ゲームの話ー。タイトルは8割ギャグです。
TRPG*1というゲームのシナリオ案『引き換え犬(ひきかえけん)』の話です。
『クトゥルフ神話TRPG』っぽいシナリオを思いついたので載せておこうと。
(クトゥルフ神話の生物そのものは出てきません。単なるホラーです)
システムは以前紹介した「簡単TRPG」の感じです。
※以下はゲームの話であり、勉強には特に関係ありません
※ホラー的な要素を含みます
※名前がギャグなのでどこかにすでにあるかもしれません。あったらごめんなさい。
☆シナリオ名:『引き換え犬(ひきかえけん)』
【必要人数】
2人(ゲーム進行役【GM】と、プレイヤー)
:1人はゲーム進行役であるゲームマスター(GM)となる。
【使用道具】
・筆記用具と紙
・六面体サイコロ
【使用数値】
・「体力」、「知力」、「SAN値」
【はじめに】
まずプレイヤーの分身であるキャラクターを作る。
これは「プレイヤーキャラクター」というが、長いので以下「PC」。
最初にプレイヤーは6ポイントを持っている。
それを「体力」と「知力」に、好きな数字分振り分ける。
例えば「体力4/知力2」や「体力3/知力3」など。
能力値の数字の使い方は以下の「判定」を参考に。
また最初の「SAN値」は「4」とする。(「3」でもいいがちょっときつくなる)
【判定】
ゲーム中、何か行動する時、「判定(はんてい)」を行う。
体力、知力、SAN値など関係する能力でサイコロを振り、出た目が自分の能力値以下だったら成功。
例:体力判定するとき、体力が「4」なら、サイコロの目が4以下なら成功。5以上なら失敗。
自分の体力が「3」なら、3以下が成功で4以上が失敗になる。
【SAN値判定】
SAN値で判定する場合は、常に現在の値で判定する。
例えば最初は4でも、1減って3になったなら次から3で判定すること。
つまりどんどん成功しにくくなる。
もしこれがプレイヤーにストレスすぎる場合、なにかSAN値を回復する方法を作ってもいい。
NPCなどとの会話、または精神が落ち着くような行動など。
ただし無制限に行えると緊張感が弱まるので注意。
【シナリオ的な準備/GM側の準備】
・PCと仲のいい「NPC」を一人設定する。
つまりはヒロイン的なもの。性別は自由。
これはプレイヤーにも教えること。
名前を考えるのが面倒なら、男性NPCは「ヤマダ・トシキ」
女性NPCは「サトウ・カナコ」としてもよい。
・舞台となる街には、怪談*2や都市伝説が多いことにする。
サクッと終わらせたい場合は「人の顔をした犬」(人面犬)の目撃情報があることまで説明していい。
<シナリオ本編>
【スタート】
※プレイヤーが本格的に調査し始めるまでは、テンポ重視で進めること。
最初の一日は、NPCがPCに対して「引き換え犬」の存在を教える。
「ねえPC。噂なんだけど、『引き換え犬』って知ってる?」
「よく知らないんだけど、なんか、何かと引き換えに願いをかなえてくれるらしいよ」
この時はなんとなくの話で終わる。
もしプレイ時間があるならNPCに「私だったら、○○を頼むかな…」ということを言わせてもいい。
【変化する日常】
だが日が進むにつれてNPCがだんだんとお金を手に入れたり、才能を手に入れたりしていく。
いわゆる「幸せ」っぽいことになっている。
例えば貧乏っぽい家がいきなり豪邸になっていたり、
勉強ができなかったのが、頭がとてもよくなったりしている。
ただし、それと「引き換え」に何か大切なものを失っている。
例えば優しさや家族、その人らしさ、大事にしていたもの、思い出など。
ある物が欠けてしまうことで、その人の人格は変わっていく。
基本的には物や金には恵まれるが、心が貧しくなっていく。
そしてどんどん態度に余裕がなくなっていく。
GMは事態の異常性や、前日からいきなり「欠けた」ものについて説明すること。
プレイヤーからアクションが無ければ、どんどん日数を経過させていくこと。
そのたびに、NPCは何かを得て、何かを失っていく。
【自覚なし】
PCが変わったことの異常性について尋ねると、NPCは不思議がってこう言う。
「え?最初からこうだったでしょ?」
NPCは自分で欠けたものに気づいていない。
また「引き換え犬」に会ったかと言われても、否定する。(その記憶を忘れているため)
異常な事態に気づいたPCは「SAN値」判定。失敗すると現在のSAN値を1減らす。
この後などに、知力か体力で判定。
成功すると道の向こうに消えていく、犬の影が見える。
失敗しても何者かの視線を感じたことは教えていい。
もしNPCが変わっていくのをPCが放置するようなら、
やがてNPC自身がどこかへ行ってしまう。
SAN値を1減らすこと。そしてPCの目の前に『引き換え犬』が現れる。
シーン【『引き換え犬』との遭遇】へ移る。
【犬の追跡】
ここからは事態を調査したり、「犬」を追いかけることになる。
主に方法は二つ。
・体力ルート:とにかく犬を追いかける。
体力で判定。成功すると犬が待つ空き地にたどり着く。
失敗したら見失い、翌日へ。
・知力ルート:噂について調べる。
方法は図書館の怪談本を読むとか、聞き込みなど。
成功すれば、「引き換え犬」がどうやら空き地近辺に出没するらしいことを知る。
失敗したらいい情報が集まらず、翌日へ。
どちらか成功すれば、「引き換え犬」に会える。
シーン【『引き換え犬』との遭遇】へと移ること。
【『引き換え犬』との遭遇】
空き地(またはPCの目の前に来た)で『引き換え犬』とのシーン。
『引き換え犬』は犬に人間を混ぜたような、醜い顔で笑っている。
その姿を見たことでSAN値判定。失敗するとSAN値が1減る。
『引き換え犬』は次のようなことを言う。
「よう、お前も幸せになりたいのか?」
「願いを叶えてやってもいいが、何かを『引き換え』にしてもらおうか」
「俺は(NPC)の望みを叶えてやってるんだぜ!責められる覚えはないなあ」
「ほら、ここにちゃんと『契約書』だってあるぜ!(腹ベルトに契約書が挟まっている)」
「これがある限り、契約は有効なんだ…」
(NPCが消えていた場合)「あ~あ、(NPC)を放っておくなんて、お前もひどい奴だな!」
会話をしているうちに、知力か体力で判定。
『引き換え犬』の声を聴くと頭がぼんやりしてくることに気づく。
成功なら「催眠術」のようなものを使っていること、そしてこれで人を操っていることに気付ける。
失敗でも、『引き換え犬』は嘘、あるいは自分に都合のいいことを言っていることに気付ける。
【戦闘など】
NPCを救いたければ、契約書を手に入れて破る必要がある。
だが頼んでも『引き換え犬』は譲ってはくれない。
基本的には「戦闘」になるだろう。
その場合、「引き換え犬」はHPは2点。
契約書を奪おうとするか、ダメージを与えようとする行動でこのポイントを減らすことができる。
プレイヤーは体力か知力、好きな方で判定を行うことができる。
ただし、その能力を使うような行動を考えてもらうこと。
PCが1度行動すると、『引き換え犬』も1度行動する。
行動としては2パターン。
・奇声を上げて体当たり:プレイヤーは体力で判定、失敗したらSAN値が1減る。
・催眠術を使う:プレイヤーは知力で判定、失敗したらSAN値が1減る。
PCのSAN値に余裕があるなら、PCの苦手な能力→得意な能力→苦手(略)の順で、
PCのSAN値に余裕がないなら、PCの得意な能力→苦手な能力→得意(略)の順で行う。
『引き換え犬』のHPを0にできたら勝利。
その前にPCのSAN値が0になったらゲームオーバー。【エンディング】へ移る。
勝てば「契約書」を奪い、破ることができる。
『引き換え犬』は「や、やめろォー!」などと叫び、契約書と一緒に光になって消える。
失われたものは戻ってくる。
ただし、「引き換え」によって得た「いいこと」も戻る。
もし、『引き換え犬』と新しく契約を交わすなら、戦闘を行わないこともできる。
その場合は『引き換え犬』は協力的になる。
NPCを救ったり、以前の状態に戻すこともできるだろう。
ただしPCは何か一つ大事なものを失う。
もし何かいいことをプラスするなら、それだけ多くのものを失うことになる。
【エンディング】
①『引き換え犬』を倒した場合
家に帰ると、NPCやその周りは元に戻っている。
NPCはこの何日かのことを覚えていない、としてもいいし、
覚えていて、PCに謝罪するということでもいい。
なんとなく怖い夢の中でPCに助けられた、ということを言わせてもいい。
なんにせよ、以前の日常(あるいは、少し賢くなった日常)が戻ってくる。
PCの活躍をたたえてシナリオ終了。
②『引き換え犬』と新しく契約を結んだ場合
その契約の内容に従ったシーンになる。
契約の記憶があるかどうかは、プレイヤーと相談して決める。
契約による変化を眺めて、満足するPC。
だが代わりに大事な何かを失っている。
その後ろから『引き換え犬』が邪悪にささやく(あるいは独り言を言う)。
「ご利用ありがとうございました。またの『引き換え』をお待ちしております」
今後、ことあるごとに「引き換え」を要求してくるだろう、ということをにおわせて終了。
③ゲームオーバー
もし途中でSAN値が0になった場合はこのエンディング。
PCは気絶し、自宅で目を覚ます。
だがNPCは完全に消え、他の誰もその存在を覚えていない。
そして自分の大事なものも1つ無くなっている。
その町からは『引き換え犬』の噂は消えている。
だがしばらくすると隣町に『引き換え犬』がいるという噂が流れてくる。
復讐するにせよしないにせよ、PCに何かセリフや気持ちを言ってもらってシナリオ終了。
*1:「TRPG(ティーアールピージー)」については 3/14 こころの話:人生(じんせい)/君と道を行くRPG - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「怪談(かいだん)」については 7/18 国+ゲーム:3行でホラーを作るゲーム!? ~「3行ホラーメイカー」!~ - のっぽさんの勉強メモを参照。