歴史+国語の話ー。
「四天王(してんのう)」という言葉の語源、仏教*1の話ですね。
(本記事中、人・神名等敬称略)
前置き。
昨日ブログで「リスニング四天王」*2について記事を書きましたが、
そういえば「四天王(してんのう)」という言葉の意味についてはまだ記事を書いていませんでした。
なので簡単にその話を。
四天王(してんのう)というのは、「仏教(ぶっきょう)」の神様ですね。
「四天王天(してんのうてん)」という世界・場所に住んで、それぞれの方向を守護しているとされます。
それぞれの担当方位と名前は
・東方の「持国天(じこくてん)」
・南方の「増長天(ぞうちょうてん)」
・西方の「広目天(こうもくてん)」
・北方の「多聞天(たもんてん)」(「毘沙門天(びしゃもんてん)」ともいう)
って感じみたいですね。
Wikipediaによれば、インドだと貴人(きじん)、つまり貴族のような恰好らしいのですが、
日本だと甲冑を着て邪鬼(じゃき)を踏みつけている、という格好になっているらしいです。
日本史の資料集にはよく四天王の彫像が載っていたりするので、そちらで知っている方もおられるかもしれません。
四天王はなかなか怖そうな表情をしておられたりもしますが、
仏教を守る立場の仏・神さまは、鬼を怖がらせるためにこのような表情をしたりするらしいです。
防御の意味もある、ということですね。
※
今は「四天王」という言葉は、「あるグループでとても強い4人」くらいの意味で使われることも多いですね。
テレビでも「○○四天王」というのはよく聞きますし、
有名ゲーム『ポケットモンスター』でも最後の方に「四天王」が出てくることもあります。
そして今年のセンター試験では「リスニング四天王」というものまで出てきました。
まあこれからも色んな所で「四天王」という言葉に出会うと思いますが、
その時にふと仏教の「四天王」のことも思い出したりすると、
ちょっと社会の勉強になるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
「仏教っていうと神さまじゃなくて『仏(ほとけ)』さまじゃないの?」と思われる方もいるかもですが、
仏教内にも神さまは結構多かったりします。
あと「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」といって、ある神さまと仏さまが同じとみなされることもあります。
(※範囲など、宗派によって違いはあるかもしれません)
追記2
ちなみに当ブログでは過去記事で「十二神将(じゅうにしんしょう)」*3というものも紹介しました。
そちらも方位を担当してますし、四天王との関係(上下関係も)が気になりますが、
ざっくり調べたところではまた別のグループみたいです。
というのも今回紹介した「四天王」は「帝釈天(たいしゃくてん)」という神様に仕えており、
「十二神将」は「薬師如来(やくしにょらい)」という仏様に仕えているようです(Wikipedia参照)。
会社とかで言うと「上司が違う」って感じかもしれません。
◆用語集
・四天王(してんのう)【仏教】:
・四天王(してんのう)【一般】:
関連ゲーム:『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』*4
*1:「仏教(ぶっきょう)」については 12/17 社会:水(みず)と宗教(しゅうきょう)の話(ざっくり仮説) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:センター試験の「リスニング四天王」については 1/22 英+美他:英語のテストに「四天王(してんのう)」登場!? ~センター試験英語、「リスニング四天王」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「十二神将(じゅうにしんしょう)」や「薬師如来(やくしにょらい)」については 4/25 歴史:「メキラ」、「アンテラ」、不思議な神名! ~十二神将(じゅうにしんしょう)の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』については 11/26 生+英:「ピーマン」は「甘い(あまい)」野菜(やさい)ですか? ~「ピーマン」と「sweet pepper(スイート・ペッパー)/甘いトウガラシ」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。