理科+英語の話ー。
本日は「敬老の日」ですが、いいネタが思い浮かばなかったのでとりあえず違う話を。
植物(しょくぶつ)*1の一種である「蒲(がま)」と、
その英訳の「cattail(キャットテイル)」、「reed mace(リード・メイス)」などの話です。
前置き。
昨日「接近戦(せっきんせん)」*2や「白兵戦(はくへいせん)」などの話を書いていて、
以前見つけた、植物の「がま(蒲)」の英訳を思い出したのでその話を。
※
改めて「蒲(がま)」というと、先が黒くて棒のようになった植物ですね。
茎(くき)*3の部分などは細いのですが、穂(ほ)*4の部分はまとまっています。
Wikipediaでは「ソーセ-ジ」のようだと書かれていましたが、個人的には「ふがし」とか『うまい棒』みたいな感じもしますね。
そんな「蒲」の英訳ですが、手元の辞典では「cattail(キャットテイル)」や「reed mace(リード・メイス)」となっておりました。
順々に見ていくと
「cat(キャット)」は「猫(ねこ)」*5、「tail(テイル)」は「尻尾(しっぽ)」*6ですね。
なので「cattail」は「猫の尻尾」みたいな意味になります。かわいいですね。
一方で「reed(リード)」は植物の「葦(あし)」*7、「mace(メイス)」は武器*8の一種「鎚鉾(つちほこ)」を表します。
「鎚鉾(つちほこ)」とは鈍器(どんき)の一種で、敵を叩くための武器ですね。主に接近戦(せっきんせん)などで使ったりします。
ゲームでは「メイス」という名前で出ていることが多いかもしれません。
なので「reed mace」は「葦のメイス」みたいな意味になります。こちらは強そうですね。
つまりまとめると、「蒲」は「尻尾」で「メイス」である、と言えるかもしれません。
多分「蒲(がま)」の先のふくらんだ部分に対して、
それぞれ違う人が「尻尾っぽい!」とか「メイスっぽい」と思ったのだろうと思いますが…。
それにしても、雰囲気の違う名前がつけられたものですね。
「cattail」と「reed mace」、あなたはどちらがお好きでしょうか?
もしくは、また違う名前がいいでしょうか?
みんなが使ってくれるかは分かりませんが、自分でまた新しい名前を考えてみる…、というのもいいかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「がま」という音に関しては他の言葉もあります。
例えば「ガマガエル」というカエルもいますが、こちらは漢字で書くと「蝦蟇蛙(がまがえる)」なのでまた違う言葉ですね。
また沖縄の洞窟(どうくつ)や鍾乳洞(しょうにゅうどう)*9のことを「ガマ」というそうです。
追記2
ちなみに愛知県には「蒲郡市(がまごおりし)」という市もあるようです。
濁点が多くて強そうな名前ですね。
あとなんかポケモンっぽいと思ったら、それはポケモン「オニゴーリ」をイメージしていたからでした。ちょっと名前違いますね。
◆用語集 (※人名等、敬称略)
・蒲(がま):
Wikipediaによれば「ガマ科ガマ属」の多年草(たねんそう)の抽水植物(ゆすいしょくぶつ)。
英語では「cattail(キャットテイル)」や「reed mace(リード・メイス)」。
Wikipediaによれば止血(しけつ)作用があるらしく、『古事記』や童話の『因幡の白兎』*10の話で「オオナムチ/のちのオオクニヌシ(大国主)*11」が傷ついた兎に対し、蒲の穂の上に転がる方法を教えているのはこのためと思われる。
また穂の部分を火打石(ひうちいし)の「ほくち」として使うこともあったらしい。
ちなみにWikipediaによれば「蒲の穂」という言葉は「かまぼこ(蒲鉾)」の語源らしい。ただ当時でいう「かまぼこ」は今でいう「ちくわ(竹輪)」*12のようだが。
蒲の穂のフワッとした部分は、スポーツチャンバラなどのスポンジ竹刀や、テレビ撮影などで使う「収音マイク」の先に似ていなくもない。
関連用語:「蒲焼き(かばやき)」*13、「タンポポ(蒲公英)」*14
関連人名:「蒲生氏郷(がもう・うじさと)」*15
・メイス/鎚鉾(つちほこ):
・鈍器(どんき):
Wikipediaによれば、刃(は)*16はないが重みのある器具。
例えば「金槌(かなづち)」や「ハンマー」など。
だが昔の武器には「モーニングスター」という、棍棒(こんぼう)の先に刃を付けたようなものもあった。
どうもキリスト教系の聖職者は昔、刃のついた武器を使ってはいけなかったらしいが、一方で凶悪な鈍器はいっぱい存在したりする。
RPGなどのゲームでも「プリースト」などの聖職者系ジョブが、剣は装備できないのに鈍器は装備できたりするのは、このためと思われる。
「鈍器ならいいの?」と思わなくもないが、一方で日本の僧兵(そうへい)は薙刀(なぎなた)*17とか振っていたようなので、何とも言えない。
関連武器:「ブラックジャック」*18
関連用語:「衝撃(しょうげき)」*19、「杵(きね)」*20
・ガマ【沖縄の洞窟・鍾乳洞】:
*1:「植物(しょくぶつ)」については 5/15 理+英:食物連鎖(しょくもつれんさ)/植物(しょくぶつ)さんはプロデューサーだった!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「接近戦(せっきんせん)」や「白兵戦(はくへいせん)」については 9/15 英+国:「近接未来(きんせつみらい)」の調べメモ ~あと「近接戦闘(きんせつせんとう)」とかの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「茎(くき)」については 8/10 英語:「植物(しょくぶつ)」に関する英語7つ! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:植物の「穂(ほ)」については 9/17 理+英他:揺れる「稲穂(いなほ)」は「ケモミミ」ですか? ~「稲穂」と「ear」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「猫(ねこ)」については 4/17 国+理:「猫(ねこ)」と「すこ」と「スコティッシュフォールド」の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「尻尾(しっぽ)」については 1/9 英語:素材(そざい)/生物(せいぶつ)系あれこれ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「葦(あし)」や「reed(リード)」については 9/16 理+英:「蒲(がま)」は「尻尾(しっぽ)」で「メイス」ですか? ~「cattail」と「reed mace」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「武器(ぶき)」や「ハンマー」、「鎚(つち)」については 2/1 英語:英語マシーン2/我が手に来たれ、英語の剣! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「鍾乳洞(しょうにゅうどう)」については 12/3 理+国他:「タケノコ(筍)」は「竹(たけ)」になりませんか? ~「石筍(せきじゅん)」と、植物の「石竹(せきちく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」については 11/10 国+理:「サメ」は「ワニ」で「フカ」ですか? ~「鮫(さめ)」と「鰐(わに)」などの話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:日本神話の神様「オオクニヌシ(大国主)」については 5/10 社会:全国の神様大集合!? ~「護衛艦いずも」と「出雲国(いずものくに)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:食べ物の「竹輪(ちくわ)」については 5/30 生+英:「お餅(おもち)」はケーキですか? ――はい、「ちくわ」もケーキです - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:由来が「蒲の穂」だという説もある、調理法の「蒲焼き(かばやき)」については 7/21 生+国他:「蒲焼き(かばやき)」は「かまぼこ」で「ちくわ」ですか? ~うなぎの「蒲焼き」と「蒲(がま)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「蒲公英」とも呼ばれる草花の「タンポポ」については 4/11 理+英他:「タンポポ」は「ライオンの牙(きば)」ですか? ~「dandelion(ダンデライオン)」と「dent-de-lion(ダン=ド=リオン )」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:日本の戦国時代辺りの武将「蒲生氏郷(がもう・うじさと)」については 1/27 歴史:「利休七哲(りきゅうしちてつ)」についてメモ ~千利休の弟子たち~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*16:「刃(は)」については 9/24 生+英:「カッターナイフ」は(英語で)「カッター」ではない!? ~「和製英語」と「英語」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*17:「薙刀(なぎなた)」や「ハルバード」については 3/28 歴史:向こうで薙刀(なぎなた)を振っている彼女は、巫女(みこ)さんですか? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*18:棍棒の一種「ブラックジャック」については 4/29 英語:ブラックジャックと「浦島ジャック」!? ~「ジャック」と「太郎」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*19:「衝撃(しょうげき)」については 1/6 理科:圧力(あつりょく)/点・線・面と、物理攻撃の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*20:「杵(きね)」については 1/17 生+国他:「もちつき」を漢字(かんじ)で書けますか? ~「もちつき」の2つの書き方の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。