生活+国語+歴史の話ー。
シュールなタイトルですが、暑さでやられたわけではありません。
今日は「土用の丑の日(どようのうしのひ)」ということで、
うなぎ(鰻)などで有名な「蒲焼き(かばやき)」、
またその由来に関わっていそうな「蒲(がま)」*1や「かまぼこ(蒲鉾)」*2、「ちくわ(竹輪)」の話を。
※ちょっと過去記事の内容も使っているので、ある意味続編っぽくなっております
前置き。
「今日はうなぎの蒲焼きでも食べたいな…」なんて考えていると、
そもそも「蒲焼きって何だ?」と気になってきたので調べてみました。
※
まず「蒲焼き(かばやき)」というと、食材の調理法の一つですね。
醤油(しょうゆ)やみりん*3、砂糖などを使った、甘辛い感じの味付けです。
特に「うなぎの蒲焼き」が有名ですが、サンマや鳥肉(とりにく)などのものもありますね。
ちなみに今の「うなぎの蒲焼き」というと、うなぎの身は開かれてますが、
Wikipediaによれば昔はうなぎを捌(さば)かず、串(くし)を刺してそのまま焼いたりしていたようです。
いわば「丸焼き」なので、なかなか豪快な感じですね。
では、なぜそもそも「蒲焼き」と言うのか?というと、いくつか説があるようです。
例えばWikipediaによれば、
①植物*4の「蒲(がま)の穂(ほ)*5」に似ている
②形や色が植物の「樺の木(かばのき)の皮」に似ている
などの説がありました。
詳細は不明ですが、それぞれ説明を読んでいると
①「蒲の穂」に似ているのは、昔の「まるごとうなぎ蒲焼き」で、
②「樺の木(かばのき)の皮」」に似ているのは、今の形に近い「捌かれた蒲焼き」
という感じも受けますね。まあこれらは仮説なので要追加調査ですが。
加えて、手元の国語辞典では「蒲焼き」の由来について、
③「今の焼き方の前は、形が昔のかまぼこ(蒲鉾)に似ていたから」
という説も載っていました。
「今の焼き方の前」とあるので、多分昔の「まるごと蒲焼き」の方の話ですね。
ただ当ブログの過去記事でも書いたように、
・「蒲の穂」という言葉は「かまぼこ(蒲鉾)」の語源らしい
・当時でいう「かまぼこ」は今でいう「ちくわ(竹輪)」のようだ
という話もあったりします。
なのでこの(昔の)「蒲焼き」が似ているのは(今の)「ちくわ」の方、と言えるかもしれません。
(また「蒲の穂」→「かまぼこ(ちくわ)」→「蒲焼き」だとすると、ある意味①の「蒲の穂」→「蒲焼き」説にかぶっている感じですね)
なのでこの説で行くと、
「(昔の)蒲焼き(の形)=(昔の)かまぼこ(蒲鉾)=ちくわ」なんて風に言えるかもしれませんね。
今の「蒲焼き」と「かまぼこ」等はだいぶ違うので、なかなかシュールで面白い感じがします。
※
まあ由来の詳細は不明ですが、それでも蒲焼きは美味しく食べられますね。
この「土用の丑の日にうなぎを食べて、夏を乗り切る」という話は
あくまで昔のキャンペーンとか、現代では意味がないという説もあるようですが。
とりあえずWikipediaによれば、日本では新石器時代(しんせっきじだい)からうなぎを食べていたりとか、
713年の『風土記(ふどき)』にはすでに「うなぎで夏痩せ(なつやせ)対策」みたいな話が載っていたりするようです。
うなぎを食べる習慣自体は、昔からあるようですね。
近年はうなぎもサンマも不漁(ふりょう)で、入手が難しいかもですが。
でももし今日、何か「蒲焼き」に出会うことがあったら、
その由来や歴史の厚みを思いながら食べてみるのもいいかもですね。
そうすると「身体の健康」だけでなく、「頭の健康」にもいいかも?
まあそんな感じで~。
◆用語集(※整理のため、一部を過去記事より移転。また人名等、敬称略)
・蒲焼き(かばやき):
ちなみにWikipediaによれば、京都府には「鱧の蒲焼(はものかばやき)」という京料理もあるらしい。
関連用語:「照り(てり)」*6、「炭(すみ)」*7、「火(ひ)」*8、「灰(はい)」*9
・うなぎ/ウナギ(鰻):
Wikipediaによれば「ウナギ科(Anguillidae) ウナギ属(Anguilla) 」に属する魚類の総称。
英語では「eel(イール)」。
身体は細長く、ぬるぬるしている。似たものに「どじょう(泥鰌)」や「なまず(鯰)」などもいる。
「デンキウナギ」という、身体から電気を発することができるものもいる。
・カバノキ属(カバノキぞく)/樺:
Wikipediaによれば、「カバノキ科」の1属。
カバ・カンバ(樺)、カバノキ(樺の木)などと総称するらしい。
有名な木の「白樺(シラカンバ、シラカバ)」もここに属するようだ。
多分動物の「カバ/河馬(かば)」とは関係がないと思われる。…思われるのだが、カタカナで「カバ」と書かれるとかなり見分けがつきにくい。
ちなみにマンガ『テニスの王子様』*10には「樺地(かばじ)」という名字のキャラクターもいる。
関連用語:「樺細工(かばざいく)」*11
・シラカンバ/白樺(しらかば)/シラカバ【木】:
Wikipediaによればカバノキ科カバノキ属の落葉樹の1種。
Wikipediaでは「シラカバ」の方が別名として載っていたので、それに従った。
樹皮(じゅひ)…この木の皮が白いことから、この名前が付いたらしい。
色々なことに使われるようだが、樹液は人工甘味料「キシリトール」の原料になるらしい。
またヨーロッパでは、五月祭*12にシラカンバの葉や花で飾り付けた「メイポール (Maypole)」 を広場に立て、その周りを踊りながら廻るという風習があったとのこと。
関連地名:「長野県(ながのけん)」*13
・樺地崇弘(かばじ・むねひろ)【テニプリ】:
マンガ・アニメ『テニスの王子様』のキャラクター。
対戦相手の技など、色々な物をコピーできる才能がある(関連ゲームではすごいことになっていたりもする)。
普段は非情に無口で、ほとんど「ウス」以外のセリフを発さないようだ。
・串(くし):
関連用語:「そろばん(算盤)」*14、「オベリスク」*15
*1:植物の「蒲(がま)」については 9/16 理+英:「蒲(がま)」は「尻尾(しっぽ)」で「メイス」ですか? ~「cattail」と「reed mace」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:食品の「蒲鉾(かまぼこ)」や「竹輪(ちくわ)」については 5/30 生+英:「お餅(おもち)」はケーキですか? ――はい、「ちくわ」もケーキです - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「みりん」については 4/7 生+歴他:「福神漬(ふくじんづけ)」は「神(かみ)」の「漬物(つけもの)」ですか? ~「福神漬」と「七福神(しちふくじん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「植物(しょくぶつ)」については 5/15 理+英:食物連鎖(しょくもつれんさ)/植物(しょくぶつ)さんはプロデューサーだった!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:植物の「穂(ほ)」については 9/17 理+英他:揺れる「稲穂(いなほ)」は「ケモミミ」ですか? ~「稲穂」と「ear」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「照り(てり)」については 5/18 英+生:「髪(かみ)」関係の英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「炭(すみ)」については 5/19 英+理:炭酸(たんさん)とカルボナーラ! ~日常に溢れる「炭(すみ)」成分~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「火(ひ)」については 10/9 英語:消防訓練とドリルの関係!? ~今日はファイアドリルの日です~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:炭火蒲焼きの製造過程で時に見られる「灰(はい)」については 10/16 英+国:色んな「~ッシュ」で終わる言葉! ~「アッシュ」、「クラッシュ」、『パイプユニッシュ』~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:マンガ・アニメ『テニスの王子様』については 4/20 学+体:色んなスポーツ&部活についてのマンガメモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:細工の一種「樺細工(かばざいく)」については 3/19 国+美:色んな「細工(さいく)」の話! ~飴細工、ガラス細工、寄木細工~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*12:ヨーロッパの「5月祭」については 5/12 生+英他:「じゃがいも」は「5月の女王」ですか? ~「メークイン」と「May Queen(メイ・クイーン)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*13:白樺が県の木だという「長野県(ながのけん)」については 4/24 社会:野菜たっぷりダンジョン!? ~町おこし・村おこし~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*14:「串」と呼ばれる棒の部品がある「そろばん(算盤)」については 4/19 数+英他:「そろばん」は「ビーズ」でできてますか? ~そろばんの「珠(たま)」と「beads(ビーズ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*15:串が語源とも言う「オベリスク」については 6/23 歴+ゲーム:「オシリス」・「オベリスク」・「ラー」(神名敬称略)の話! ~『遊戯王』とエジプト神話の話メモ~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。