国語+ゲームの話―。
いたんだ(傷んだ)服、またはいたんだ物などを表す語、
「ぼろ/ボロ」を漢字で書くと…?というクイズです。
(※全体が長くなりそうだったので、
本文を短めにして、ややこしそうな所を追記に回しました)
前置き。
昨日の記事は「綺羅(きら)」*1…きれいな衣服について書きましたが。
そこから反対っぽい語の「ぼろ」が気になったので、調べてみました。
※
まず「ぼろ/ボロ」とは、いたんだ(傷んだ)服(ふく)などを表す語ですね。
国語辞典によれば、「使い古していたんだ服」などを指すようです。
また「ぼろ家(ぼろや)」など、他の物がいたんでいる様子も表すようですね。
さて、「ぼろい/ボロい」などの表記は、普段もよく見る気がするので、
日常でもお馴染みの感がある「ぼろ/ボロ」の語ですが。
では、突然ですがクイズです。
あなたは「ぼろ/ボロ」を漢字で書けますか?
良ければ考えてみて下さい。
…どうでしょうか?
もちろん書けなくても大丈夫です。
国語辞典などによれば、
「ぼろ」に対応する漢字表記は、「襤褸(ぼろ)」という物があるようですね。
…画数が多くて難しい感じがします。
実はこの表記にも、ちょっと注意が必要かもですが…そこは長くなるので追記の方で。
※
まあ普段は「ぼろ/ボロ」や「ぼろい/ボロい」表記が多く、
「襤褸(ぼろ)」や「襤褸い(ぼろい)」表記を見ることは少なさそうですが。
でも今度どこかで「ぼろ」や「ボロ」という表記を見たら。
「漢字でどう書くんだったっけ…」とか、
あるいは「『襤褸』って書くんだよな!」なんて思い出してみても、
頭の体操(たいそう)になって、良いかも?
まあそんな感じで~。
追記
さて本文で書いたように、
「ぼろ」を調べると「襤褸(ぼろ)」表記が出てくるので、
そのまま「ぼろ=襤褸」としたい所ではありますが。
しかし、ここでちょっと注意が必要かもしれません。
というのも、国語辞典によれば、
「襤褸(ぼろ)」は一種の「義訓(ぎくん)」と書いてあったからですね。
後で詳しく説明しますが、すごいざっくり言うと、「当て字(あてじ)」に関係する言葉のようです。
この「義訓(ぎくん)」とは、国語辞典によれば、
「和語(わご)の熟字の中で、『借字(しゃくじ)』*2よりは当て字感の薄いもの」らしいです。
例えば「昨夜(ゆうべ)」や「小火(ぼや)」なども義訓のようですね。
上記の「借字(しゃくじ)」は音を表す字なので、あまり意味は関係無いのですが、
「義訓」は、それよりは当て字感が薄い…つまり意味的に関係はある、ということのようですね。
(しかしわざわざ「当て字感が薄い」と書いてあるということは、当て字の一種ではあると思われます)
確かに、漢和辞典で「襤褸(ぼろ)」を構成する字を調べてみると、
「襤(らん)」と「褸(ろう、る)」の両方に、
「ぼろ」、「やぶれた着物(きもの)」という意味がありました。
(ちなみに2つを合わせて「襤褸(らんる)」ともいうようです)
なので、「ぼろ」という言葉に、意味的に関係のある漢字が選ばれ、
「襤褸(ぼろ)」という表記になっているようですが。
しかし漢和辞典を見ても「襤」・「褸」にそれぞれに「ぼ」・「ろ」という読みは見当たらなかったので、
その辺りが当て字…「義訓」であり、字の本来の読みとまた違うことをしている、と思われます。
◆用語集
・ぼろ/ボロ/襤褸(ぼろ):
・ぼろい/ボロい:
・義訓(ぎくん):
・襤(らん)【漢字】:
・褸(ろう、る)【漢字】:
*1:きれいな衣服「綺羅(きら)」については 6/25 国+生他:「間違い(まちがい)」は「星(ほし)」を「生み」ますか? ~「綺羅星(きらぼし)」と「綺羅(きら)」と、「綺羅、星のごとく」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「借字(しゃくじ)」については 6/6 国語:「ふざける」等を漢字で書けますか? ~「漢字クイズ」と「借字(しゃくじ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。