国語+英語+こころ+音楽の話―。
「殺し」がタイトルに入ってますが、物騒(ぶっそう)な話ではありません。
相手の心を強く引きつけたりする言葉、「殺し文句(ころしもんく)」と、
対応する英語表現の一つ、「telling phrase(テリング・フレーズ)」の話を。
英語の「tell(テル)/言う」なども参考にしつつ。
体調がイマイチなので簡単に。
前置き。
昨日の記事では「キャッチー」という語について書いたので。
その流れで、似た語「殺し文句(ころしもんく)」を調べてみました。
※
まず「殺し文句(ころしもんく)」とは、言葉の一種ですね。
手元の国語辞典では、「相手の行動(判断)を束縛(そくばく)するようなおどし文句」や、
また「(男女間などで)相手の心をすっかり引きつけてしまう、巧(たく)みな言葉」などと説明されていました。
(後者については、今は「男女間」の意味合いはそんなに無い印象ですね)
いずれにせよ、「殺し文句」は相手を本当に「殺す」わけではないですが。
でもそれこそ、バトル系マンガの「必殺技(ひっさつわざ)」みたいに、
「これさえ使っておけば(相手との交渉に)勝てる!」みたいな、強い感じもありますね。
その辺りのイメージが、「殺し」という部分にかかっていそうです。
で、改めて「殺し文句」は、なかなか物騒(ぶっそう)な名前ですが。
英語での「殺し文句」はどうだろう…と調べてみると、
手元の辞典では、意外と落ち着いた感じのようでした。
というのも手元の和英辞典では、
「殺し文句」に対して「telling phrase(テリング・フレーズ)」や「telling expression(テリング・エクスプレッション)」などの英語が載っていたからですね。
なんだか、思ったより落ち着いた感じです。
「tell(テル)」というと、「話す」や「言う」意味などが有名であり、
あまり強い感じはしないのですが。
(学校英語等でも、かなり早くに習う印象ですし)
ただ英和辞典によれば、
「tell(テル)」には「ききめがある」とか「影響(えいきょう)する」といった意味もありました。
そして「telling(テリング)」は、「ききめのある」、「効果的な」、「印象的な」、「強烈(きょうれつ)な」などの意味があるようです。
なので「(相手にかなり影響する)強烈な(telling)表現(phrase)」→「殺し文句(telling phrase)」って感じですかね。
あるいは「tell/言う」+「-ing/~すること」→「telling/言うこと」と考えて、
「telling phrase/殺し文句」の語を考えてみると。
「『フレーズ(phrase)』を『言うこと(telling)』(だけ)で『勝てる』…!?」なんて感じもして面白いですね。
「ああ、確かに『殺し文句』っぽいな…」と納得(なっとく)する所もあります(個人的感想)。
※
ところで、「殺す」意味の英語では「kill(キル)」が有名であり、
関連語「killer(キラー)」も、「殺し文句」に似た意味でよく使われていたりします。
例えばネットでは、「キラーフレーズ(killer phrase)」や「キラーチューン(killer tune)」などの表現が見つかりました。
両方とも「人を強く納得させる」とか、「人を引きつける」言葉や曲を指すようです。
これらと比べると、
「telling phrase/殺し文句」はあまり強そうではないですが。
でもバトル系マンガっぽい話になりますが、
「強そうな言葉を使わない方が、逆に強そう」なんて考えもあるようで。
なので「『殺し』とか『kill』を直接使わず表したいな…」と思った時には、
「telling phrase(殺し文句)」等を思い出してみても、良いかもですね。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・殺し文句(ころしもんく):
関連記事:『死を表す外国語セブン』*1
・phrase(フレーズ、フレイズ):
ちなみにネットで聞いた発音は「フレイズ」の印象だが、日本ではカタカナで「フレーズ」で表されることが多い印象。
関連用語:「文節(ぶんせつ)/phrase」*2
*1:記事『死を表す外国語セブン』については 4/12 生+諸外他:「死(し)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「phrase(フレーズ)」で表されたりもする語「文節(ぶんせつ)」については 6/30 国語:国文法/「言葉(ことば)の単位(たんい)」メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。