方は、そもそも載っていませんでした。
なので、「巨頭」の②「大きな頭」という意味だけを知っていた人が、
辞典などで、「巨頭」が①「リーダー」という意味(だけ)を持っているのを見たら。
「『大きな頭(②巨頭)』が『リーダー(①巨頭)』に…!?」なんて、驚いたりするかもですね。
※
まあ、国語辞典などに「巨頭≒リーダー」と書いてあるということは、
そもそもそちらの(①リーダーの)意味に慣れている方が多そうですが。
でも「巨頭」は、字としてはやはり巨大(きょだい)な…②「大きな頭」とも読めますので。
特に子どもや外国の方は、気になったりするかもしれません。
(具体的には、そういった言葉に始めて触れる時に、一番気になりそうですね)
なので、もし「巨頭(きょとう)」という語を見て、
なんだか不思議そうな顔をしている人がいたら。
「実は『巨頭』にも色々あって…」ということを、教えてあげるのもいいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「巨頭」という語を検索したらホラー系の用語が出てきたので、すみませんが苦手な方はご注意を。
追記2
本文では「巨頭」が2つの意味について書きましたが。
似た語の「巨人(きょじん)」*1でも、同じようなことがあると言えるかもです。
というのも「巨人」という語は、
①身長が高い人、あるいは神話などの、巨大な人型種族【身長・サイズの話】
②その業界(ぎょうかい)などで、存在感の大きい人【存在の大きさの話、例:「知の巨人」など】
…といった、二つの場合を指したりするからですね。
なので「巨頭」という語が、
①大きな頭【サイズの大きさの話】
②ある組織のリーダー【存在感の大きさの話、例:「財界の巨頭」など】
という2つの意味を持っているのに似ている感じもします。
追記3
ちなみに「巨頭」や「巨人」とは少し違いますが、
「大物(おおもの)」や「大型新人(おおがたしんじん)」といった語も、あったりします。
(例:「こいつは、将来大物になるぜ!」とか「すごい大型新人が入ってきたな…」など)
「大物(おおもの)」は身長・サイズの話にも使いますが(特に動物や魚のサイズなど)、
「大型新人(おおがたしんじん)」の方は、身長やサイズではなく、特にある人の実力(じつりょく)や才能(さいのう)に関して使われる印象ですね。
◆用語集
・巨頭(きょとう)【リーダー】:
似てる語:「挙手(きょしゅ)」*2
・巨頭(きょとう)【大きな頭】:
*1:「巨人(きょじん)」については 3/2 社会:ウサギの話(を少し) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「挙手(きょしゅ)」については 10/14 国語:「足(あし)」を「投(な)げる」のは「基本(きほん)」ですか? ~「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」について考えた話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。