国語+英語+社会+ゲームの話ー。
ある勝負(しょうぶ)で、どちらが優勢(ゆうせい)かしばらく見ること、「日和見(ひよりみ)」と。
「日和見する」に対応する英語表現の一つ、
「sit on the fence(シット・オン・ザ・フェンス)」の話を。
前置き。
まず「日和見(ひよりみ)」とは、ある勝負でどちら側につくか、しばらく決めないことですね。
国語辞典では、「どちらが優勢(ゆうせい)になるか情勢(じょうせい)をうかがって、自分がどちらにつくかすぐには決めないこと」とされていました。
いわゆる「勝ち馬(かちうま)に乗る」などに似た言葉の印象ですね。
ちなみに「日和見(ひよりみ)」という名前についてですが、
国語辞典では「船頭(せんどう)が空模様(そらもよう)を見て、船を出すかどうか決めたこと」が由来らしいです。
「空模様(そらもよう)」も「日和(ひより)」も、ざっくり言うと「天気(てんき)」のことなので、
「しばらく『日和(天気)』を『見』て判断する」
→「しばらく勝負(の流れ)を見て、勝ちそうな方につく」という感じですかね。
そんな訳で、誰かと誰かが争(あらそ)っている時に、
それを「安全(あんぜん)」な場所で見ていそうな「日和見」ですが。
しかし英語にすると、意外と「安全」でなさそうに思えるかもです。
というのも「フェンス」や「フェンスに座(すわ)る」などの言葉が関わるからですね。
まず和英辞典を調べてみると、
「日和見する」の対応英語に「sit on the fence(シット・オン・ザ・フェンス)」というものがありました。
英和辞典によれば「fence(フェンス)」には「塀(へい)」、
「sit(シット)」には「座る」などの意味があるので、
「塀(fence)の上に(on)座って(sit)勝負を見ている」
→「日和見する(sit on the fence)」という感じですかね。
…でも「フェンス」というと、日本では細めの「金網(かなあみ)」などのイメージもありますね。
または金網でなくても、幅(はば)がかなり狭(せま)い気がするので、
それらの上に座るのは、ちょっと危(あぶ)なそうです(※個人的感想)。
もちろん上記の様に英語「fence」には「塀(へい)」の意味があるので、
英語圏(えいごけん)の国では、
「『フェンス(fence)/塀』(の上)で(安全に)『日和見(ひよりみ)』できる!」というイメージなのかもですが。
でも日本では、細い金網の「フェンス(fence)」をイメージされて、
「それはむしろ危険では…?」とか、「見てる間に落ちそうで怖い」なんて思われてしまうかもですね。
※
ところで話は変わりますが、
バトル系のマンガなどだと、「キャラが高い場所で勝負を見ている」ことは、時々ある印象ですね。
それこそフェンスや金網の上にいたり、電柱(でんちゅう)の上にいたり…、という感じです。
危なそうな所に平気でいることで、強さを表現する意味もあるかと思います。
ただこういった行動は、バランス感覚が良くないと危ないと思うので。
もし何か勝負を「日和見する(sit on the fence)」予定の方も、
「フェンス(fence)の上に(on)座る(sit)」のは、避(さ)けておいた方がいいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに本文では略しましたが、
和英辞典によれば「日和見主義(ひよりみしゅぎ)」には「fence-sitting(フェンス・シッティング)」、
「日和見主義者(ひよりみしゅぎしゃ)」には「fence-sitter(フェンス・シッター)」などの英語も対応していました。
…並べると、すごい勢いでフェンスの上に座ってる(sit)みたいですね。
追記2
ちなみに「日和見」的な行為に関しては、動物の「コウモリ(蝙蝠)」が関係することもあります。
Wikipediaによれば、『イソップ童話(イソップ寓話)』に「鳥と獣とコウモリ」という話があり、
コウモリが鳥と獣、その時有利な方の仲間をする…みたいな感じですね。
ちなみにこれに関して、Wikipediaに「こうもり問題」というページもありました。
ざっくり言うと複数の属性(ぞくせい)を持ったものの、分類(ぶんるい)の話ですね。
情報(じょうほう)や分類、整理(せいり)に興味がある方が調べてみると面白いかもです。