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国語+社会の話―。
同性愛やLGBTQ概念に関わる話…、という訳でもなかったりします。
ちょっと離れた何かを指し示す語「あれ」と、
その漢字表記「彼(あれ)」などの話を。
よく性別に関わる、「彼(かれ)」や「彼女(かのじょ)」などの話も添えて。
前置き。
昨日は「ここ」*1という語について書きましたが、
その流れで「あれ」という語が気になったので、その話を。
※
まず「あれ」とは、何かを指し示す語ですね、
似た語の「これ」が、手元の場所や「ここ」にある物を指すのに対し、
「あれ」というと、ちょっと離れた場所(や物)を指しているイメージです。
(英語で言うと「これ」が「this(ディス)」、「あれ」が「that(ザット)」って感じですね)
日常でも「あれを見て」や「あれ取って~」とか、
また何かを思い出しつつ「あれはいつのことだっけ…」と言う事は、よくある印象です。
で、そんなお馴染みの「あれ」は、言葉の一つという感じで、
特に、男女とかの性別(せいべつ)は無いように思えますが。
でも漢字にすると、ちょっと「男性」っぽくなるかもしれません。
というのも、「あれ」は「彼(あれ)」と書いたりもするらしいですね。
国語辞典によれば「あれ」は、「彼(あれ)」や「彼れ(あれ)」と書いたりするようです。
またそもそも、漢和辞典によれば「彼」の字自体に
「あれ」や「それ」、「あの人」、「あの」、「あちら」や「そちら」という意味があるようですね。
現代日本では、よく男性を指して「彼(かれ)」、
女性を指して「彼女(かのじょ)」と言い分けたりしますが。
しかし漢和辞典を見た感じだと、「彼」の字は男女に関わらず使えそうですね。
なので、例えばみんなで「トム(男性)」の話をしている時に、
向こうにトムの「彼女(女性)」が現われたりしたら。
「『あれ(あちらの女性)』は『トム』の『彼女』です」という意味合いで、
「『彼(あれ)』は『彼(かれ)』の『彼女』です」という文が書けるかもですね。
…「なるほど、トムは男性同士で付き合っているのか…」と思われそうな字面ですが。
※
まあ、現代日本では「あれ」を「彼」と書くことは少なそうなので、
「彼」というと「彼(かれ)」…「男性」を差すことが多そうですが。
しかし一方で、「彼方(かなた)」や「彼岸(ひがん)」など、
特に「男性」の意味でなく、「彼」のついた語も多かったりします。
なのでどこかで、「彼」の字がついた語を見たら。
「『彼』といったら『彼(かれ)』で『男性』だよなあ!?」と思うだけでなく、
「何か違う意味もあったような…『あれ(彼)』は確か…」と、
この記事、または「彼(あれ)」の字の可能性を、思い出してみてもいいかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに漢和辞典によれば、「彼女」は「あの女」という意味もあるようです。
(※「あの女」表記は辞典に従った物なので悪しからずです。ご不快でしたらすみません)
この場合の「彼」は「あの(彼の)」と言う意味なので、特に男性を指す語では無い訳ですね。
しかしよく考えると、彼も彼女も
①単なる指し示す語としての「彼・彼女」(英語でいう「He(ひー)」や「She(シー)」)
②恋人と死しての「彼/彼女」
としての意味があるので、今回のテーマの「彼(あれ)」を除いても、
「『彼(あの男性)』は『彼(恋人)』ですか?」とか、
「『彼女』は『彼女(恋人)ですか?」
という分は普通にあり得ますね。…字面がややこしいですが。
さらに、これらを否定すると、
「いいえ、『彼』は『彼(恋人)』じゃないです」とか、
「いいえ、『彼女』は『彼女(恋人)』じゃないです」とかになるので、
字面がサスペンスとかの、「『彼』は…もう私の知っている『彼』じゃない…」みたいになってシュールですね。
追記2
ちなみに国語辞典によれば、
向こうの方(場所)を示す語「あちら」は②「彼方(あちら)」と書き、
そのくだけた感じの言い方「あっち」も、「彼方(あっち)」と書いたりするようです。
そして「彼方」は③「彼方(かなた)」とも読みますので、
ここで紹介しただけでも、「彼方」には3つの読み方(あちら、あっち、かなた)があることになりますね。
追記3
ちなみに「彼奴」という語も色々読み方があって、
漢和辞典によれば①「彼奴(あいつ)」とか②「彼奴(きゃつ)」、③「彼奴(かやつ)」、④「彼奴(くやつ)」と読んだりするようです。
あとパソコンの変換では⑤「彼奴(あやつ)」というのも出ましたね。時代劇やファンタジーとかでよく聞く印象の語です。
追記4
ちなみに「あれ」をカタカナで「アレ」となり、ちょっと印象が変わったりします。
「ちょっと口に出しづらいけれど…」という感じですね。
黒くてカサカサしたあの昆虫が、こう呼ばれることもあります。
◆用語集
・あれ(彼、彼れ):
関連用語:「どれ(何れ)」*2
・彼【漢字】:
・あちら(彼方):
ちなみにくだけた言い方の「あそこ(彼処)」という語もある。
・あっち(彼方):
・彼方(かなた)
・あそこ(彼処、彼所):
関連用語:「ここ(此処)」、「そこ(其処)」、「どこ(何処)」
・あいつ(彼奴):
関連用語:「奴(やつ)」*3
*1:「ここ」については 4/3 国+ゲーム:「ここ」を漢字で書けますか? ~「ここ」の8つ(仮)の表記クイズ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「どれ(何れ)」や「どこ(何処)」については 5/2 国語:あなたは「何」を読めますか? ~「何」と10種類以上の読みの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「奴(やつ)」については 8/23 国+社他:「奴(やつ)」は「しもべ」で「豆腐(とうふ)」ですか? ~「奴」の色んな意味の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。