音楽+歴史の話ー。
イタリア*1の男性歌手の一種、
「カストラート」についての話です。
※以下、ちょっと身体的に痛い話などを含みます。ご注意を。
具体的には「去勢(きょせい)」の話などが出ます。
前置き。
ある本を読んでいて「カストラート」という単語を見まして。
単語は知っていたのですが良く知らないので、改めて調べてみました。
「カストラート(castrato)」とは昔のイタリアの男性歌手の一種なのですが、
単なる役割名ではありません。
幼いころに「去勢(きょせい)」…まあ男性のアレをアレされることで、
男性ホルモンを抑えた歌手になります。
なぜこういうことをするか、というと「声を高いままに」するためですね。
子どもの声は男女ともに高かったりしますが、大人の男性の声は低い傾向にあります。
なので「声変わり」以前に男性ホルモンを抑えることで、高い声が持続するように、ということだったようです。
Wikipediaによれば、
歌う目的で一般化したのは1550年 - 1600年ごろのローマで、
その後ヨーロッパで人気であったとのことです。
カストラート歌手では「ファリネッリ」こと「カルロ・ブロスキ」という人物が有名だったそうです。
で、歴史上最後のカストラート歌手は1922年に死去した「アレッサンドロ・モレスキ」という人物だったそうなのですが、
逆に言えばその人以前まではやってたということですね。
今は人道的な理由により、多分良しとされない「カストラート」ですが、
音楽・娯楽のために、人間は色んな事をやる可能性がある、という一つのエピソードでもあります。
知っておくと、少し勉強になる…かもしれません。
(あんまり一度に痛いことや怖いことを学びすぎると、トラウマになるので注意ですが)
まあそんな感じで~。
追記
ちなみにWikipediaによれば有名な作曲家の「ベートーヴェン」*2も、カストラートになるかもしれなかったそうです。
なんでもボーイソプラノとして優秀だったので、周囲からカストラートにされることを希望されたのだとか。
けれど父親がそれに反対し、ベートーヴェンは作曲家への道を歩んだということらしいですね。
とりあえずベートーヴェンがカストラートになっていた場合、あまり作曲はしなかった可能性があるので、
今ある数々の名曲は、生まれなかったかもしれません。
◆用語集
・カストラート:
関連用語:「宦官(かんがん)」*3
・ファリネッリ:1705年 - 1782年。
イタリアのカストラート歌手。
本名は「カルロ・ブロスキ(Carlo Broschi)」。
師匠は音楽家「ニコラ・ポルポラ」。
Wikipediaによれば音域は3オクターブ半あり、その美声に、聞いていた女性はしばしば失神したという。
1737年にマドリードに招かれ、20年以上「フェリペ5世」に仕えていたとらしい。
ちなみに映画にもなっている。
・「ニコラ・ポルポラ」:
ちなみに彼は音楽家「ハイドン」の師でもあるようだ。
*1:「イタリア」については 4/10 社+音:ボロネーゼとポロネーズ! ~パスタとダンスと英雄(えいゆう)~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:音楽家の「ベートーヴェン」については 12/11 歴史:モンスト、堕天使と西郷さんと作曲家の乱舞 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:男性のアレをアレした役人「宦官(かんがん)」については 1/12 歴史:マイナーに見えて大切なこと~紙編~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。