のっぽさんの勉強メモ

主に中学の学習内容と、それに絡みそうな色んなネタを扱っています。不定期更新ですー。あ、何か探したいことがある場合は、右の「検索」や記事上のタグやページ右にある「カテゴリー」から関係ある記事が見られたりします。

2/16 国+オラ他:「おてんば(お転婆)」は「転んだお婆ちゃん」…ではない!? ~「おてんば」と「ontembaar(オンテンバール)」の話~

 国語+オランダ語*1+こころの話ー。


 女の子が元気がいい様子「おてんば(お転婆)」と、
 その由来らしいオランダ語、「ontembaar(オンテンバール)」の話です。


※以下、性別*2や年齢に関わる話などがあります。
 不快に感じる方がおられたらすみません。


 前置き。
 ふと気になって調べた、「おてんば」の語が面白かったので、その話を。


 まず「おてんば」とは、元気のいい女の子みたいな意味の語ですね。
 「活発(かっぱつ)」な様子…また昔でいう「男勝り(おとこまさり)」に似た感じらしいです。
 だからか、「おてんばな男の子」とはいわず、「おてんばな女の子」とか「おてんば娘」という言葉がある感じですね。
 (※ただこれらの表現は、今だとあんまり使わないかもしれません)
 あと物語などだと、よく「おてんばなお姫様」などが出てきたりもします。


 そんな「おてんば」、漢字だとお転婆(おてんば)」となるのですが。
 …この字だと、「転んだお婆(ばあ)ちゃん」みたいな感じもしますね。
 あまり女の子(若い女*3)っぽくない気もします。というか転んで骨を折ってないかが心配になります


 なので、どうして「婆」の字を使っているのか?と調べてみると。
 国語辞典やWikipediaによれば、
 元々の日本語ではなく、オランダ語「ontembaar(オンテンバール)」から来ている、という説があるようです。
 これは国語辞典によれば「野生(やせい)の」Wikipediaによれば「手に負えない」等の意味があるようですね。


 この「オランダ語」の説に従うなら、「お転婆」というのは当て字であり、
 「お転婆」の漢字自体には、特に意味は無いことになりますね。
 それはそれで納得がいく感じもします。


 ただWikipediaによれば他にも説があるようで。
 オランダ語ではなく、元から「てんば」という言葉があり、接頭辞として「お」が補われて「お転婆」になった…という説もあるようです。
 また男女両方に使う「転婆(てんば)」という言葉もあるようですが、少し長くなるので追記で。


 まあどの説にせよ、
 「おてんば」と言われる本人は別に「お婆ちゃん」でもなさそうなので、
 「『お転婆』は」『転んだお婆ちゃん』ではない!」と言えそうです。


 …「お転婆過ぎて転ぶお婆ちゃん」もおられるかもですが、
 どちらかというと「元気なお婆ちゃん」と呼ばれそうですね。


 という訳で、今回「おてんば」を調べてみたのですが。
 辞典などの説明では、「男勝り」とか「女性としてのたしなみを忘れて~」等、
 性別に関するもの…特に「女性のあるべき姿」(への当時のイメージ)をベースにしてるっぽい語が、多かった感もあります。
 (性別表現に注意する)現代とは、またちょっと違う感覚の感じもしますね。


 まあここでは「『おてんば』と言うべきではない!」と言いたいわけではなく、
 言葉にはやはり時代の考えが現れるのかな、と感じたという話です。
 今だったら「活発」とかを代わりに使いそうですが、また違う感じもしますね。


 さて、例えばあなただったら「おてんば」をどう言い換えるでしょうか?
 自分で新しい語を作るか、
 または言い換える必要は無いと思うか、
 そもそもこの語を必要としないでしょうか?


 判断は人によるかもですが、少し考えてみるのも面白いかもですね。




 まあそんな感じで~。




追記
 本文で略した、男女両方に使うらしい「転婆(てんば)」についてですが。
 これはWikipediaによれば、親不孝(おやふこう)で従順(じゅうじゅん)じゃない、みたいな意味だそうです。
 …親不孝で「転婆」というと、お年よりへの虐待(ぎゃくたい)っぽくてアレですね。わざと転ばせてるみたいで怖いです。
 ただこの「転婆」の語は、手元の国語辞典では確認できなかったので、一応追記で記すという形にさせて頂きます。


追記2
 ちなみに和英辞典によれば、「おてんば」は英語で「tomboyトムボーイ)」ともいうようです。
 何故人名っぽい「tom(トム)」の語が入っているのかは不明ですが、
 「boy(ボーイ)」は「男の子」、「少年(しょうねん)」という感じなので、
 「男の子(boy)みたいに振る舞う女の子」→「tomboy」ということかもしれませんね。
 …しかしやはり前半の「tom」のインパクトが強いので、
 「『おてんば』な女の子と思ったら、トム(tomboy)だった…!?」みたいな気分にもちょっとなります。






◆用語集
・おてんば(お転婆):
 女の子が元気がいいとか「男勝り」であることを表す言葉。
 辞典によれば、英語では「tomboyトムボーイ)」、「hoyden(ホイデン)」などというようだ。
 本文で記したようにオランダ語の「ontembaar(オンテンバール)」から来たという説がある。
 ちなみにこの「ontembaar」には「野生の」の意味があるようだが、
 その意味を適用すると「おてんばな女の子」が「野生の(ontembaar)女の子」となり、ファンタジーやバトルものだとすごく強そうな感じになるかもしれない。みなぎる野生のパワー!暴れる女の子!
 ちなみにWikipediaによれば「おてんばな(女の子)主人公」の物語は色々あるようだ。
 例えば筆者が知っているだけでも『キャンディ・キャンディ』、『はいからさんが通る』、『あんみつ姫』、『長くつ下のピッピ』、『若草物語』などがあった。
 関連用語:「そばかす(雀斑、雀卵斑)」*4


・ontembaar(オンテンバール)【オランダ語】:
 調べた中では「野生の」とか「手に負えない」という意味があるっぽいオランダ語
 本文で記したように「おてんば」の由来になっているという説がある。
 だが、こちらはあまり性別を特定する感じでもなさそうなので、男の子や男性に対しても使うかもしれない。
 …その場合、バトル物とかで「野生のドラゴンが出た!」とか「あの大男、強くて手に負えないぞ!」という場合も使われるかもしれない。「おてんば」との対比を考えるとちょっと面白い。あのドラゴンと大男、すごくおてんば(ontembaar)だぞ!


・転婆(てんば):
 Wikipediaによれば、親不孝(おやふこう)で従順(じゅうじゅん)じゃない、というのを表す言葉らしい。


tomboyトムボーイ):
 英和辞典によれば「おてんば」や「おきゃん」等の意味を持つ英語らしい。
 多分「トム(Tom)少年(boy)」のことではない。


・hoyden(ホイデン):
 ネットで調べた感じ「田舎者(いなかもの)」等の意味も含むようなので、注意。


・男勝り(おとこまさり):
 辞典などによると、男性より気持ちがしっかりしている女性のことらしい。
 裏を返せば、「女性は普通、男性よりしっかりしていない」という価値観がこれの下地にありそうである。
 逆に「女勝り」という語は特になさそうだ(手元の国語辞典では確認できなかった)。
 「顔負け(かおまけ)」という言葉はあるので、それを使って「女性顔負け」という言い回しはできるかもだが、そちらは「男性顔負け」とも言えてしまったりする。
 関連用語:「女々しい(めめしい)」*5


・『キャンディ・キャンディ』:
 Wikipediaによれば、原作「水木杏子(みずき・きょうこ)」氏、作画「いがらしゆみこ」氏による日本の少女漫画作品(本編1975年~1979年)。
 アニメ化もしているようだ。
 関連用語:「candy(キャンディ)/飴(あめ)」*6、「飴(あめ)」


・『はいからさんが通る』:
 Wikipediaによれば、「大和和紀(やまと・わき)」氏による日本の漫画(本編1975年~1977年)。
 アニメ、映画、ドラマ、舞台の演目になっていたりもするようだ。


・『あんみつ姫』:
 Wikipediaによれば、「倉金章介(くらかね・しょうすけ)」氏による日本の漫画作品(最初の原作は1949年~1955年)。
 また、映画、テレビドラマ、テレビアニメ作品化もしているようだ。


・『長くつ下のピッピ』:
 Wikipediaによれば、スウェーデンの「アストリッド・リンドグレーン」氏の童話(第1巻1945年)。
 アニメや映画、人形劇、ミュージカル*7などになっているようだ。
 関連用語:「靴下(くつした)」*8


・『若草物語(わかくさものがたり)』:
 Wikipediaによれば、アメリカの作家「ルイーザ・メイ・オルコット」氏による自伝的小説。
 世界各国で映画・演劇・漫画・アニメ化しているようだ。


benkyoumemo.hatenablog.com

benkyoumemo.hatenablog.com

benkyoumemo.hatenablog.com

benkyoumemo.hatenablog.com

*1:オランダ語」については 3/2 社会:ウサギの話(を少し) - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*2:「性別(せいべつ)」については 8/2 生+こころ:あなたの「性別(せいべつ)」はどんな「性別」? ~「(肉体的)性別(せいべつ)」、「性同一性(せいどういつせい)」、「性的指向(せいてきしこう)」~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*3:「女性(じょせい)」や「男性(だんせい)」については 10/13 英語:ジェントルマンと「ジェントルウーマン(gentlewoman)」の話! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*4:「そばかす(雀斑、雀卵斑)」については 1/8 生+国他:「スズメ(雀)」は「ソバ」の一種ですか? ~「そばかす/雀斑/雀卵斑」と、「蕎麦殻(そばがら)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*5:主に男性に対して使われる言葉「女々しい(めめしい)」については 8/29 国+こころ:「きゃしゃ」とは「花(はな)」の「車(くるま)」ですか? ~「華奢(きゃしゃ)」と「花車(きゃしゃ)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*6:「飴(あめ)」の意味を持つ英語「candy(キャンディ)」や「飴(あめ)」については 1/14 英+国他:「ドロップ(drop)」は「飴(あめ)」で「ドロップキック」ですか? ~「drop(ドロップ)」の色んな意味の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*7:「ミュージカル」については 6/16 英語:broad/ブロードウェイ、ブロードソード、そして出刃包丁! - のっぽさんの勉強メモ を参照。

*8:「靴下(くつした)」については 9/30 英+生:どこから「タイツ」で「ストッキング」? ~服とか靴下の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。