国語の話―。
色んな「鈍い」という語・表記についての話です。
風邪っぽいので簡単に。
前置き。
ちょっと風邪(かぜ)っぽくてだるい…、という所から思いついた話を。
※
さて、いきなりですみませんが、クイズです。
あなたは「鈍い」という字を読めるでしょうか?
…と、普段ならしばらく間を置くところですが、
ちょっとしんどいので簡単に。
まず「鈍い」の読みとしては、①「鈍い(にぶい)」がありますね。
刃物(はもの)が鋭くなかったり、あるいは感覚(かんかく)が鋭くない時に使う語です。
しかし読みはこれだけでなく、
②「鈍い(のろい)」というものもあったりします。
こちらは、速度(そくど)、スピードが遅(おそ)い*1ときに使う語ですね。
①・②はどちらもよく使われる語の印象です。
また漢和辞典によれば「鈍(どん)」の字に「おそ・い」というものもあったので、
③「鈍い(おそい)」という読みがありそうですね。
なので「あなたは『鈍い』を読めますか?」と聞かれたら、
今回調べた感じでは、
①「鈍い(にぶい)」
②「鈍い(のろい)」
③「鈍い(おそい)」
…の3つが、答えとして使えそうですね。
…ルビが無かったら、見分けるのが難しそうです。特に日本語を学んでいる途中の方には、大変そうですね…。
※
しかし「『鈍い』は『鈍い(にぶい)』に決まってるだろ!」と思っていると、
3つの「鈍い」があることに気づけていない人…
つまりそれこそ「鈍い(にぶい)」人、と思われてしまうかもですね。
ちょっと「とんち」っぽくて面白い気もします。
まあそれはジョークで、全部の読みを知っておく必要は無いかもですが。
でも例えば、学校の国語で習った新しい語は早めに覚えておくと、
テスト前に「こんなに覚えるの無理だよ…!」という事態は避けやすいので、
3つの「鈍い(にぶい、のろい、おそい)」は避けやすい…かも?
まあそんな感じで~。
追記
ところで、誰かに話をした時、
相手の理解が「鈍(にぶ)」くて「鈍(のろ)」いように見えても、
実は自分の方の説明が足りなくて、理解しにくかった…、ということもあるかもしれません。
(例えば今回で言うと、「鈍い」のルビがなくてどれか迷った…とかあるかもですね)
なのでその時は一応、自分の方が「鈍い」可能性も考えておくと、いいかもですね。
追記2
ところで恋愛系のマンガ・アニメとかだと、
誰かにモテているのに気づかない…つまり「鈍い(にぶい)」、
いわゆる「鈍感(どんかん)」系の主人公がいたりします。
そういう人は作品中でも「鈍い/ニブい」とか、
「あなたは『鈍い(にぶい)』人だね」と、
少し愛情(あいじょう)を込めて言われたりもしますが。
でも今回の「鈍い」の色んな読みを考えると。
「鈍い」という部分にルビが付いてなかったら、
「あなたは『鈍い(のろい)』人だね」とか「あなたは『鈍い(おそい)』人だね」とも読めてしまいそうですね。
…やたら悪口感が強まってしまってアレな感じもします。
◆用語集
・鈍い(にぶい):
ちなみに「鈍色(にびいろ)」という色もある。
・鈍い(のろい):
ちなみにゲーム『ポケットモンスター』シリーズには「のろい」という技があるのだが、これはゴーストタイプとそれ以外が使った場合で、効果が異なったりする。ゴーストタイプ以外が使うと素早さが下がるので、「鈍い(のろい)」意味が関わっていると見られているようだ。
・鈍い(おそい)【?】:
関連用語:「遅い(おそい)」、「サボタージュ(sabotage)」*2
・鈍感(どんかん):
*1:「遅い(おそい)」や、英語の「slow(スロー)」については 9/16 英語:実践!品詞/名詞とか形容詞・見分けゲーム - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「サボタージュ(sabotage)」については 11/23 フラ+国他:「サボる」ことは「壊す(こわす)」ことですか? ~「サボタージュ(sabotage)」についての話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。