理科+英語+社会(芸能)+ゲーム(とかアニメ等)の話ー。
「匂(にお)いがきついけど、うまい食べ物あるよね…」的な話ではありません。
日本では写真(しゃしん)の一種、という印象の語、「ブロマイド」と。
実は「臭化物(しゅうかぶつ)」を表すらしい英語、「bromide(ブロマイド)」の話を。
「ブロマイド印画紙/bromide paper(ブロマイド・ペーパー)」にも少し触れつつ。
前置き。
調べものの中でふと見つけた、
「ブロマイド」という語周りが面白かったのでその話を。
※
まず日本で「ブロマイド」というと、写真(しゃしん)の一種という印象ですね。
Wikipedia等によれば「臭化銀(しゅうかぎん)を用いた写真用印画紙(いんがし)」や、
または「その印画紙に焼き付けた写真」を指す言葉のようです。
つまり、ある種の「紙(かみ)」に関係するもの(写真など)が特に「ブロマイド」と呼ばれるわけですね。
特に「ブロマイド」は有名人(ゆうめいじん)、アイドルなどの写真なども多いらしく。
例えばネットの画像検索では「アイドルのブロマイド」や、
あるいは「ブロマイド風イラスト」といったものも見られました。
そんな訳で、「日本で(一部の)「ブロマイド」は人気(にんき)」…と言えそうですが。
しかしこれは英語圏の国の人が聞いたら、少し不思議(ふしぎ)に思うかもしれません。
というのも、英語の「ブロマイド(bromide)」自体は「臭化物(しゅうかぶつ)」の意味らしいからですね。
まず英和辞典等によれば、英語「bromide(ブロマイド)」は、
上記の様に「臭化物(しゅうかぶつ)」を意味するようです。
「臭化物(しゅうかぶつ)」とはざっくり言うと、「臭素(しゅうそ)/bromine(ブロミン)」*1と結びついた物質(ぶっしつ)のことですね。
(理科でいう、酸素(さんそ)と結びついた物質の「酸化物(さんかぶつ)」みたいな感じですね)
で、写真の「ブロマイド」に使われる紙を「ブロマイド印画紙(ブロマイドいんがし)」といい、
これを「bromide paper(ブロマイド・ペーパー)」というらしいのですが。
Wikipediaによれば、日本でこの紙自体を「ブロマイド」と呼ぶようになり、
またそれに印刷された写真も「ブロマイド」と呼ぶようになったようです。
(なので日本で言う、写真の「ブロマイド」は和製英語のようです)
つまり、ひとくちに「ブロマイド」といっても、
①「ブロマイド」(臭化物、bromide)
②「ブロマイド」(ブロマイド印画紙、bromide paper)(※和製英語)
③「ブロマイド」(写真、特に有名人のもの)(※和製英語)
…の3つが少なくともあるということですね。
なかなかややこしいです。
そのため、「日本で『ブロマイド(bromide)』(写真)が人気」という文を、
英語圏の国の人が目にしたなら。
「日本で『臭化物(bromide)』が人気なの…!?」なんて、誤解(ごかい)したりするかもですね。
みんなでいきなり化学に目覚めたのかもしれない
※
まあ日本の日常では、ほぼ「ブロマイド」≒「写真」かと思うので、
あまり気にしなくていいかと思いますが。
しかし英語圏の国に行った時や、また理科系の英語のテストで、
「bromide(ブロマイド)」という語が出てきたら。
「『ブロマイド』といったら…『写真』だな!」と決めてしまう前に、
他の「ブロマイド(臭化物)」などを思い出してみると、いいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「臭化物(しゅうかぶつ)」という字面(じづら)はなかなかアレですが。
しかし「ブロマイド印画紙」のことを考えると、
「ブロマイド(臭化物)」のおかげで、「ブロマイド(写真)」ができている…とも言えそうです。
(Wikipediaによれば、ブロマイド印画紙は、感光(かんこう)に臭化銀(しゅうかぎん)を使っているようなので)
なので好きな芸能人とか…いわゆる「推し(おし)」のブロマイドを持っている人にとって、
「『臭化物(bromide)』が推しの『ブロマイド(bromide)』を支えてくれている…!」とか、
「『臭化物(bromide)』のおかげで、今日も推しの姿を拝(おが)める…」
なんてことが、あったりするかもですね。
◆用語集
・ブロマイド【写真】:
・ブロマイド印画紙:
・bromide(ブロマイド)【英語】
・臭化物(しゅうかぶつ):
似てる語:「臭豆腐(しゅうどうふ)」*2
・臭化銀(しゅうかぎん):
*1:「臭素(しゅうそ)」については 5/31 理科:元素記号19~36(仮) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「臭豆腐(しゅうどうふ)」については 11/10 生+社他:その「食べ物(たべもの)」は「臭い(くさい)」ですか? ~「臭豆腐(しゅうどうふ)」などの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。