国語+英語+社会+学習の話―。
「性別変更の上、若返り…!?」的な話ではありません。
よく考えると、ガッツリ「弟(おとうと)」*1という字が入っている、
「弟子(でし)」という語についての話を。
対応する英語などと比べつつ。
遅くなってしまったので簡単に。あとほぼ思いつきのネタです。
前置き。
昨日「親近感(しんきんかん)」*2について書いたことから、
「親(おや)」の反対語っぽい「子(こ)」周りを調べていたら。
ふと「弟子(でし)」という語気になったので、その話を。
※
まず「弟子(でし)」とは、ある人の元で学んだり、修行(しゅぎょう)する人ですね。
教える側の人は「師匠(ししょう)」や「先生(せんせい)」などと呼ばれたりします。
「弟子」は、いわゆる「生徒(せいと)」などに似た感じもしますが、
弟子という場合、もっと少人数で、専門的なことを学ぶイメージがある気もしますね。
で、マンガ等では「師匠に弟子入りして、強くなる」的な展開も多いですし、
筆者も「弟子」について、特に違和感はなかったのですが。
…でもよく見ると、「弟子」には「弟(おとうと)」という漢字がガッツリ入ってますね。
「弟(おとうと)」というと、主に「ある人より年下の『男』のきょうだい(兄弟)」みたいな感じですが。
しかし、誰かの「弟子」になることは、基本的には誰でもできるので、
例えば「姉(あね)」*3…「ある人より年上の『女』のきょうだい(姉妹)」でもできたりします。
すると、自分の「姉」が誰かに「弟子入り」した場合、
「『姉』が『弟子』になる」ということになりますが。
字面の上では「『姉』が『弟』になったの…!?」みたいにも見えて、ちょっと面白い気もしますね。
※
まあ漢和辞典によれば、「弟」という字は「弟(おとうと)」の意味だけでなく、
それ自体に「でし(弟子)」の意味があったり、「年下(としした)」の意味もあるようです。
また「弟子(ていし)」という読みだと、「年の若い者」、「教え子(おしえご)」、「門弟(もんてい)」の意味があるようなので、
「姉が弟子になる」ことに、特に矛盾(むじゅん)は無さそうではありますが。
ただ例えば和英辞典では、「弟子」にあたる英語は「pupil(ピューピル)」、「disciple(ディシプル、ディスィプル)」、「apprentice(アプレンティス)」などだったので、
特に「brother(ブラザー)/兄弟」や「sister(シスター)/姉妹」などの語は関係していないようです。
なので海外から見ると、「弟子」という語が奇妙に見える可能性はあるかもですね。
上記「『姉』が『弟子』に~」というのは、筆者の一発ネタではありますが。
ただ海外の人に「なんで『弟子』には『弟』って字が入ってるの?」とか
「『弟子』は、『弟』や『年下(弟)の男』しかなれないの?」なんて聞かれた時のため、
改めてそれらの字や意味をチェックしておくのも、いいかもですね。
まあそんな感じで~。
追記
ちなみに「弟子」の前に、兄弟姉妹系の言葉がつくこともあります。
例えば「兄弟弟子(きょうだいでし)」、「兄弟子(あにでし)」や「弟弟子(おとうとでし)」、「姉妹弟子(しまいでし)」、「姉弟子(あねでし)」や「妹弟子(いもうとでし)」などですね。
(意味的にはそれぞれ「先輩(せんぱい)の弟子」、「後輩(こうはい)の弟子」みたいな感じですね)
…それにしても「兄弟(きょうだい)」と「兄弟子(あにでし)」、「姉弟(してい」と「妹弟子(いもうとでし)」、すごい字面が似てますね。
ちなみに自分の兄が、誰かに弟子入りして、そこで「弟弟子」として扱われる可能性もあります。
そうすると「兄は弟弟子」となって、なかなか文の見た目がややこしくなってきますね。
追記2
ちなみに「弟(おとうと)の子(こ)」…弟の子どもと、「弟子」はまた違う語ですね。
言ってみれば「『弟の子』と『弟子』は違う」という感じです。
日本語に馴れた人なら「当たり前だろ?」と思ったりするかもですが、
日本語を学んでいる海外の方とかは、「何で!?」とか「すごいややこしいな!」と思ったりしそうではあります。
追記3
ちなみに追記1と追記2を合わせると、
「弟の子の弟子は兄の兄弟子」という文が成立する可能性もあります。…我ながらややこしいですね。
(この場合の関係としては
先生:弟の子
兄弟子:弟の子の弟子
弟弟子:兄
みたいな感じですね)
追記4
ちなみに「弟子」という言葉はもう広まっているので、
「そんなに性別を気にしなくても…」と思われる方もおられるかもです。
(筆者もそう思うところもあります)
ただ、例えばこれが「弟子」という語でなく「妹子」(※造語)という語で成立していた場合、
男である筆者は誰かの「妹子」(弟子)になろうとする時、
「女性でないのに、『妹』に…?」みたいな気分がなくもないので、
逆に、今の「弟子」という語に、違和感を持つ女性(または男性など)の方もおられるかもですね。
(まあ、昔から「妹子」という語が使われていたら、今の筆者も気にしていないかもですが)
…ちなみに、それはそれとして「妹子(いもこ)」というのは普通に人名であったりします。
(例:「小野妹子(おののいもこ)」(敬称略)など)
合わせて考えるとなかなかややこしいですね。妹子さんが弟子になったり妹子(造語)になったり
◆用語集
・弟子(でし):
英語では「pupil(ピューピル)」、「disciple(ディシプル、ディスィプル)」、「apprentice(アプレンティス)」など。
関連用語:「入門(にゅうもん)」*4、「魔法使い(まほうつかい)」*5
関連作品:『魔法使いの弟子』*6
関連記事:『兄弟を表す外国語セブン』、『姉妹を表す外国語セブン』
*1:「弟(おとうと)」や「兄(あに)」、「兄弟(きょうだい)」、また記事『兄弟を表す外国語セブン』については 2/10 生+諸外他:「兄弟(きょうだい)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「親近感(しんきんかん)」や「親近(しんきん)」については 10/16 こころ+社他:「親近感(しんきんかん)」は「強そう」な「感じ」ですか? ~「親近感」と「親近(しんきん)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「姉(あね)」や「妹(いもうと)」、「姉妹(しまい)」、また『姉妹を表す外国語セブン』については 2/17 生+諸外他:「姉妹(しまい)」を表す外国語7つ+α! ~今週の外国語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「入門(にゅうもん)」については 8/19 学+国他:「入門(にゅうもん)」の「逆(ぎゃく)」は何ですか? ~「学び始め」と「学び終わり」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「魔法使い(まほうつかい)」については 7/19 英+ゲーム:「ファンタジー世界の職業」に関する英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:『魔法使いの弟子』については 9/15 音+歴:受け継がれる「魔法使いの弟子」! ~ゲーテ、デュカス、そしてディズニー~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。