生活+国語+こころの話ー。
何かを無駄(むだ)にして残念(ざんねん)がること、「もったいない(勿体ない)」と。
「無い(ない)」や「正体(しょうたい)」といった意味が関わるらしい語、「勿体(もったい)」の話を。
前置き。
昨日は「勿勿(ぶつぶつ)」という語について書きましたが。
今日はそれと「勿」の字が同じ、
「勿体ない(もったいない)」について調べてみました。
※
まず「もったいない(勿体無い、勿体ない)」とは、何かを無駄(むだ)にして残念(ざんねん)がることですね。
例えば、まだ使える物を捨ててしまったとか、
安(やす)く買えるものを、高い値段で買ってしまった…なんて時に使う感じです。
で、日本でもお馴染み(おなじみ)の感があるので、
筆者も知っているつもりでいた、この「もったいない」ですが。
しかし調べてみると、
その「正体(しょうたい)」は意外に謎(なぞ)が多い…というか「ややこしい」ようです。
というのも「もったいない」には、「正体」や「無い」という言葉が関わるらしいからですね。
まず国語辞典によれば「勿体(もったい)」という語に含(ふく)まれる字は、
含まれる字の「勿」が、「無い」意味、
「体」が「正体(しょうたい)」という意味を指すようです。
(漢和辞典でも「勿」には「ない」という意味が書いてありました)
なので上記のことから考えると、
例えば「勿体(もったい)」という字は、①「(本来)無い正体」とか、
②「正体が無いこと」とも考えられるのですが…。
(※「勿体」自体の解説は、長くなってしまうので後の「追記」で)
…しかし①②の「勿体」のいずれにせよ、そのまま「勿体ない」に使うと、
「①勿体+ない」→「『無い正体(勿体)』が『ない』」
「②勿体+ない」→「『正体が無い(勿体)』ことは『ない』」
…みたいなかなりややこしい感じになってしまいますね…。
もちろん、この式は筆者が適当に考えた物なので、
本来の「もったいない」は、特にややこしくないのかもですが。
でも、上に書いた「勿体」や「もったいない」の話を並べると、
「もう正体があるのか『ない(勿)』のかよくわからない…」とか、
「果たして『もったいない(勿体ない)』に『正体(体)』は『あり』ますか…?」
なんて気分になりそうで、ちょっと面白いですね。
※
まあ、普段の「もったいない」はそもそも「ひらがな」表記が多いですし、
そんなに(「勿体」の)意味も難しく考えないでもいいかもですが。
でも「謎(なぞ)めいた言葉が好き」という方や、
「二重否定(にじゅうひてい)っぽい言葉が気になる」方は、
ちょっと「もったいない」を調べてみても面白いかも?
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに国語辞典によれば、
「勿体(もったい)」自体の意味は、「内容はさほどでもないのに、ちょっと見に何かを秘(ひ)めているように見せかけること」と解説されていました。
ざっくり言うと「(隠した正体について)大げさな雰囲気を出すこと」みたいな感じですかね。
関連語に、「勿体(もったい)を付ける」とか「勿体ぶる(もったいぶる)」などもあります。
なので、ちょっと筆者の仮説になりますが、
ざっくり「本来はそこに『ない(勿)』『正体(体)』」→「勿体(もったい)」って感じかもです。
こう考えると、上記の「勿体(もったい)を付ける」が、「(本来は)無い(すごい)正体のイメージを『付ける(付け足す)』」、
「勿体ぶる(もったいぶる)」が、「無いはずの正体が、まるであるように『ふるまう』」みたいに考えられ、
個人的にはしっくりくるのですが…。
…でも「勿体ない」にすると、やはり途端(とたん)にややこしくなりそうなので、
奥が深いなあ、と思っています。
◆用語集
・もったいない:
関連用語:「ごみ」*1、「環境(かんきょう)」、「リサイクル」*2、「リフォーム」*3、「活性化(かっせいか)」*4
*1:「ごみ」や「環境(かんきょう)」については 6/13 社+英:街づくりに関わる英単語 ~withシムシティ ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「リサイクル」については 7/9 英+社:接頭辞/色んな「re」と地球の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「リフォーム」については 7/3 生+英他:「リフォーム」と「リフォーム」は違いますか? ~家の「リフォーム」と、英語「reform(リフォーム)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「活性化(かっせいか)」については 11/30 理+英他:「冷蔵庫(れいぞうこ)」に「アクティベーテッド・カーボン」は置いてますか? ~「活性炭(かっせいたん)/activated carbon」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。