生活+中国語+社会の話ー。
別に「担いで売らなきゃ担担麺じゃない!」という話ではありません。料理漫画では出そうなセリフですが
中華料理の一種「担担麺(たんたんめん)」と、
その由来であるという「担担(たんたん)/天秤棒(てんびんぼう)」についての話です。
暑いので簡単に。
前置き。
筆者が国語辞典を読んでいると「坦坦(たんたん)」という言葉を見つけまして。
そこから「担担麺(たんたんめん)」について調べてみたので、その話を。
※
まず「担担麺(たんたんめん)」とは、中国の麺(めん)料理の一種ですね。
辛い味付けや、載せてあるひき肉(挽肉)などが特徴的です。
日本でも人気で、専門店もあるほどですね。
ところでこの「担担」とはなかなか変わった名前ですが、由来は何なのか?
気になって調べてみると。
Wikipediaによれば「担担」または「担担兒」は中国の「成都(せいと)」(※場所名)の方言で「天秤棒(てんびんぼう)」を意味するそうです。
(ちなみに「天秤棒(てんびんぼう)」とは両端にものをぶら下げ、肩(かた)*1、に「担(かつ)ぐ」ための棒ですね)
で、もともとこの天秤棒に道具をぶら提げ、「担(かつ)いで」売り歩いた麺料理のため、この名がついたのだとか。
「担担(天秤棒)で担ぎ売りしてる麺料理」→「担担麺」という感じでしょうか。
日本の担担麺はお店で座りながら食べることが多いので、ちょっと意外ですね。
思ったより、本場ではもっと身近な感じなのかもしれません。
日本でも江戸時代などには「寿司」や「ドジョウ(泥鰌)」など色んなものが「担ぎ売り」されていたようですし、感覚が似ているかもですね。
※
よく考えると「担担麺」の「担」の字は「担(かつ)ぐ」などで見る字ですが、
筆者は「担担麺」の意味については深く考えてきませんでしたね。反省です。
今は新型コロナウイルス*2の影響があるので、「担ぎ売り」の麺を食べるのはちょっと注意が必要かもですが、
今度あなたが「担担麺」を食べることや、逆に「天秤棒(担担)」を「担ぐ」ことでもあれば、
もう一方の意味を思い出してみても、面白いかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに担ぎ売りされていた「担担」(担担麺)ですが、
Wikipediaの説明を見ると、売り手が「七輪(しちりん)」や「炭(すみ)」など温める道具も持ち歩いていたようですね。
そのおかげか、温かい麺が食べられたっぽいです。
今は夏なので冷たい物が恋しい気もしますが、冬にはありがたいサービスですね。
追記2
ちなみに手元の国語辞典に載っていた「坦坦(たんたん)」はまた別の意味だったりします。
そこでは「道路などが平らな様子」、「変わったことが無く、無事に過ぎる様子」となっておりました。
これは「担担麺」とどういう関係が…とも思ったのですが、よく見てみると字が違ったりします。
「担担麺」は「担」で、「坦坦(たんたん)」の方は「坦」ですね。なかなかややこしいです。
一応関係語としては、
「担」は「担当(たんとう)」、「担任(たんにん)」、「分担(ぶんたん)」など、
「坦」は「坦平(たんぺい)」、「平坦(へいたん)」など
という感じなので、ここら辺から覚えるのもいいかもしれません。
また違う漢字・言葉なのですが、ネットでは「担担麺」を(多分間違って)「坦坦麺」と書いている方もおられるようです。