のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

2/1 国+社他:「袖(そで)」があったら「振りたい(ふりたい)」ですか? ~「無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)」と「振袖(ふりそで)」などの話~

 国語+社会+こころの話ー。
 「これはもう、全世界共通の心理だから…」的な話ではありません。


 無い物はどうしようもできない、的な語「無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)」
 そして「袖(そで)」*1を「振る(ふる)」文化について、
 「振袖(ふりそで)」*2などを参考に調べてみた話です。


 遅くなってしまったので簡単に。


 前置き。
 昨日「滅相もない」について調べた流れで、
 「無い袖は振れぬ」という語を思い出したので、その話を。


 まず「無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)」とは、ことわざの一種ですね。
 無い物はどうしようもできない、的な意味合いです。
 個人的には、「お金が無くて何かを買えない」時に聞く印象もあります。


 まあ今は日本でも洋服(ようふく)が多く、
 袖(そで)も短めで、あまり「振る」という感じもしませんが。
 昔の服*3の、着物(きもの)や和服(わふく)は袖が長く大きかったりするので、
 袖の有る無し、またそれを振る/振れない様子はかなり目立つかもですね。


 しかしそう思う一方で、
 「何故わざわざ『袖』を『振る』例えにしたのだろう…?」と疑問に思いまして。
 直接的に「無い金は払えぬ」とか「無い薬は飲めぬ」とかでいい気もしますし。
 「袖ってそこまで振る機会あるかな…あっても重要かな…?」などと思いました。


 という訳で、色々調べてみたのですが、
 どうも昔は「袖を振る」ことに関して文化があったようですね。


 というのも、Wikipedia「振袖(ふりそで)」のページには、
 「古来、布などを振る行為には呪術的な意味があり、神に仕える女性たちは長い布や長い袖を振る魂振り(たまふり)を行ったといわれる」とか、
 「未婚女性が振袖の袖を振る事は、求愛(きゅうあい)の意思表示として使われることもあった」などと載っておりました。
 そして、この辺りが恋愛用語の「振った/振られた」(お付き合いを断る/断られた)の由来だったりもするようです。


 なので、上記だけでも呪術・神事・恋愛関係において、
 「袖を振る」(そして「袖を振れない」)ことは重要な意味を持っているわけですね。


 筆者は初め、「『無い』袖は『振れぬ』」の反対語は、
 単に「『ある』袖は『振れる』」くらいかと思っていたのですが。


 しかし上記のような、袖を振る・活用する文化を見ると、
 むしろ昔は「『袖』があったら『振りたい』!色々活用したい!」くらいの積極的な気分だったかもですね。
 …海外の方からは「日本人ってそんなに『袖』が好きなの…?」って思われそうですが。


 まあ、上にも書いたように今の服(洋服)は袖が短いので、
 あまり「袖を振る」という動きや、
 また「袖を振れない」ことの意味はピンときにくいかもですが。


 でも来月の3月は卒業式(そつぎょうしき)などがあるので、
 それこそ「振袖」や、「袖」の長い服を着る方もおられるかもですね。
 その時には少し「袖を振って」みて、
 「『袖を振る』や『無い袖は振れぬ』ってこんな感じか~」と、確認しても面白いかも?



 まあそんな感じで~。



追記
 筆者は「振袖」について過去記事でも調べていましたが、
 今回の本文内容のように積極的に袖を振ったり、活用する文化(ぶんか)があることまでは調べられていませんでした。反省ですね。

◆用語集
・「無い袖は振れぬ(ないそではふれぬ)」:
 関連用語:「鎧袖一触(がいしゅういっしょく)」*4
 関連記事:『服を表す外国語セブン』*5



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