12/1 国＋理：「機械（きかい）」といったら「木製（もくせい）」ですか？　～「機（き）」と「械（かい）」の由来の話～

　国語＋理科の話ー。

　現代ではよく聞く「機械（きかい）」*1という言葉と、
　それを作ってる「機（き）」と「械（かい）」という字についての話です。

　前置き。
　筆者はちょっと色々な言葉を調べていたのですが、
　その中で「『機械（きかい）』という字は、どっちも左が『木』だなあ」と思ったのでその話を。

※

　まず、今の「機械（きかい）」というと、「メカ」とか「ロボット」*2、「コンピューター」*3って感じで、
　どれも素材（そざい）*4は「金属（きんぞく）」*5というイメ－ジがありますが。

　しかし「機械」という言葉に使われている漢字、
　「機（き）」も「械（かい）」も、どちらも左が「木」（きへん）となっております。
　仮に「機械といえば金属」なら、左は「金」（かねへん）の方が自然ですよね。
　何故なのか気になったので、調べてみました。

　まず、漢和辞典で①「機（き）」と②「械（かい）」の字を調べてみました。

①「機（き）」という字は、「しかけ（仕掛け）」、「からくり（絡繰り）」という意味もありましたが、
　読みとして「機（はた）」というものもありました。
　これは昔の「はたおり」の機械…つまり、糸（いと）*6を織物（おりもの）にする機械のことですね。
　「織機（しょっき）」とも言うようです。

　この「機（はた）」にも色々種類があるようですが、
　歴史の資料集とかで見た感じ、大部分が「木」でできていることも多いので、
　左側に「木（きへん）」が使ってあるのも納得ですね。

②「械（かい）」という字は、上記の「機」と同様に「しかけ」「からくり」という意味もありましたが、
　どうやら「かせ（枷）」や「手かせ」…罪人（ざいにん）の手にはめる道具、という意味もあるようです。
　素材が鉄である「手錠（てじょう）」と違い、「手かせ」というと素材は「木」でできていることも多いので、
　左側に「木（きへん）」が使ってあるのも、納得かもしれません。

　…と、ざっと漢和辞典を調べた中ではこんな感じですね。

　ちなみに、国語辞典やWikipediaなども見てみましたが、
　だいたい「機械」とは力（ちから）*7を伝えるもの・他の形に変換（へんかん）するものとか、
　「からくり」や「しかけ」であるというような説明になっています。

　つまり「機械」の条件に「素材が金属である」ということは、別に含まれていない感じです。
　なので木で作られている…木製（もくせい）の仕掛けも「機械」ということですね。

　むしろ、昔は（日本では）「機械」といえば「木製（もくせい）」だったのかもしれません。
　糸を織物にする「機（はた）」も「手かせ」も、多分古くから使っていた道具と思われるので、
　鉄などの金属を自由に使える以前から、あった可能性がありますね。

※

　でも、やっぱり現代で「機械」というと、昔とまた違ったイメージがありますね。

　なので、今また「機」・「械」といった字を新しく作り直すとしたら、
　「金属」のイメージが強いので、左側は「金」（かねへん）になるかもしれません。
　もしくは、また違った新しい素材のマークが入るのかも？

　考えてみると、ちょっと面白いかもしれませんね。

　まあそんな感じで～。

　関連用語：「てこ」*8、「スマートフォン」*9、「プログラム」、「人形（にんぎょう）」*10、「絹織物（きぬおりもの）」*11、「産業革命（さんぎょうかくめい）」*12
　

追記
　ちなみに「器械（きかい）」という言葉もあります。
　こちらはまたちょっと意味が違うようですね。

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