国語+こころの話ー。
「どうあがいても嫌いになれない…」的な話ではありません。
「好き(すき)」の「逆(ぎゃく)」…みたいな見た目なのに、
「好意(こうい)を持ってむかえる」意味の語、「好逆(こうげき)」の話を。
漢字「逆」の、「むかえる(迎える)」意味を参考にしつつ。
前置き。
昨日は「好球(こうきゅう)」*1という語について書きましたが。
その調べものの中で「好逆(こうげき)」という語が気になったので、その話を。
※
まず「好き(すき)」とは、何かを気に入っていることですね。
単に(気軽に)「気に入っている」ということもあれば、
恋愛(れんあい)的に「愛(あい)している」という意味の事もあります、
(いわゆる英語の「like(ライク)」と「love(ラブ)」の違いみたいな感じですね。まあそれも場合によるようですが)
ちなみに世の中の言葉には、
「『好き』の反対(はんたい)は『嫌い(きらい)』」とか、
「『好き』の反対は『無関心(むかんしん)』」といったものがあるように思います。
いずれにせよ「好き」がポジティブな感じなので、
その「反対」は、ネガティブな感じになる印象ですね。
で、今回紹介したい「好逆(こうげき)」という言葉は、
「好き」の「逆(ぎゃく)」(反対)という風にも見えるので、
「嫌い/無関心系の、ネガティブな意味かな?」とも思えるのですが…。
…実はそうでもなく「好意(こうい)」関係、つまり「好きな気持ち」系の意味だったりします。
まず漢和辞典によれば、
「好逆(こうげき)」という語の意味は、「好意を持ってむかえる」と書かれていまして。
またここでの「逆」の字は「むかえる意」(「むかえる(迎える)」の意味)とも書かれていました。
確かに漢和辞典で「逆(ぎゃく、げき)」の字を調べてみると、
「でむかえる」(出迎える)という意味があったので、このことかと思います。
なので文字通り「『好意』を持って(相手を)『むかえる(逆)』」
→「好逆(こうげき)」って感じですかね。
なので「好逆(こうげき)」の「逆」の字は
別に「逆(ぎゃく)/反対」の意味ではないのですが。
でもやはり「好逆」という字面に、
「好意を持ってむかえる」という解説が付いていると。
少し「『好き』の『逆(ぎゃく)』も『好き(好意の気持ち)』なの…!?」みたいに、誤解(ごかい)しそうで面白いですね。
※
まあ、「好逆」は国語辞典には載っておらず、
また漢和辞典でも「逆」の字は、「逆(ぎゃく)」の意味が多かったので、
「好逆」や「むかえる」意味の「逆」を見ることは少ないかもですが。
でも古い中国の物語などでは、
ひょっとすると「好逆」を目にすることもあるかも?
なのでもし、そういった文章の中で、
「あなたの『好逆(好意を持ってむかえてくれたこと)』に感謝します」的なセリフがあったら。
「なんか嫌われて感謝してる…変な人だ」と決めつけてしまう前に、
今回の「好逆」や「逆」の話を、思い出してみてもいいかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに本文では分かりやすさのために、
少し「逆(ぎゃく)」と「逆(げき)」を分けて書きがちでしたが。
しかし「逆(げき)」読みでも「逆(ぎゃく)、逆さ(さかさ)」の意味のことはあります。
(例えば「逆鱗(げきりん)」は、龍(りゅう)の首に逆さに生えているという鱗(うろこ)のことを指します)
なので「『逆(げき)』読みは全部『むかえる』意味!」という訳ではないので、すみませんがご注意を。
*1:「好球(こうきゅう)」については 11/20 体+国:「好い(よい)球(たま)」を投(な)げたらダメですか? ~「好(こう)/好い(よい)」と、「好球(こうきゅう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。