歴史の話ー。
有名な話ですが、「アメリカ*1皇帝」*2「ジョシュア・ノートン」の話を。
前置きとして、アメリカ合衆国には大統領はいても、法律上の「皇帝(こうてい)」はいません。
皇帝がいるなら「帝国(ていこく)」という名前になりそうですしね。
まあ例えで「アメリカ帝国」と言われることはあるのですが……。
にもかかわらず「自分はアメリカの皇帝である」と名乗った人がいます。
その名は「ジョシュア・エイブラハム・ノートン(Joshua Abraham Norton)」。
彼は自らを「皇帝ノートン1世」と名乗り、
色んな新聞社に手紙を送ったり、
「皇帝勅令(こうていちょくれい)」として色んな命令を出したといいます。
もちろん、法律的に彼が皇帝であるわけはなく。
実際には「事業に失敗して正気を失った人物」らしく、
ちょっと暗い背景があるようなのですが……。
にもかかわらず彼は温和で平和的な人物であり、民衆にはとても人気があったそうです。
サンフランシスコ*3の町中を「視察(しさつ)」して色んな人と話したり。
ある時は暴徒と、そのリンチを受けそうになっている人の間に立ち、
真ん中で神に祈りを捧げていたこともあったそうで。
それを聞いた暴徒は恥じて解散してしまった…という話もあります。
(Wikipediaからの引用)
彼が亡くなった時には3万人の人が葬儀(そうぎ)に並んだといわれており、
Wikipediaからの引用ですが、『ニューヨーク・タイムス』は
「彼は誰も殺さず、誰からも奪わず、誰も追放しなかった。彼と同じ称号を持つ人物で、この点で彼に立ち勝る者は1人もいない」 という記事を載せたようです。
「皇帝」といわれる人物はしばしばひどいこともしますから、それを踏まえた言葉と思われます。
もしあなたが「皇帝」や偉い人を目指すときは、
「アメリカ皇帝ジョシュア・ノートン」のことを思い出してみてもいいかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに筆者が初めて「ジョシュア・ノートン」について知ったのは『氷室の天地』というマンガです。
歴史漫画ではないのですが、有名人がいっぱい出てくる箇所がありまして。
*1:「アメリカ」については 6/11 地理:テストによく出る国名・都市名!?(仮) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「皇帝(こうてい)」や「帝国(ていこく)」については 9/2 英+社:国(くに)に関する英語メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「サンフランシスコ」については 10/26 歴史:ザビエル?シャヴィエル? ~日本に来た彼の名前~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。