体育+国語の話ー。
「俺より良い球を投げるの禁止ー!」的な話ではありません。
何かがうまい・良い(よい)ことをよく表す字/語、
「好(こう)」や「好い(よい)」と。
相手にとって打ちやすい球(たま)、「好球(こうきゅう)」の話を。
前置き。
まず「好(こう)」とは、「うまい、良い(よい)」意味を表すこともある語ですね。
例えば辞典やネットで調べた感じでは、
野球(やきゅう)の「好打者(こうだしゃ)」は打撃(だげき)がうまい人で、
「好投(こうとう)」は、投手(とうしゅ)がうまく投(な)げることのようです。
ちなみに「良い(よい)」という語は「好い(よい)」とも書くので、
上記の「好打者(こうだしゃ)」は「好い(良い)打者」、
「好投(こうとう)」は「好い(良い)投(球)」と考えても分かりやすいかもですね。
で、「好打者(こうだしゃ)」や「好投(こうとう)」については、
基本的に「(味方に)多いほど嬉(うれ)しい」感じかと思いますが。
しかし「好投(こうとう)」に似た語である、
「好球(こうきゅう)」については、そうも言えないかもしれません。
というのも手元の国語辞典では、
「好球(こうきゅう)」は「打ちやすい(受けやすい)たま」と解説されていまして。
…これを投手が投げたら相手に打たれてしまうので、あまり「好(この)ましく」ない球(たま)ですね。
つまり「好球」の「好」は、「うまい、良い」意味というより、
相手にとって「チャンス」…「相手にとって好い(よい)、好(この)ましい」という意味合いかもしれません。
(関連語の「絶好球(ぜっこうきゅう)」…「打つ絶好のチャンスの球」から考えても分かりやすいかもです)
なので基本的には、
「(できるだけ)『好球(相手にとって打ちやすい球)』を投げたらダメ!」
と言えそうなのですが。
でも「好打者」や「好投」といった語のイメージでこの言葉を聞いたら、
「『好い(良い)球』を投げたらダメなの…!?」と、誤解(ごかい)しそうで面白いですね。
※
ちなみに上では「好球(こうきゅう)」…、
…「打ちやすい球」はあまり投げない方がいい、的なことを書きましたが。
しかし一方で、野球では「打たせて捕(と)る」戦術(せんじゅつ)もあったりします。
例えばわざとフライ(上の方に浮いた打球)を打たせて、
(投手の後ろの味方が)球を捕ってアウトにしたりする訳ですね。
なので、もし「『好球(打ちやすい球)』に見えて打ちにくい球」を投げることができたら、
かなり罠(わな)のように、相手をひっかけることができるかも?
(というか、時々野球マンガでそれ系の球を見る気がします)
その意味での「好球(好い/良い球)」は投げていいと思うので、
自信がある方(投手さん)は、そのテクニックを磨(みが)いてみるのもいいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみにネットでは「好球(こうきゅう)」について、
「敵が撃ち返せない球」という意味が書いてある場合もありました。
ただそれより、本文で扱った「打ちやすい球」の意味の方が多く記載されていたので、今回は後者をテーマにしています。
しかし上記の「敵が撃ち返せない球」としての「好球」は、
本文でも書いた「好投(こうとう)/うまい投球」などに近い感じですね。
こちらの「好球」なら、味方投手にどんどん投げてほしいものです。
◆用語集
・好球(こうきゅう):
似てる語:「好逆(こうげき)」*1
・好投(こうとう):
・好打者(こうだしゃ):
*1:「好逆(こうげき)」については 11/21 国+こころ:「好き(すき)」の「逆(ぎゃく)」も「好き」ですか? ~「好逆(こうげき)/好意を持ってむかえる」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。