歴史の話ー。
若干アレなタイトルですが、ファンタジーのネタではありません。
魔王*1とは「織田信長(おだ・のぶなが)」*2のことですね。
信長は自分で「第六天魔王(だいろくてんまおう)」と名乗ったので。
そんな訳で、織田信長の銃の師匠とされる人物、「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」の話を。
前置き。
過去記事ですでに「織田信長(おだのぶなが)」や「桶狭間の戦い」については書きましたが、
調べものをしていたら「織田信長(おだのぶなが)」の火縄銃(ひなわじゅう)*3の師匠、という人物を見つけまして。
それは「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」という人物です。
Wikipediaによれば、16~18歳の時の信長には、何人か「師匠(ししょう)」がいたらしいのですが
火縄銃の扱いについてはこの「橋本一巴(はしもと・いっぱ)」という人物が師匠になったようです。
(『信長公記』(しんちょうこうき)という、信長について資料の中に書いてあったようです。)
ところで信長と「鉄砲」というと、「三段撃ち」で有名な「長篠の戦い」(1575年)を思い浮かべますが、
Wikipediaによれば、ここで「桶狭間の戦い」*4(1560年)ですでに、織田信長によって「鉄砲」が使われていたようですね。
またこれが(日本において)戦力として初めて「鉄砲」が使われた例であると。
ちなみに年表にして確認してみると
1534年:信長が生まれた
1542年:鉄砲が種子島に伝来 (信長は約8歳)。
1550-52年:信長が16~18歳、このときに火縄銃の扱いを習った?
1560年:「桶狭間の戦い」 (信長は26歳くらい)
って感じですかね。
信長誕生の8年後に鉄砲が来て、その8~10年後くらいに「橋本一巴」を師匠としている感じです。
で、やはりその8~10年後くらいに「桶狭間の戦い」がある、と。
なんか奇妙な感じもしますね。
あと当時のタイムスパンは分かりませんが、当時の最新武器なのでかなり導入が早い気もします。
教科書などにはあまり「橋本一巴」の名前は出てきませんが、
信長が「桶狭間の戦い」で勝てた要因に「鉄砲」があったとすると、
そこに「橋本一巴」がいるかいないかだけで、歴史が大きく変わりうる…なんてことがあるのかもしれません。
まあそんな感じで~。
関連用語:「硝石(しょうせき)」*5
関連人名:「今川義元(いまがわ・よしもと)」
追記
ちなみに日本で初めて鉄砲を作ったのは「近江国」の「国友村(くにともむら)」というところのようです。
Wikipediaによれば、1544年、室町幕府将軍「足利義晴(あしかが・よしはる)」が管領「細川晴元(ほそかわ・はるもと)」に命じて鉄砲製作を依頼したと。
で、「国友善兵衛(くにとも・ぜんべえ)」という人物によって2挺の鉄砲が献上されたと。
これによって「国友」は以後、鉄砲の産地として盛え、有名になります。
(具体的には高校の「日本史」の用語集に載るくらい有名になります。重要)
そして「桶狭間の戦い」で国友製の鉄砲が織田信長により初めて戦力として使用された、という流れのようです。
また「長篠の戦い」でも国友の量産*6鉄砲が使用されたようです。当時は鉄砲を作れるところは多くはないので、「国友」はとても重要な場所であり、現代で言うとこの「大手メーカー」みたいな感じだっただろうと思われます。鉄砲と言えば国友、みたいな。
◆用語集
・橋本一巴(はしもと・いっぱ):
信長に火縄銃の扱いを教えたとされる人物。
Wikipediaによれば、永禄元年(1558年)の「浮野(うきの)の戦い」において弓の達人「林弥七郎(はやし・やしちろう)」と相打ちになったらしい。この戦いの様子は愛知県・稲沢市の昔話「鉄砲の名人と弓の達人」に残っているようだ。
関連人名:「雑賀孫市(さいか・まごいち)」*7、「国友一貫斎(くにとも・いっかんさい)」
・『信長公記』(しんちょうこうき):
織田信長についての「一代記(いちだいき)」。つまり信長について書かれた書物。
著者は信長に仕えていた「太田牛一(おおた・ぎゅういち)」という人物らしい。
・太田牛一(おおた・ぎゅういち):1527 -1613。
戦国時代から江戸時代初期にかけての武将、官僚。
上記の『信長公記』の著者。
・足利義晴(あしかが・よしはる):1511 - 1550。
室町幕府第12代将軍。
鉄砲の製作を、管領「細川晴元(ほそかわ・はるもと)」に依頼した人物でもある。
この人が「鉄砲なんてダメだ!」と言っていたら、それはそれで大きく歴史が変わっていたかもしれない。
関連人名:「足利義輝(あしかが・よしてる)」(第13代)*8
・細川晴元(ほそかわ・はるもと):1514 - 1563。
室町時代後期(戦国時代)の武将・戦国大名。
Wikipediaによれば「武田信玄(たけだ・しんげん)」や、本願寺の「顕如(けんにょ)」*9の義兄に当たる人物でもあるらしい。
また武将の「長宗我部元親(ちょうそかべ・もとちか)」はの「元」の字は、「細川晴元」からもらった字(「諱(いみな)」*10)であるらしい。
・室町時代(むろまちじだい):
関連作品:『若気嘲弄物語(にゃけちょうろうものがたり)』*11
*1:「魔王(まおう)」については 1/27 英語:翻訳(ほんやく)を利用して魔王(まおう)を女子にする、だと…!? - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「織田信長(おだ・のぶなが)」については 2/4 社会:魔王軍経営ゲーム/指示をください、魔王さま! - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「火縄銃(ひなわじゅう)」や「長篠の戦い」については 9/20 歴史:土地をぐるぐる三段撃ちする!? ~三圃制(さんぽせい)と三段撃ち~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「桶狭間の戦い」や「今川義元(いまがわ・よしもと)」については 9/30 歴史:バックグラウンド・ストーリー! ~カードゲーム、そして偉人の背負うスト-リ―~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:鉄砲に関係する「硝石(しょうせき)」については 12/25 理科:元素記号1~18 - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「量産(りょうさん)」については 1/30 国+社:「量産(りょうさん)」こそ価値(かち)がありますか? ~「替えがある」からいいもの~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:戦国時代の銃の名手「雑賀孫市(さいか・まごいち)」や「国友一貫斎(くにとも・いっかんさい)」については 1/4 歴史:「雑賀孫市(さいか・まごいち)」はいっぱいいますか? ~記録の混乱と、「襲名(しゅうめい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:室町幕府第13代将軍「足利義輝(あしかが・よしてる)」については 1/10 歴史+ゲーム:戦国時代の「剣豪(けんごう)」の流れメモ(仮) ~ゲーム『のぶニャがの野望』より~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「顕如(けんにょ)」については 11/19 美+歴:「死(し)」を思う態度 ~ヴァニタス、ニヒリズム、そして一休さん~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:「諱(いみな)」については 7/13 国+社:「画数(かくすう)」が「足(た)りない」と「褒(ほ)められ」ますか? ~「欠画(けっかく)」と「天子(てんし)」・「天皇(てんのう)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*11:室町時代の御伽草子『若気嘲弄物語(にゃけちょうろうものがたり)』については 1/28 国+こころ:「にやける」の語源は「BL(ビーエル)」ですか? ~「若気(にやけ)」と「男色(なんしょく)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。