社会+こころ+国語の話ー。
大きな利益(りえき)をギャンブル的に狙うこと、「投機(とうき)」と。
その由来らしい禅宗(ぜんしゅう)の「投機(とうき)」…、
すなわち「『心のはたらき(機)』を相手に投げる*1/投げ合う」ことの話を。
遅くなってしまったので簡単に。
前置き。
昨日「透視(とうし)」*2について書いた後、
似た語の「投資(とうし)」について調べていたら。
関連語「投機(とうき)」周りが面白かったので、その話を。
※
まず「投機(とうき)」とは、ギャンブル的に利益(りえき)を狙(ねら)うことですね。
国語辞典では「当たれば利益の大きいことを狙ってする行為」とされ、
例えば辞典やWikipediaでは、市場の相場(そうば)の変化(へんか)を利用して儲ける、といった手段が書いてありました。
(例えば株(かぶ)やその他商品を、「これから絶対高く売れるから」と思って、安い時にたくさん買っておく…みたいな感じですかね)
ちなみに「投機(とうき)」に似た言葉として「投資(とうし)」がありますが。
「投機(とうき)」という場合は、投資(とうし)より不確実で、よりギャンブル姓が高い物を指すようですね。
(同じ物とされることもあるようですが)
で、そんな「投機」についてですが、
字を見ている内に「『投』と『機』ってどういう組み合わせ…?」とか、
「『機会』とか『機械』でも『投(な)げて』るの…?」などと気になりまして。
(例えば「投資(とうし)」の方は、「資本(しほん)を投じている」→「お金をつぎ込んでいる」として分かりやすいのですが)
そして調べてみると、ある意味もっとすごいものを投げている説があるようです。
というのも、「心のはたらき」を投げているらしいからですね。
まずWikipediaによりますと、
「投機(とうき)」の由来は「禅宗(ぜんしゅう)」…つまり仏教(ぶっきょう)の一派の用語らしく。
ざっくり言うと、師匠と弟子が「心のはたらき」である「機(き)」を相手の「機」に投じ合って、
最終的に「意気投合(いきとうごう)」する…というのが「投機」らしいです。
で、人間の「心のはたらき」は、様々に変化していくので、
「その一瞬一瞬の「機」の動き・働きをパッととらえること」が「投機」になったらしいですが*3。
この辺りが上に書いた、市場の相場のはげしい変化を利用して儲ける、といった意味合いや、
また「投機」が持つ「ギャンブル」(時によって結果が不確実)のイメージに関係していそうですね。
なので、由来である禅宗の「投機」の話に従うなら、
「『投機(とうき)』とは『心(のはたらき/機)』を(相手に)『投げる』こと!」ということになりそうですが。
…なんか字面が、能力バトルマンガの「自分の念(ねん)を相手にぶつける技」っぽいですね。
知らない人が見たら「必殺技かな?」って思いそう
※
まあ現代で「投機」というと、主に利益や儲けの話であり、
「心のはたらきが…」という意味で使っている方はあまりいなさそうですが。
でも、似た語の「投資」の方では、
「儲けだけじゃ無くて、相手のためになるようにすると良い」とか、
「相手に利益を与えると、将来大きくして返してくれる場合がある」みたいな話を聞く気もします。
まあ、いつもそう上手くはいかないかもですが。
でも、もし余裕があれば「投機(とうき)」の方でも、
自分の利益だけでなく、人の利益や「機(心のはたらき)」を気にしてみると。
いつか人が、大きなメリットを「(投げ)返して」くれたりする…かも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・投機(とうき):
似てる語:「透視(とうし)」
*1:「投げる(なげる)」や「投資(とうし)」については 7/24 国+社他:「投資(とうし)」といったら「銭投げ(ぜになげ)」ですか? ~「資(し)」を「投(とう)じる」ことの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「透視(とうし)」については 11/17 美+国他:この「画家(がか)」は「透視(とうし)」が使えますか? ~「透視」と「一点透視図法(いってんとうしずほう)」等の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:ちなみに手元の辞典では「投機」と禅宗の関わりは確認できませんでしたが、漢和辞典での「投機」には「話があう」、「意気投合(いきとうごう)」といった意味は書いてありました。