歴史+生活+国語の話ー。
変わったタイトルですが、計算ができなくなったわけではありません。
昔、オランダ*1などから日本に伝わった学問の「蘭学(らんがく)」と、
その別名、「蛮学(ばんがく)」や「洋学(ようがく)」についての話です。
前置き。
昨日「コップ(kop)」*2とオランダ語について書いたことで、
「蘭学(らんがく)」という言葉を思い出したので、その話を。
※
まず「蘭学(らんがく)」というのは、
Wikipediaによれば、江戸時代*3にオランダを通じて日本に入ってきたヨーロッパの学術・文化・技術の総称らしいです。
別に植物の「蘭(らん)」*4と関係があるわけではなく、
当時の日本がオランダに「和蘭陀(オランダ)」という当て字をしていたからですね。
「和蘭陀の学問」→「蘭学」というわけです。
ただ全部オランダの知識という訳ではなく、色んな学問がオランダ語に訳されて、それが日本に入ってきたみたいですね。
Wikipediaによればドイツやアラブを伝わった知識などもあるようです。グローバルですね。
そんな「蘭学(らんがく)」ですが、
後にいろんな国と国交を結ぶようになったので、これらは「洋学(ようがく)」と呼ばれるようになったそうです。
また、「蘭学」以前は「蛮学(ばんがく)」や「南蛮学(なんばんがく)」と呼ばれていたらしいですね。
つまり
「蛮学」→「蘭学」→「洋学」
…という感じで名前が変わったということですね。
後半の「学」を抜かすと「蛮=蘭=洋」みたいなことになりそうです。
まあその時々で学問内容も変わっているでしょうから、単純に「=」では結べない気もしますが。
でもちょっとクイズっぽくて面白いですね。
※
ちなみに当時「蘭学」と呼ばれたものの中には、
西洋の進んだ医学(いがく)や解剖学(かいぼうがく)もあったようです。
今、日本は新型コロナウイルス*5の死者数や被害などが、世界に比べて抑えられているという話もあります。
その理由の一つが今の日本の「医学」などにあるとしたら、
もしかしたら、昔伝わってきた「蘭学」のおかげもあるかもしれません。
今度、歴史の教科書で「蘭学」を見かけたら、そういう視点で見てみても面白いかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
◆用語集
・蘭学(らんがく):
ちなみに蘭学の学者は「蘭学者(らんがくしゃ)」などという。
関連用語:「デッサン」*6、「スケッチ」、「学ラン」*7
関連人名:「杉田玄白(すぎた・げんぱく)」*8、「宇田川玄真(うだがわ・げんしん)」*9
*1:国名の「オランダ」については 3/2 社会:ウサギの話(を少し) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:容器の「コップ(kop)」については 5/30 国+オラ他:「コップ(kop)」と「カップ(cup)」は違いますか? ~飲み物の容器の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「江戸時代(えどじだい)」については 12/7 英語:「I am」でたらめ翻訳(ほんやく)のお遊び - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:植物の「蘭(らん)」については 7/4 英+理:「蘭(らん)」は日本一有名ですか? ~「蘭(らん)」と「アニメ」と「orchid(オーキッド)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「新型コロナウイルス」については 2/14 生+英他:「病気(びょうき)」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「デッサン」や「スケッチ」については 7/26 美+フラ他:「デッサン(dessin)」は「スケッチ(sketch)」で「ドローイング(drawing)」ですか? ~「素描(そびょう)」についての話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「蘭服」に由来があるとも言う「学ラン」については 3/17 生+国他:「学ラン」といえば「オランダ」ですか? ~「学ラン」と「蘭服(らんぷく)」と「和蘭陀(オランダ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:江戸時代の蘭学者「杉田玄白(すぎた・げんぱく)」については 11/9 国+英:「神経(しんけい)」は神の通り道ですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:江戸時代の蘭方医「宇田川玄真(うだがわ・げんしん)」や「緒方洪庵(おがた・こうあん)」については 6/3 英+理:「涙腺(るいせん)」からこぼれるのは「ラクリマ」ですか? ~「涙腺」と「lachrymal gland」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。