英語+国語+こころの話ー。
「特別な」、「余分の」などの意味を持つ英語「extra(エクストラ)」、
そして映画やドラマなどで聞く単語「エキストラ」についての話です。
前置き。
昨日の記事の中で「extravagant(エクストラヴァガント)/ばかげた」*1という言葉を扱ったので、
そこから連想して「extra」についての話を。
※
まず日本で「エクストラ」というと、何か特別(とくべつ)な感じがする言葉ですね。
例えば「エクストラクラス」とか「エクストラステージ」、飲み物のサイズでは「エクストララージ(XL)」と言ったりします。
接頭辞*2「ex-」*3の過去記事でも紹介したように「EX(イーエックス)」と略されることも多く、
商品などでも「○○EX」(例:健康ドリンクEXとか)と書いてあると「特別で高級なんだなあ」という感じがしますが。
一方で、映画などの役については「エキストラ」という言葉もあります。
こちらは主人公以外の人々、重要度が低い一般人の役を指したりしますね。
似た言葉に「ちょい役」や「端役(はやく)」という言葉もある感じです。
エクストラと似た言葉のわりに、こちらはあまり「特別」という感じではありませんね。
「エクストラ」と「エキストラ」、似た言葉なのになぜこうも違うのか?
と英和辞典を調べてみると。
そもそも英語の「extra(エクストラ)」は「特別な」という意味がある一方で、
「必要以上の」とか「余分な」という意味もあるようです。
なのでいつでもプラスの意味、という訳では別にないようですね。
名詞の場合でも「極上品(ごくじょうひん)」などのいい意味と、
それこそ映画の「エキストラ」、「群衆(ぐんしゅう)」、「臨時雇い」などの意味が両方あります。
本来の性能を「余分に上に」延ばせば「極上品(extra)」になり、
映画で本来の役に足して「余分に」に雇えば、「臨時雇い(extra)」のエキストラになる、という感じですかね。
なので語源…というか元々の単語としては「エクストラ」も「エキストラ」も変わりはないようです。
まとめると「ちょい役(extra)は特別(extra)(と同語源)」と言えるかもしれません。
※
さて「エクストラ」と「エキストラ」を比べてみると、
「私はちょい役(エキストラ)じゃなくて特別な主役(エクストラ)になりたい!」
なんて思ったりするかもしれませんが。
でも映画はエキストラの方々の、いい演技で成り立っているところもありますし。
その意味で完全に「余分な(extra)」物は、実はそんなにないのかもしれません。
ビジネス書や人生論でも、
「高みを目指すのもいいけど、まずはその場所で頑張ったら伸びるかもよ?」
といった言葉があったりしますし。
あなたがちょい役(extra)のように扱われても、腐らず頑張っていれば、
もらった役の重要度に関わらず、特別な(extra)輝きを示せるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
日本語で「エクストラ」と「エキストラ」は使い分けられる気もしますが、
一方で質のいい「エキストラバージンオリーブオイル」とかもあるので、厳密ではなさそうです。
追記2
ちなみに新聞・雑誌などの「増刊号(ぞうかんごう)」も「extra」で表したりするようです。
あとお菓子・雑誌とかの「おまけ」*4に「extra」を使ったりもするようですね。
◆用語集
・エキストラ:
関連用語:「群れ(むれ)」*5
・extra(エクストラ):
関連用語:「abnormal(アブノーマル)/異常な」*6、「normal(ノーマル)/正常な」、「異常気象(いじょうきしょう)」*7、「レアリティ」*8、「レア度」、「贅肉(ぜいにく)/extra flesh」*9、「ultra(ウルトラ)/超、越えた」*10、「prime(プライム)/第1位の、最も重要な」*11
・エクストラクラス【Fate】:
ゲーム『Fate』シリーズにおけるクラス。
本来の7つのクラスとはまた別のもの。
関連用語:「アヴェンジャー」*12、「セイヴァー」*13、「ルーラー」*14、「ビースト」*15、「シールダー」*16、「アルターエゴ」*17
*1:「ばかげた」などの意味を持つ英語「extravagant(エクストラヴァガント)」については 8/18 英+国他:その「ハイパー(hyper)」は「言いすぎ」ですか? ~hyper、hype(ハイプ)、hyperbole(ハイパーボリ)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:単語の頭にくっつくパーツ「接頭辞(せっとうじ)」については 6/21 英語:「接頭辞(せっとうじ)」/色んな「medi-」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:接頭辞「ex-」については 7/29 英語/接頭辞「ex(エクス)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「おまけ」については 12/15 国+社:「おまけ」は「負け」でも「勝ち」ですか? ~「おまけ」と「勝ち」と「価値(かち)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「群れ(むれ)」については 7/23 理+英他:「メダカ」は「スクール」を作りますか? ~「メダカの学校」と「school(スクール)/群れ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「abnormal(アブノーマル)/異常な」や「normal(ノーマル)/正常な」については 8/20 英+国他:その「ノーマル(normal)」は「立派(りっぱ)」ですか? ~「normal」と「norm/模範(もはん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「異常気象(いじょうきしょう)」については 9/27 社+英:「気候変動(きこうへんどう)」に関する英語7つ!(仮) ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「レアリティ(rarity)」や「レア度」については 12/8 数→英・社:「比(ひ)」の話って意外と面白いかも - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「extra flesh(余分な肉)」と呼ばれることもある「贅肉(ぜいにく)」については 10/14 国+体他:「贅肉(ぜいにく)」は「贅沢(ぜいたく)」な「肉(にく)」ですか? ~「贅(ぜい)」の字と「余分(よぶん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「超」や「越えた」という意味のある英語「ultra(ウルトラ)」については 9/16 社+英他:その「ウルトラ」は「ほめ言葉」ですか? ~「ultra(ウルトラ)」と「極端(きょくたん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:「第1位の、最も重要な」などの意味を持つ英語「prime(プライム)」については 10/3 学+英他:「小学校(しょうがっこう)」は「第1位」ですか? ~「prime(プライム)」、「primary(プライマリー)」、「primary school/小学校」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「アヴェンジャー」については 8/31 数+ゲーム:夏休みを振り返って遊ぶゲーム!? ~ゲーム「サマバケ・キャラメイカー」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「セイヴァー」については 7/24 英+理:薬草/セージと賢者(けんじゃ)と救世主(きゅうせいしゅ)! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「ルーラー」については 11/28 英語:ruler/「定規(じょうぎ)」と「支配者(しはいしゃ)」の関係! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「ビースト」については 1/9 英語:素材(そざい)/生物(せいぶつ)系あれこれ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「シールダー」については 12/24 英語:ファンタジー/防具関係の英語 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:ゲーム『Fate』シリーズのエクストラクラス「アルターエゴ」については 6/2 社+英他:我(われ)思う、ゆえに「エゴサ」!? ~「エゴ(ego)」と「エゴサ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。