理科+社会+生活+美術+英語の話ー。
イカ*1の墨(すみ)*2である「イカ墨(いかすみ)」と、
そこから発生したらしき「セピア調」という言葉についての話です。
前置き。
先日「イカ墨パスタ」のソースを見まして、
ふと「イカ墨」について調べたくなりましたので、その話を。
※
まず、「イカ墨(いかすみ)」というと、イカの吐く墨(すみ)のことですね。
ざっくりいうと黒っぽい液体(えきたい)って感じです。
墨(すみ)と呼ばれてはいますが、書道(しょどう)などで使う墨、墨汁(ぼくじゅう)とはまた違うものですね。
そんな「イカ墨」ですが、昔はよく「インク」として使われていたようです。
(ちなみにインクとは何かを書く・描く・印刷する時に使う液体のことですね)
その時は特に「セピア(sepia)」と呼ばれたりするようです。
ちなみに「セピア」と言うと、古い写真などで茶色と白のものは、「セピア調(セピアちょう)」なんて呼ばれたりもします。
どういう関係があるのか、と調べてみると。
Wikipediaによれば、上記のセピア(イカ墨)を加工した茶色のインクが、近世(きんせい)になって使われていたようで。
それでこの「茶色」が「セピア色」と呼ばれるようになったのだとか。
(そして特に19世紀末くらいに人気になったようです)
で、古い写真の材料…「モノクロ印画紙」と呼ばれるものは、「経年劣化(けいねんれっか)」…つまり時間が経つことで、色が褪(あ)せていくのだとか。
それでちょうど、上記の「セピア」っぽい「茶色」と白の色合いになるので、「セピア調」と呼ばれるようになったみたいですね。
ちなみに、「色褪せた思い出」のことを「セピア色の思い出」なんて言ったりもするようです。
当時は鮮やかだった気持ちが、
まるで、写真がセピア色に変わるように、時間で変わってしまった…、という訳ですね。
何やら切なくて素敵な言葉ですが、
由来からすると「イカ墨(の加工品)色の思い出」となるのは、ちょっとシュールな気もしますね。
別に「イカがロマンチックじゃない」というわけではないのですが、つい食材としてのイカを連想してしまいます。ちなみにイカ墨パスタ色の思い出でもありません
※
ちなみに、Wikipediaによればイカ墨は色んな所で使われてきたようなので、
実はけっこう人間の生活(せいかつ)や文明(ぶんめい)を支えてきた、と言えるかもしれません。
例えばイカ墨がないことで、ある本・新聞・雑誌・芸術作品などが無かったとするなら…
ちょっと人間の歴史(れきし)が変わっていたのかも?
あなたの思い出や人生(じんせい)が、特に「セピア」の色ではなくても。
実は大本を辿れば、密かに「セピア(イカ墨)」に支えられていた…
なんてことは、あるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみにWikipediaによれば、イカ墨には「アミノ酸」が入っており、食材(しょくざい)として使えるそうです。
アミノ酸は旨味(うまみ)の成分(せいぶん)ともされていますので、
上に書いた「イカ墨パスタ」のような料理があるのも納得ですね。
ちなみに書道の「墨」は食用ではありませんので、ご注意を。
◆用語集
・イカ墨:
・セピア:
・セピア調:
・モノクロ印画紙:
関連用語:「モノクローム」*3、「グラビア印刷」*4、「オフセット印刷」
*1:海の生物、「イカ(烏賊)」については 10/31 英語:タコ/悪魔の魚、天使の魚 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「墨(すみ)」については 9/8 国+体+英:色んな「stroke(ストローク)」/漢字の「一書き(ひとかき)」、水泳の「一掻き(ひとかき)」!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「モノクローム」については 5/24 美+数他:「1=2」の色合いですか? ~「モノクローム(monochrome)」と「白黒(しろくろ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「グラビア印刷」、「オフセット印刷」については 10/23 美+英他:「鳥(とり)」も「グラビアモデル」になりますか? ~「グラビア」と「グラビア印刷」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。