歴史の話ー。
猫(ねこ)*1と相撲(すもう)*2を取るわけではないので悪しからず。
朝見たテレビ番組『チコちゃんに叱られる!』*3で、
猫を飼っていたとされた天皇、「宇多天皇(うだてんのう)」についての話です。
(※本文中、人名等敬称略)
前置き。
今朝テレビ番組『チコちゃんに叱られる!』を見ていたのですが、
そのなかで「猫(ねこ)」についての話がありまして、
昔の天皇*4「宇多天皇(うだてんのう)」が猫を飼っていた、という話が紹介されていました。
興味深かったので、調べてみました。
まず「宇多天皇(うだてんのう)」は日本の59代の天皇です。
生存年が「867年 - 931年」なので「平安時代」*5の方ですね。
で、Wikipediaなどで確認すると、宇多天皇の日記である『寛平御記(かんぴょうぎょき)』に、
「黒猫(くろねこ)」を飼っていたことが記されているそうです。
(※ちなみに猫を飼うことはまだ一般的ではなく、貴族などが飼っていたようです。
一般に広まるのは江戸時代*6からくらいとのこと)
しかもテレビ番組では、飼っていた猫について「他の猫と毛並みの色が違う」みたいなことを書いていたとも。
…現代のペットの飼い主も言いそうなことですね。ここら辺の感覚は、今も昔もそう変わらないのかもしれません。
ちなみにこの「宇多天皇」は、上記の他にも面白いエピソードの持ち主だったりします。
例えば宇多天皇は天皇家の人物なので「皇族」なのですが、
色んな事情で小さいころに臣下(しんか)である「源氏(げんじ)」*7へと下ろされたりしています。(「臣籍降下(しんせきこうか)」)
でも、この「源氏」であった時代に、宇多天皇は貴族の「在原業平(ありわらのなりひら)」*8と「相撲(すもう)」をとり、
内裏の「殿上の間」にあった椅子の手すりを折ってしまったりしているようです。
つまり「朝廷(ちょうてい)」の椅子、またはファンタジーとかで言うと「お城の椅子」を壊しちゃったみたいな感じです。
立場を下げられている時になかなか怖いもの知らずですな…。なぜそこで相撲をしてしまったのか。
この「在原業平」も有名な歌人さんなので、余計に「何やってんの」感があります。
今回は「猫」から調べたので、個人的に「猫好き」のイメージが強くなってしまいましたが、
「宇多天皇」についてちょっと調べてみても、それだけで結構面白いかもしれません。
まあそんな感じで~。
追記
またWikipediaによれば、
宇多天皇は「菅原道真(すがわらのみちざね)」*9など色んな人物を登用した人物であったり、歌合(うたあわせ)…歌を詠む会を開いて、多くの「歌人(かじん)」を生み出すきっかけを作ったりされたそうです。
そして、国語の教科書にもよく出てくる、京都の「仁和寺(にんなじ)」を建てたのもこの方だったりします。
なので、宇多天皇がいなかったら、現在の歴史は色々変わっているかもしれませんね。
(もちろん誰がいなくても変わりはしますが、それはそれとして)
◆用語集
・宇多天皇(うだてんのう):
日本の第59代天皇。
父は第58代天皇「光孝天皇(こうこうてんのう)」。子どもには第60代天皇「醍醐天皇(だいごてんのう)」がおられる。
源氏であったころの名前は「源定省(みなもと の さだみ)」。
また「宇多源氏(うだげんじ)」の祖先でもあるとのこと。
・『寛平御記』(かんぴょうぎょき):
宇多天皇の日記。現存する天皇の日記としては最初のものらしい。
・黒猫(くろねこ):
黒い猫(ねこ)。
欧米などでは不吉な存在とされたり、魔女の使いとされたりする。
一方Wikipediaによれば、近代以前の日本では割と縁起のいい存在とされていたようだ。
江戸時代には、黒猫を飼うと労咳(ろうがい)…つまり「結核(けっかく)」が治るという迷信があったようで、
幕末の「新選組(しんせんぐみ)」の「沖田総司(おきた・そうじ)」*10は労咳を患った時、この迷信を信じ黒猫を飼っていたとのこと。
・仁和寺(にんなじ):
京都府京都市にあるお寺。
Wikipediaによれば真言宗(しんごんしゅう)御室派(おむろは)の総本山とのこと。
「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録されている。
開基(かいき)…つまり創立者は宇多天皇。ただし、第58代の「光孝天皇(こうこうてんのう)」のころから作り始めてはいたとのこと。
『徒然草(つれづれぐさ)』*11には「仁和寺の法師」の話が載っており、それが国語の教科書によく載っていたりもする。
ちなみに仁和寺の桜は「御室桜(おむろざくら)」というらしい。また「お多福桜(おたふくざくら)」ともいうとのこと。
・光孝天皇(こうこうてんのう):
日本の第58代天皇。
父は第54代天皇の「仁明天皇(にんめいてんのう)」。
・醍醐天皇(だいごてんのう):
日本の第60代天皇。
関連用語:「醍醐(だいご)」*12、「ゴイサギ(五位鷺)」*13【鳥】
*1:「猫(ねこ)」については 4/17 国+理:「猫(ねこ)」と「すこ」と「スコティッシュフォールド」の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「相撲(すもう)」については 4/5 体+社:神vs神、神vs人の格闘技!? ~相撲(すもう)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:テレビ番組『チコちゃんに叱られる!』については 8/8 ゲーム+社:色々気になった言葉メモ(ゲーム+歴史) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「天皇(てんのう))」については 3/18 社+国:天皇(てんのう)さんと五穀(ごこく)の祭り! ~祈年祭(としごいのまつり)、新嘗祭(にいなめのまつり)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「平安時代(へいあんじだい)」については 11/10 歴+英:平安時代の「デーモンズゲート」!? ~「鬼門(きもん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「江戸時代(えどじだい)」については 12/7 英語:「I am」でたらめ翻訳(ほんやく)のお遊び - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「源氏(げんじ)」については 2/26 歴史:謎めく歴史の魅力 ~頼朝、義経、二人に何があったんだ!?~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:歌人としても有名な貴族「在原業平(ありわらのなりひら)」については 7/22 国+英:「筒(つつ)」に関する話メモ ~「pipe(パイプ)」、「tube(チューブ)」、「cylinder(シリンダー)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「菅原道真(すがわらのみちざね)」については 2/21 学習:手持ちの本をつなげるゲーム! ~ブックリンカ―~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「新選組(しんせんぐみ)」や「沖田総司(おきた・そうじ)」については 1/29 歴+ゲーム:病弱な天才剣士!? ~「沖田総司(おきた・そうじ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:『徒然草(つれづれぐさ)』については 12/24 国語:「ことわざ」は「言葉(ことば)」の「技(わざ)」ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「醍醐(だいご)」については 1/30 理+家:「乳酸(にゅうさん)」と「乳酸菌(にゅうさんきん)」の話 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:醍醐天皇に「正五位(しょうごい)」を授けられたことが名前の由来という鳥「ゴイサギ(五位鷺)」については 5/1 理+歴:「ゴイサギ」は「貴族(きぞく)」の「鳥(とり)」ですか? ~「五位鷺(ごいさぎ)」と「正五位(しょうごい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。