歴史の話ー。
色んな歴史的人物が関わっている、
中国*1の都市「西安(シーアン)」の話です。
前置き。
筆者は半藤一利(はんどう・かずとし)さんという方の『昭和史 1926-1945』という本を読んでいたのですが、
その中で中国の「西安(シーアン)」という場所で色んな事があったということが書いてあり。
気になって調べてみました。
(そのため以下では上記の『昭和史 1926-1945』を起点と参考にしつつも、Wikipediaなどで調べたものをメモしています。
詳細は上記の文献などを参照ください)
まず「西安(シーアン)」というのは、現在の中国(中華人民共和国)の「陝西省(せんせいしょう、シャンシーしょう?)」の省都(しょうと)ですね。
規模は違いますが日本の「県庁所在地(けんちょうしょざいち)」のような感じ、と考えるとわかりやすいかもです。
で、この「西安(シーアン)」は昔の名前を「長安(ちょうあん)」といいまして、
Wikipediaによれば中国大陸の国である、「前漢(ぜんかん)」、「北周(ほくしゅう)」、「隋(ずい)」*2、「唐(とう)」などの首都であったと。
シルクロード*3の起点となる都市ともされているようですし、
あと日本の「平城京(へいじょうきょう)」や「平安京(へいあんきょう)」はこの都市をモデルにしたと言われています。
そして、この長安の前の名前は、「豊邑(ほうゆう)」というものだったそうで。
「周(しゅう)」の「文王(ぶんおう)」の時代では都だったところだそうです。
ちなみにこの「文王」の子が「武王(ぶおう)」*4であり、「殷(いん)」の国を滅ぼした人物であったりします。
当ブログでも紹介した、軍師「太公望(たいこうぼう)」の補佐を受けたという人物でもあります、
つまり名前の流れとしては
「豊邑(ほうゆう)」→「長安(ちょうあん)」→「西安(シーアン)」
みたいな感じですね。
まあこれだけでも歴史的に重要なのですが、さらに色々起こっています。
(以下では「長安」と「西安」時代がごっちゃになってます。ご容赦を)
例えば『西遊記(さいゆうき)』*5でも有名な「玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)」が経典を治めたお寺「大慈恩寺(だいじおんじ)」があったり、
玄宗(げんそう)皇帝*6が「楊貴妃(ようきひ)」のために作った温泉地*7「華清池」があったり(※作られた離宮(りきゅう)の名前は「華清宮(かせいきゅう)」)、
1900年には有名な「西太后(せいたいごう)」という方が西安に避難して来ていたり、
あと日中戦争のときに中国の色んな軍が協力するきっかけになった「西安事件(シーアンじけん)」が起きたりしています。
まあ首都なので、いろんな人が来ると言えば来るのかもしれませんが、それにしても色々起きていますね。
世界史を学ぶときには、外国の土地の名前も覚える必要があったりします。
言葉が違うこともあり、ちょっと覚えにくかったりしますが、
この「西安」のように、色んなことが起こっている都市は良いきっかけになるかもしれません。
ここを押さえておけば、色んな事に繋がるわけですし。
(もちろん「日中戦争」などからまっすぐ覚えてもいいのですが、他にも色々道はあるということですね)
勉強というと、つい「教科書」を読むイメージがありますが。
現在の西安は観光地*8としても有名ですし、
たまにはガイドブックを見ながら勉強…というのもいいかも?
まあそんな感じで~。
関連地名:「イスタンブール」*9(やはり名前が何度も変わっている都市として)
◆用語集
・陝西省(せんせいしょう、シャンシー省):
中国のほぼ中央部に位置する省(しょう)。
省内を「黄河(こうが)」が流れている。
Wikipediaによれば北部は「内蒙古(モンゴル)自治区」と接し、東部は、山西省・河南省、西部は「寧夏回族自治区(ねいかかいぞくじちく)」・「甘粛省(かんしゅくしょう)」*10、南部は四川省*11・重慶市、東南部は「湖北省(こほくしょう)」と接しているとのこと。
・文王(ぶんおう):
関連人名:「武王(ぶおう)」、「太公望(たいこうぼう)」
・西太后(せいたいこう、せいたいごう):1835-1908。
「清(しん)」の第9代皇帝「咸豊帝(かんぽうてい)」の「側妃(そくひ)」、つまり妃(きさき)、奥さんの一人。
「咸豊帝(かんぽうてい)」が亡くなってから権力を握ったとされる。
・側妃(そくひ):
この場合は、「後宮(こうきゅう)」*12などに入る妃(きさき)、女性のこと。
奥さんがいっぱいいる場合、第1夫人は「正室(せいしつ)」、第2夫人からは「側室(そくしつ)」といわれたりする。
・西安事件(せいあんじけん、シーアンじけん)
Wikipediaによれば、1936年(民国25年)12月12日に、中華民国(ちゅうかみんこく)「西安」で起きた、「張学良(ちょう・がくりょう)」・「楊虎城(よう・こじょう)」らによる「蒋介石(しょうかいせき)」拉致監禁事件。
この事件をきっかけに、日本への抗戦体制や、「国共合作(こっきょうがっさく)」、つまり「中国国民党(ちゅうごくこくみんとう)」と「中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)」が本格化したとされる。
・張学良(ちょう・がくりょう):1901- 2001。
中華民国の軍人・政治家。上記の「西安事件(せいあんじけん)」を起こした人物の一人。
日本の関東軍(かんとうぐん)に爆殺された「張作霖(ちょう・さくりん)」の息子。
ちなみにネット上には『張学良: 西安事件』というウォーゲーム(ボードゲーム)もあった。
・張作霖(ちょう・さくりん):1875年-1928。
中華民国初期の政治家、軍閥の一つのリーダー。
上記の「張学良(ちょう・がくりょう)」の父親。
すごいざっくり言うと当時の中国は色んな場所にそれぞれ「軍閥(ぐんばつ)」ができていて、そのうちの一人。
一時期日本のバックアップを受けていたが、最後には日本の関東軍(かんとうぐん)に爆殺されたという。
これを「張作霖爆殺事件(ちょうさくりんばくさつじけん)」という。
Wikipediaによれば最初のころは「馬賊(ばぞく)」、馬による盗賊をやっていたようだ。
ちなみにマンガ『蒼天の拳』に出ていたりもするようだ。
・関東軍(かんとうぐん):
昔の日本の軍隊の中でも、中国大陸に渡って「満州(まんしゅう)」を統治していた軍。
*1:「中国(ちゅうごく)」については 12/16 英語:中国はなんで「China(チャイナ)」って言うの? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「隋(ずい)」については 2/21 学習:手持ちの本をつなげるゲーム! ~ブックリンカ―~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「シルクロード」については 9/22 社会:貿易メモ2/「広告(こうこく)」・「レアリティ」・「距離(きょり)」 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「武王(ぶおう)」については 1/15 歴史:「軍師(ぐんし)」か、はたまた「仙人(せんにん)」か!? ~人物「太公望(たいこうぼう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:『西遊記(さいゆうき)』や「玄奘(げんじょう)」、「三蔵法師(さんぞうほうし)」については 5/9 歴+国:「孫悟空(そんごくう)」はどんどん変身する!? ~『西遊記(さいゆうき)』と『ドラゴンボール』~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「玄宗(げんそう)」皇帝や「楊貴妃(ようきひ)」については 3/3 歴史:有名人いっぱい映画! ~『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』メモ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「温泉(おんせん)」については 12/23 英+社:色んな「バース」の話! ~「誕生(birth)」、「温泉の町(Bath)」、あと「野球選手(Bass)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「観光地(かんこうち)」については 4/22 英語:旅行先での運命の出会い!? ~デスティネーションとデスティニー~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「イスタンブール」については 4/7 歴史:イスタンブールはビザンティオンですか? ~はい、コンスタンティノープルです~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:中国の「甘粛省(かんしゅくしょう)」については 7/4 英+理:「蘭(らん)」は日本一有名ですか? ~「蘭(らん)」と「アニメ」と「orchid(オーキッド)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:中国の「四川省(しせんしょう)」については 9/25 理科:「笹(ささ)」と「パンダ」と「パンダケーキ」! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:「後宮(こうきゅう)」については 4/18 歴史:奥さんが多くて争いが起きる!? ~「後宮(こうきゅう)」や「四夫人(しふじん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。