国語+生活+音楽(芝居)の話ー。
「人は動く…定規で無理やりどかせば…」的な話ではありません。
陰(かげ)で人を動かす…という意味の印象が強い語、「差し金(さしがね)」と。
その由来という説もあるらしい、
L(エル)字型の定規(じょうぎ)、「指矩(さしがね)」の話を。
前置き。
まず「差し金(さしがね)/差金」というと、人(ひと)を操(あやつ)る・動(うご)かすこと…という印象も強いですね。
国語辞典では「かげで人をあやつること、入れ知恵(いれぢえ)」などと解説されていました。
例えば敵(てき)の組織(そしき)があるドラマやマンガ等では、
「お前は、あいつの『差し金』で動いているのか!」とか、
「全てあいつの『差し金』か…」などのセリフがあったりする感じですね。
で、「差し金」はそんな風に、「(裏で)人を動かす」感じの語なのですが。
この語の由来が、「定規(じょうぎ)」の一種にある…という説もあるようです。
というのもWikipediaによれば、
「指矩(さしがね)」という、L(エル)字型に曲がった定規があるらしく。
この「指矩」を大工(だいく)の親方(おやかた)が指示を出すのに使っていたのが、「差し金」の由来…という説があるらしいからですね。
(ちなみに「指矩(さしがね)」は「曲尺(かねじゃく)」ともいうようです)
といっても、他にも有力な説はあるらしく。
例えばWikipediaでは、芝居(しばい)で使う小道具…裏から色々(蝶とか人魂とか)動かす針金(はりがね)が由来では、という説が載っており、
また国語辞典では「差し金」について、「人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)から出た言葉」という説明や、「挿し金(さしがね)」という表記が載っておりました。
(「挿し金(さしがね)」表記だと、いかにも芝居の小道具に針金を「挿(さ)して」動かしていそうですね)
なので、合わせると「差し金(さしがね)」は、
芝居や人形浄瑠璃の方が由来では…と思えるのですが。
でも、もし大工道具の「指矩(さしがね)」が「差し金(人を動かすこと)」の由来とすると。
例えばドラマのセリフで、
「あいつの『差し金』で、何万(なんまん)もの人が動く…」というものが。
「『定規(指矩、差し金)』で、(何万もの)『人が動く』のか…」
なんて風に思えて、ちょっと面白いかもですね。
※
まあ、上のことはあくまでジョークですし、
「差し金」の正確な由来は(調べた中では)不明なのですが、
でもどこかで、「L字型に曲がった定規」(指矩(さしがね))を見ることがあれば。
「これは…誰の『差し金(さしがね)」だ!?」と言ってみると、
ちょっとドラマっぽくて楽しいかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・差し金(さしがね):
・指矩(さしがね):
関連用語:「目矩(めがね)」*1
*1:「目矩(めがね)」については 4/25 国+生他:「眼鏡(めがね)」と「眼鏡(めがね)」は違いますか? ~「眼鏡(めがね)にかなう」と「目矩(めがね)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。