のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

2/26 ゲーム:TRPG『ドラクルージュ』自作小説?/『ブリック・O(オー)の歌』

 ゲームの話ー。
 またTRPG『ドラクルージュ』の小説っぽい物……
 っていうか若干関係ないギャグ作品のようなものができてしまったのでメモ。


※ 勉強とは関係ない内容となっております
※ 以下の内容はフィクションであり、割と内輪用の趣味の二次創作です
※ この作品は『ドラクルージュ』のサプリ『ヘレティカノワール』の
  舞台「常世国」では金属が少なく、石材やレンガをよく使うというような記述から連想した一発ネタです
  騎士とかは出てこないのでご注意を(当初は出てくる予定でしたがテンポ上カットされました)。



※ ※ ※



☆タイトル『ブリック・O(オー)の歌』



 ブリック・O(オー)はレンガ職人。
 レンガ職人だからブリック(brick)・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oは常世国に住む。13歳の少女である。
 人々を助けるために日夜レンガや陶器を作っている。


 ブリック・O(オー)は職人名。
 レンガ(brick/ブリック)を扱うものだからして。
 まあ使えるのはレンガだけじゃないが、響きがよくて。
 「O」も何となくかっこいいからつけた。

 親につけられた名前?
 ここでは重要ではない、伏せておこう――。


父親「アプリコット(apricot)、また変なことぶつぶつ言ってんのか?」


 なのに父親が容赦なく呼ぶ。
 職人名で呼んでほしいのに。解せぬ。


 ブリック・O(brick-o)は職人名。
 真の名前はアプリコット(a pric-o t)。


※ ※ ※


 ブリック・Oは病気の身。
 医者によれば不治の病らしい。
 実に悲劇的であるが、ブリック・Oはへこたれない。
 佳人薄命、天才短命と決まっている。
 これも我が運命、我が人生。


医者「えー、娘さんがかかっているのは『やたらカッコいいものに憧れる病』とでも申しましょうか。これは私にはどうにも治せません」
父親「そんな……!」


 まさしく悲劇、悲劇であった。
 負けるな、孤高のブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oはレンガを好む。
 もちろん元になる粘土も好きである。
 あんなに柔らかい粘土が、焼くと固くなるのは面白い。
 そう、あんなに柔らかい粘土が。

 あんなに……柔らかい……。


村娘「アプリコットがすごい顔で粘土をこねている……!」


 ブリック・Oは柔らかいものを好む。
 粘土、羊毛、布団、動物。
 ……そして女性。何処とは言わないが、包容力を感じるサムシング。


村娘A「アプリコットがまたいやらしい目でこっちを見てくる……!」
村娘B「手がすごいわきわきしている……!」


 どうして警戒されるのか、合点がいかないブリック・O。
 スキンシップは同性の特権だと思うのだが(※そんなことはありません)。
 本気で警戒されるブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oの腕はいい。
 いろんなものを作ってみせる。
 レンガが多いが、食器も壺も。
 素焼き(テラコッタ)パイプも作れてしまう。
 粘土を使って修復もできる。
 家のひび割れ、怖くない。
 粘土に漆喰(しっくい)、色々使えるブリック・O。
 さあ、みんな褒めろ!


村人「腕はいい」「腕はいいのに…」「顔もそんなに悪くないのに……」
  「「「なんであんなに残念なんだ……」」」


 何故最後に「のに」を付けるのか。
 やはり解せないブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oにはライバルがいる。
 同じ年頃、石工(メイスン)のマーティン。
 やはり石材と煉瓦・粘土は宿命の敵……(※個人的な意見です)
 似た需要(シェア)を奪い合うライバルなのだ。


 奴は事あるごとに突っかかってくる。

「お前みたいな奴が結婚できるはずがないだろ」
「どうせいい奴もいないんだろ」
「しょうがないから俺がもらってやる」


 なるほど、奴は策士である。
 このレンガ職人を部下にしようとしているらしい。
 将来は土も石も全て統べるつもりか。
 その野望だけは嫌いじゃないぜ。従う気はないけど。


 不敵にほほ笑む、ブリック・O。
 これにはむしろマーティンが解せぬ顔。


※ ※ ※


 常世国には公衆浴場が多い。
 大きなパーツは石材も多いが、年季の入ったところではひび割れも多くなる。
 補修には石より、粘土が便利。
 それに換気用や水道に、素焼きパイプが使えると便利。曲げて作ったりできるし。

 すなわちこのブリック・Oの出番である。
 これは修理だから。何もやましくない。
 修理中に、女子の浴場が見えても、やましくない。
 むしろ熱効率や快適度を見るために、ガン見した方がいいくらいで――


浴場の女将「あ、女子は全員退避させておいたから」


 馬鹿な……解せぬ。
 愕然とするブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oの母は、早くに亡くなった。
 母性という物を、求めているのかもしれない。

 だから柔らかいものを好むのかもしれない。
 包容力の代わりのものを。

 これはもうブリック・Oの哀しき性であって。
 これはもうブリック・Oに責任はないとも言えよう。
 だから普通に浴場に入っていても、ふと包容力にすがりたいと、
 女子の肌に触れたいと思うのは自然――


村娘「それ以上近寄ったら悲鳴を上げる」


 解せぬ……。
 要注意人物(ブラックリスト)の、ブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oは良くしゃがんでいる。
 建物の入り口でしゃがんでいる。
 入り口と地面の差を計っているのだ。


 常世国では床を置かない(室内でも地面がそのまま)建物もあるけれど、
 地盤として岩や石板を使った場合、ちょっと段差が生じることがある。

 そのちょっとが老人には辛かったりするようなので、
 坂(スロープ)*1を設け、調整して上がりやすくしているのだ。
 土の扱いはお手の物。


老人「いつもありがとうねえ、アプリコットちゃん」


 褒められて嬉しいブリック・O。
 老人たちだけが味方である。
 でもできれば職人名で呼んでほしい。


老人A「でもその名前はちょっとカッコ悪いと思う」
老人B「若い人の感覚は分からんねえ」


 馬鹿な……。解せぬ……。
 膝から崩れ落ちるブリック・O。


※ ※ ※


 ブリック・Oは少し嘘をついた。
 包容力には、代わりがあった。
 早くに母を亡くしたけれど。
 村のみんなが育ててくれた。
 優しく包んで、育ててくれた。


※ ※ ※


 ブリック・Oは粘土が好きだ。
 何かが少し壊れたときに、石や木だと取り替えづらい。
 総取っ替えのことも多い。
 でも粘土なら欠けたところに詰めて、
 あぶって固めて、補修もできる。
 古いものはできるだけ大事にしたい。


 ブリック・Oは陶器も好きだ。
 自由に形を作って焼ける。
 みんなの希望に沿って焼ける。


 ブリック・Oは柔らかいものが好き。
 柔軟に合わせられるものが好き。
 固く支えられるものが好き。
 みんなが使うものを。その生活を。


※ ※ ※


 だからブリック・Oはレンガ職人。
 レンガ職人だからブリック(brick)・O。



                   (終)


◆用語集
・ブリック・O:
 ゲーム『アーマードコア』シリーズのキャラ「ジャック・O」から語感だけお借りしている。



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