社会+数学+生活の話ー。
ある意味「変な数学」っぽいシリーズ。
あるものの「値段(ねだん)」*1と「価値(かち)」*2って、
また違ったりするよねー、みたいな話です。
「手数料(てすうりょう)」の話を交えつつ。
前置き。
買い物などをしていて、ふと思ったのですが、
物の「値段(ねだん)」というものは、その物の「価値(かち)」とはまた違っていることもありますね。
改めて「値段」や「価値」についてざっくり言うと、
・値段(ねだん)…その商品を買うのにかかるお金
・価値(かち)…その商品などの、(自分や他の人にとっての)お役立ち度
みたいな感じです。
で、例えば世の中には「値段は高いのにイマイチな商品」や、
「値段の割にお得な商品」というものがあったりします。
例えば、「100円」で買ったものが「100円」の価値なら、まあそのまま「ふーん」って感じですが。
「100円」で買ったのに「10円分」しか仕事しないと「損」っぽいですし
「100円」で買ったのに「200円分」に役立つ、とかだったら「得」っぽいですね。
常に「値段」と「価値」がイコール(100円=100円)だったら、そもそもこういうことは起こらないわけで。
なので「値段」と「価値」はよく違うことがある、と言えるわけです。
ある意味当たり前ですが、「100円(の値段)≠100円(の価値)」と書くとちょっと面白いですね。
で、これについては数学の「関数(かんすう)」に絡めて考えることもできるかもしれません。
例えば「値段」=「価値」であれば、値段がy、価値が「x」であれば、
「y=x」(値段=価値)
ということになりますね。これは数学の「比例(ひれい)」に近いです。
ただし上で書いたように、値段と価値は違うことがありますので、
「y=αx+b」(値段は、価値に色んなものが上乗せされたりして決まる)
という感じになります。
(※ここでいう「価値」は「お客が感じる価値」よりも、あくまで「原材料費」とか「物質的な価値」のイメージです)
「比例」というよりは「関数」(1次関数)的であると。
また場合によっては「2次関数」敵であったり、無限に複雑になっていくでしょう。
長くなるので追記に回しますが、「手数料(てすうりょう)」や「原価(げんか)」などの問題もあって、値段はよく変わります。
また「値引き」や「セール」とかで一次的に安くなることもありますね。
物自体が変わるわけではないので、これも値段と価値が離れる例といえます。
さて、年末*3や正月などにはセールが多くなったりします。
「福袋(ふくぶくろ)」とかもよく売ってたりしますが
しかし「値段」が安いからといって買うと、実は自分にとって「価値」がないものだったりするかも?
もちろん「買い物自体が楽しい」などあるので、得することだけが全てではありませんが。
時には「値段」と「価値」の差にちょっと注目してみても、
気分良くお買い物ができるかもしれませんね。
まあそんな感じで~。
関連用語:「物価(ぶっか)」*4、「生産(せいさん)」*5、「消費(しょうひ)」
追記
ある物が作られて、そのままの値段で売られるということはまずありません。
例えば、ある農家で野菜が取れたとして、それを売る時、
そこには「その野菜自体の価値」や「今までかかったお金」とかが含まれるでしょうが、
その上で「手間賃(てまちん)」が上乗せされたりします。
例えば100円のものを、110円で売ったりするわけですね。
客としては「そのままで売ってくれればいいのに!」と思うかもですが、
でないと農家さん自身の給料が手に入らないですからね。
100円かかったものが100円で売れても、収入はゼロ。
それではなかなか生活できないわけです。途中でつぶれてしまうかも。
以前の過去記事で「ブラック会社」*6や「もやし」の話をしましたが、
客にとって都合のいいことが、売る方にはかなりの負担であることもあります。
そしてその結果、店がつぶれて、お客も「損」をしてしまうこともあるかもしれません。
そう考えると「安くしてもらう」ことは、客にとっても必ず得になる、とは言えないのかもしれません。
追記2
で、物の元々の値段を「原価(げんか)」と言ったりしますが、
この「原価」にいろいろ上乗せされたものが、その商品の値段になっていることが多いです。
上の追記で書いた「手間賃(てまちん)」、または「手数料(てすうりょう)」などですね。
「労働料(ろうどうりょう)」と言ってもいいかもしれません。
例えば野菜を売るスーパーとかも、自分たちの儲けを手に入れる必要があるので、
物を仕入れた(買った)ときよりは、さらに値段を高くする必要があります。
そして、ス-パーと農家との間には、間を取り持つ人々がいたりします。
例えば「仲介業者(ちゅうかいぎょうしゃ)」「仲卸(なかおろし)」と呼ばれる方々ですね。
面倒なことを色々やってくれる代わりに、彼らを利用すると「手数料」がかかったりします。
逆に言えば、手数料を払うことで、色々やってもらえるわけですね。
また料理店でも原価にさらに上乗せしたりします。
まあ自分たちの「技術料(ぎじゅつりょう)」ですね。
客としては「あんまり上乗せされても…」という気になるかもですが、まあこれをしないと料理店の人に給料が入らないので。
では野菜が①農家で作られ、②仲卸を通り、③スーパーへ行き、そこで④料理人が買って料理を作ったとしましょう。
それぞれが「10円」の手数料をもらうとしますと、関わっている4人により「40円」が上乗せされることになります。
なので最初は「100円」で作られた野菜であっても最終的には100+40=「140円」となるわけですね。
まあ最後は「料理」になってるのでそのままとは言えないかもしれませんが。
(またもちろん手数料がこんなに安いことはなく、レストランではよく「原価3割」でやってるみたいな話をテレビで見たりします)
このように「人が仕事をすること」はよく値段に上乗せする要因になります。
逆に言えば、「仕事」というのは、「お金をもらえるくらいの労働」ということと捉えられることも多いわけですね。
(しかし直接お金にならなければ価値が無いわけではありません。そこのあたりは過去記事参照*7)
ここら辺は経済学などで扱っているので、興味があったら調べてみるのも面白いかもしれません。
追記3
ちなみに「価値」についても、色々な要素が絡んだりします。
例えばある商品がいい材料を使っているなどの話(「品質(ひんしつ)」の話)は、分かりやすく「価値」につながったりします。
しかしそれだけではなく、価値は「自分の好みに合っているか」ということを指すこともあります。
例えば「自分にとってはお得な買い物だった」とか「価値ある商品だった」とか。
例えば昔のアニメの超レア、つまり珍しいフィギュアが、とても高い値段で売られていたとしましょう。
当時は100円のものが、1万円としましょうか。
「値段」が釣り上がっているので、その意味ではこれを買うのは「損」とも言えます。
物質的な価値で言えば、昔100円で売られてものですしね。
でもそれが、「今ではもう世界に一体しかないフィギュア」とかだったらどうでしょう?
1万円でも「安い」「価値がある買い物」と感じるファンはいるかもしれません。
(またこれは「レアリティ」が「値段」や「価値」に影響する話でもあります)
なので、その人の感じる「価値」は値段と違うことは、よくあるわけですね。
あとある物に、あとから「付加価値(ふかかち)」が加わる場合もあります。
例えば「有名人がサインする」とかがわかりやすい例ですね。
最初はただの野球のボールでも、有名野球選手がホームランを打ってサインしたりすると、値段が跳ね上がったりするわけです。
追記4
若干アレな話ですが「ホストクラブ」とか「キャバクラ」、「メイド喫茶」などは
サービスを売りにしているところがあるので、その分のお金が上積みされたりするみたいです。
「場所代(ばしょだい)」や「席料(せきりょう)」とか。
あと近くの店から取り寄せた同じ料理でも、よりお金がかかったり。
といってもこれは別に「夜のお店」系に限った話ではなく、
レストランとかの「高級店(こうきゅうてん)」、または遊園地の中のレストラン、あるいは逆に祭りの「出店」とかでも、ちょっとお高めになっていることはあります。
ここにはサービス代だけでなく、「雰囲気(ふんいき)」代が積まれていると考えるとわかりやすいかもしれません。
まあ雰囲気を整えるのも、お金はかかりますしね。整備料とか家具代とか。
なのでよほどの「ぼったくり」でなければ、単純な「得」とか「損」とかとは言えないのかもしれません。
◆用語集
・付加価値(ふかかち):
新しく加えられた価値。
英語では「added value(アデット・ヴァリュー)」。「add(アド)」が「加える」という意味。
関連用語:「おまけ」*8、「掘り出し物(ほりだしもの)」*9
関連自作ゲーム:『楽しいものにつなげるゲーム』*10、
*1:「値段(ねだん)」や「価格(かかく)」については 12/3 社会:アダム=スミスと道徳(どうとく) - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*2:「価値(かち)」や「お金(おかね)」については 4/9 社会:お金と価値と愛(あい)の話 ~give me money, give me love~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*3:「年末(ねんまつ)」については 11/26 社+学:「年末(ねんまつ)」のニュースは受験に役立つ!? ~「1年の振り返り」ニュースを利用する~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*4:「物価(ぶっか)」については 12/8 数→英・社:「比(ひ)」の話って意外と面白いかも - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*5:「生産(せいさん)」や「消費(しょうひ)」については 7/26 国+社英:「生産性(せいさんせい)」についての話メモ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*6:「ブラック会社」や「もやし」農家についての話は 10/29 社+ゲーム他:「現実(げんじつ)」は、ゲーム画面より狭いですか? ~「見て見ぬふり」、「不正(ふせい)」、「公害(こうがい)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*7:「働く」こととお金の関係については 11/23 英語:「勤労(きんろう)」とか「働く(はたらく)」ことに関わる英語7つ+α! ~今週の英語セブン~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*8:「おまけ」については 12/15 国+社:「おまけ」は「負け」でも「勝ち」ですか? ~「おまけ」と「勝ち」と「価値(かち)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*9:「掘り出し物(ほりだしもの)」については 12/18 生+英他:「バーゲン」はどこかに「埋(う)まって」ますか? ~「bargain(バーゲン)/掘り出し物(ほりだしもの)」の話~ - のっぽさんの勉強メモ を参照。
*10:筆者の自作ゲーム『楽しいものにつなげるゲーム』については 2/12 学習:楽しいものにつなげるゲーム! - のっぽさんの勉強メモ を参照。