国語+社会+ゲームの話―。
現代のゲーム話…のように見えて、昔の言葉の話です。
見つけた「桃弧棘矢(とうこきゅうし)」という語から、
災い(わざわい)を払ったり、悪鬼除け(あっきよけ)ができるという、
「桃(もも)*1の木(き)の弓(ゆみ)/桃弧(とうこ)」の話を。
前置き。
今日から3月、春(はる)っぽい感じもしてくる月ということで。
何か春っぽい言葉はないかな…と色々調べていると、
途中で「桃弧棘矢(とうこきゅうし)」という語を見つけまして。
漢和辞典によれば「桃弧棘矢(とうこきゅうし)」とは、
「モモ(桃)の木(き)で作った弓(ゆみ)」と「イバラ(棘)で作った矢(や)」のことであり、
いずれも災い(わざわい)を払うことができる、と書いてありました。
またWikipediaにも「桃の木で作られた弓矢を射(い)ることは、悪鬼除け(あっきよけ)のまじないになる」的なことが書かれていたので、上の記述とつながっていそうですね。
「モモ(桃)」というと「モモの実」…柔らかい甘い実の印象も強く、
またそちらがアジアの伝説などで、ありがたい力(霊力)を持つ、とされたりするのは知っていましたが。
でも実じゃなくて「桃の木」の方も、悪鬼や災いに対して効くとされたりする訳ですね。
なので「桃の木の弓」が「悪鬼除け」になる…「鬼に効く」ということは。
略すと「『桃』の(木の)『弓』は『鬼』に『効く』!」とも言えそうですが。
…でも「桃の弓」って書くと、なんか桃の実の方を飛ばしてそうですね。おいしそう
※
まあ上記の語「桃弧棘矢」も、
筆者の漢和辞典には載っていましたが、国語辞典には載っていませんでした。
まして、今の世の中ではあまり使わない語かもですが。
でも今度どこかで、「モモ(桃)」が木に生(な)っているのを見たら。
実の方だけじゃなく「木」にも目を向けて、
「あの桃の木で弓を作ると、鬼に効く説もあるんだよな…」
なんて、「桃弧棘矢」の話を思い出してみても、面白いかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに漢和辞典には「桃花水(とうかすい)」という言葉も載っていました。
これは「桃の咲く頃、氷が溶けてみなぎり流れる水、」とのことです。
「三月の桃花水」という語も載っていたので、ちょうど今(3月)の時期の言葉っぽいですね。
◆用語集
・桃弧棘矢(とうこきゅうし):
関連記事:『桃を表す外国語セブン』
・桃弧(とうこ):
・桃花水(とうかすい):
*1:「桃(もも)」や、記事『桃を表す外国語セブン』については 3/3 生+諸外他:「桃(もも)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。