生活+国語+理科の話ー。
「も、餅(もち)が勝手に動き出して鳥を…!」的なホラー話ではありません。
食べ物の「餅(もち)」*1と、
鳥(とり)を捕まえるための、ねばねばした「黐(もち)」の話を。
「鳥黐(とりもち)」などの語を参考にしつつ。
前置き。
まず普段「もち」というと、食べ物の「餅(もち)」のイメージが強い印象ですね。
これは米(特にもち米、餅米)などから作られていて、
(温めると)けっこう伸(の)びたりするものですね。
で、そんな風に「餅」が伸びるとは言え、
「もち」を使って「鳥(とり)」を「捕(つか)まえる」…、
…というイメージは、現代ではあまりなさそうですが。
しかし昔は、「もち」といえば「鳥を捕まえるもの」だったかもしれません。
というのも、「黐(もち)」という言葉があるらしいからですね。
国語辞典等によれば、
「黐(もち)」という語には植物の①「モチノキ(黐の木)」や、
また②「モチノキの皮(かわ)を煮(に)て作ったねばねばしたもの」という意味があるらしく。
特に②の「ねばねばしたもの」の意味については、「鳥などをとるのに使う」と書いてありました。
またこれの関連用語には「鳥黐(とりもち)」というものもありまして。
これは国語辞典では「小鳥・昆虫(こんちゅう)などを捕らえるのに使う」と解説されていました。
(ちなみに「黐(もち)」の語だけでも「鳥黐(とりもち)」を表したりできるようです)
さらにWikipediaによれば、
日本で「もち」といえば元々「鳥黐(とりもち)」のことで、
食べ物の「餅(もち)」は後からのもの…というような話が書かれていましたが。
でもこの辺りは手元の資料では確認できなかったので、一応(筆者的には)詳細は不明としておきます(要追加調査)。
ともあれその辺りを置いても、「黐(もち)」をよく使う昔の人にとっては、
「『もち(黐)』は『鳥(とり)』を『捕まえる』(ためのもの)!」という感じだったかもですが。
でも現代だと、やはり食べ物の「餅(もち)」のイメージが強いので、
「『餅(もち)』に『眠り薬(ねむりぐすり)』でも混ぜてたの…?」なんて誤解(ごかい)されそうですね。
※
ちなみに話は少しズレますが、
筆者は、昔から「鳥黐(とりもち)」のこと自体は、何となく知ってはいました。
でも、「鳥黐(とりもち)」について知ったのはマンガやゲームで、
しかもそこでは「とりもち/トリモチ」表記されていたので、
それ以上は(意味も由来も)考えてこなかった…という感じですね。反省です。
(何となく「ねばねばしてて、何かを捕まえるもの」とだけ思っていました)
まさか「鳥黐(とりもち)」という難しい表記だとは思いませんでした。
まあ、現在「鳥黐(とりもち)」表記を知っている必要は薄いかもですが。
でもどこかで「もち」という言葉を聞いたら、
「『餅(もち)』か『黐(もち)』か、どっちだ…?」と思ってみると、
ちょっと「漢字を知ってる感」が出て、楽しいかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集
・黐(もち):
関連用語:「膠(にかわ)」*2、「セメント」、「アスファルト」、「コンクリート」
似てる語:「餅(もち)」【食品】
・鳥黐(とりもち)/トリモチ:
関連ゲーム:『アストロノーカ』*3
*1:「餅(もち)」については 5/30 生+英:「お餅(おもち)」はケーキですか? ――はい、「ちくわ」もケーキです - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「膠(にかわ)」や「セメント」、「アスファルト」、「コンクリート」については 7/5 英語:「土嚢(どのう)」 is 「サンドバッグ」!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:とりもちが出てきた昔のゲーム『アストロノーカ』については 4/12 理科:細胞の話メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。