数学の話ー。
数学の「最小公倍数(さいしょうこうばいすう)」*1や「最大公約数(さいだいこうやくすう)」の逆の
「最大公倍数(さいだいこうばいすう)」や「最小公約数(さいしょうこうやくすう)」はあるのか?というのを考えてみる話です。
一応(自分にとって変わってて面白いという意味で)「変な数学」シリーズです。
前置き。
まずは下敷きとなる、しばらく「倍数(ばいすう)」などの話を①で。
分かってるぜ!という方は下の方の「②」から読んで大丈夫です。
①まずは倍数(ばいすう)とかのおさらい
小中学校の数学などでは「倍数(ばいすう)」や「約数(やくすう)」といったものを習うかと思います。
「倍数(ばいすう)」はある数を2倍とか3倍とかにしていった数のことで、
(例:6の倍数は6、12、18、24など)
「約数(やくすう)」はある数を綺麗に割りきれる整数(せいすう)のことですね。
(例:6の約数は1、2、3、6)
倍数・約数のどちらも「整数(せいすう)」、つまりキッチリした数なので、小数や分数などは入りません。
※なお、「負の約数」、つまりマイナスの数(「-1」など)なども含むみたいなのですが、今回は分かりやすくするために主に「プラスの整数」で考えています。すみません。
で、2つ以上の数についての倍数や約数をそれぞれ「公倍数(こうばいすう)」や「公約数(こうやくすう)」といいます。
例えば、「2と3の公倍数」は、2・3どちらにも共通する「倍数」なので、
「6」や「12」、「18」ということになります。
で、「2と6の公約数」は、2・6どちらもきれいに割れる数なので、
「1」や「2」となるわけですね。
で、それぞれのうち、
最も小さい公倍数を「最小公倍数(さいしょうこうばいすう)」と言い、
(例:2と3の公倍数は6、12,18…なので最も小さいのは「6」。
なのて、2と3の最小公倍数は6)
最も大きい公約数を「最大公約数(さいだいこうやくすう)」と言います。
(例:6と2の公約数は2、1。なので最も大きいのは2。
なので、6と2の最大公約数は2)
何でこんなことを考えなければならないか?というと、
主にグループにものを配る時に役に立ったりします。
例えば「6個入りのお菓子A」と「10個入りのお菓子B」があって、両方の数をきっちり揃えておきたいとしましょう。
そこで「6×10=60か…」と思って、それぞれ「60個」になるよう買っておいてもいいのですが。
「最小公倍数」の考え方を使えば、「30個」が6と10の最小公倍数だとわかりますので、
それぞれ「30個」になるようにお菓子を買えばいいとわかります。買う量を半分に減らせましたね。
(すみませんが「最大公約数」のネタは思いつかなかったのでまた今度)
②「最大公倍数」や「最小公約数」について考えてみる話
で、「最小公倍数」や「最大公約数」といった言葉はまだ聞きなれているかもしれませんが、
ではそれぞれの逆の「最大公倍数(さいだいこうばいすう)」や「最小公約数(さいしょうこうやくすう)」といったものはあるのか?
というのをちょっと考えてみました。
(ネット上の資料などは見ずに、まずは自分でもにょもにょ考えてみました。その後に調べて「負の約数」のあたりを知った感じです)
A、「最大公倍数(さいだいこうばいすう)」について
これはぶっちゃけ決められないと思われます。
というのも、数は上の方には「無限(むげん)」に増えていくので、
「2と3の公倍数で最大のものは何か?」と考えたときにも、
「6、12、18、14…(略)…600000…(略)…60兆…」みたいな感じでずっと続けてられてしまいます。
ただ、数が変化する範囲が決まっていれば話は別です。
数学で習う「変域(へんいき)」というやつですね。
無限に増える中で「最大公倍数」は決められませんが、
例えば「100までの間で、2と3の公倍数で最大のものは何か?」と考えることはできます。
この場合は「96」とかになるのではないかと。
なので、「何もなしに最大公倍数は決められないが、範囲を決めれば決められる」みたいなのが答えではないかと思います。
ちなみに「マイナスの倍数」を考えれば「マイナスの公倍数」などもありえるでしょうが、
マイナスのまま絶対値が大きくなると、数的には「小さく」なっていくので(「-60億」とかはすごい小さい数扱い)、
「最大公倍数」の範囲にはあまり入ってこないかと思われます。
B、「最小公約数(さいしょうこうやくすう)」について
では、「最小公約数」の場合はどうか?「最大公倍数」のように、こちらもまずは無限に続くのか?
と思わせて、実はこちらの答えはシンプルに「1」ではないかと思われます。
(※マイナスの数については後述)
何故かというと、「約数」という物の条件が「整数(せいすう)」であることなんですね。
つまり「0.1」などの小数や「1/2」などの分数ではダメってことです。
すると最小の整数であり、色んな数の約数になれる、「1」が答えになる…ということではないかと思います。
ちなみにもし分数や少数もアリなら、たぶん割り算は無限に続けられるので、
「最小公約数」も1つには決まらなかったと思われ余す。
あと冒頭で書いたように「マイナス」を範囲に含めるならば、約数には「ー1」などの負の整数が入ってきますので、
例えば「2と6の最小公約数」は (負の整数も含めれば)「-2」ということになるかもしれません。
感覚的にはまず普通の公倍数とかを出して、それの符号を変える感じですかね。
ただ約数などの条件の、「数を綺麗に割り切れる」という時に、「答えの符号を変えないまま」という、暗黙の条件がある場合は、
マイナスの数が最小公約数というのは、「数学的にはあっているけれど不適切」ということになるかもしれません。
(例えば日常で物を分け合う時に「約数」などと言った時には、多分答えにマイナスは入ってこないですね)
まあそれは数自体の問題というよりも、むしろ「最大公倍数」で書いた「変域(へんいき)」などの範囲決めの問題かもしれません。
色々ややこしいですが、なかなか興味深いです。
※ ※ ※
…みたいな感じですね。
まあ「何に役に立つのか?」と聞かれると難しいですが、たまに色々考えてみるのも面白いです。
特に教科書で習うようなことの「逆」を考えてみるのは面白いですね。
数学の教科書に載ってる「公式」や「定理」はきっちりしていて、
まるで世界の初めから存在していたようにも思えますが、
それは誰かが計算したものであり、言ってみれば無数の試行錯誤が裏にあります。
成功の裏には、もっといっぱいの失敗や誤解があった、って感じですね。
中には見当違いな考えもいっぱいあったかもですが、それによって深まった所もあるかもしれません。
そう考えるといろんな考えややり取り、挑戦(ちょうせん)は、そうそう無駄ではないかもしれません。
なので。
もしあなたが勉強で、教科書とはちょっと違う何かが気になったとしたら。
それをすぐに「無駄だ」と思わず、ちょっと考えたりしてみると、
意外と面白い発見や、理解につながるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
*1:「倍数(ばいすう)」や「約数(やくすう)」」、「最小公倍数(さいしょうこうばいすう)」、「最大公約数(さいだいこうやくすう)」については 12/22 数+英:約分(やくぶん)/奴の名はディバイザー! - のっぽさんの勉強メモ を参照。